天地わたるブログ

ほがらかに、おおらかに

多摩川そぞろ歩き

2013-10-28 15:50:24 | 身辺雑記
土曜、日曜つづけて外出して人込みに入った。人疲れした月曜、東京の空気が乾いた。「爽やか」なる季語がふさわしい。
多摩川をひとしきり歩く気になった。
多摩川はそうとう水嵩が増したようだ。川端まで水が来てとどまっている。

川端の動かぬ水や秋日和

川歩きは意外におもしろい。石ころ道もあれば砂利もある。やわらかい草の道もあれば荒草を踏むこともある。芒の中は要注意。いい道だと思ってずんずん行くと水たまりが待っている。
花芒浮かれて行けば水を踏む

荻芒川は水辺を無くしけり
荻、蘆、芒、背高泡立草、その他イネ科の背の高い植物などで川はどこまで本流が来ているのか遠望していてはわからない。
川の植物の強さを思う。彼らは洪水を浴びても泥まみれで生きている。


広い河川敷は植物だけでない。とある道をたどると彼らの村へ行きつく。男に「こんにちは」というと「こんにちは」が返る。うん、これでいい。
さて煮炊きの水はどこから汲んでくるのか。公園の水道はそうとう遠い。多摩川の水か。

川の音鉄橋の音秋高し

海恋ひ本流はやし爽かに
秋の川一途に紺を深めけり



仲宗根美樹に「川は流れる」(1961年)という楽曲がある。
これを聞いた10歳のころから「川が流れる」のではなく、川というのはどかんとそこにあって、水が流れるのではないかと思ってきた。日本語って変だよなと……。
そしてこの重箱の隅をつつくようなみみっちさが小生の詩の発育を阻んでいると反省したりするのだが、
多摩川は勢いよく流れている。
日本語文法など思わないとこよなく気持ちがいい。
うん、川は流れている。

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