天地わたるブログ

ほがらかに、おおらかに

SNSは句会をするためのメディア

2020-05-12 07:26:14 | 俳句・文芸


「SNSとは、Social Networking Service(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)の略で、インターネットを介して人間関係を構築できるスマホ・パソコン用のサービスの総称」という。
ぼくはブログ愛好家であるがこれは個人主義である。ミクシィ、mixi、FACEBOOKといった交流ものもやってはいるがそう熱心でない。それらは「ぼくこんなもの食べたよ」「あたしの飼い猫かわいいでしょ」といって写真を載せ、イイネサインを送ったり、ちょっとした挨拶をするていどのものである。人間関係を構築するなどといった深みがあるのだろうか。

ぼくが幼少だったころ村に薬師堂があった。村人は「おやくしさま」と呼んで崇め、ときに寄り合いの場所となった。周りは墓であったから気味が悪いという人もいたが祖先の近いにいる安心感があった。
女正月であったか村の女衆が集まって飲み食いをした。一品持ち寄りパーティである。一品はたぶんダブらないように調整したのだろうが、15人集まれば15品があるというパーティは豊かであったろう。
薬師堂にはわけは知らぬがそれぞれの家から味噌を持ち寄って一つの樽に入れるという習慣があった。いくつもの手前味噌が混じって発酵するとそれは美味しいみんなの味噌になったと、死んだ父が嬉しそうに語っていたことを思い出す。「まずい味噌が見違えるようにうまくなる」と父は奇跡のように語ったものである。

ぼくはインターネット句会を10年以上200回はやっているが、ほとんど初めての人が12名集ってネットで句会をスタートさせた。
句会こそSNSの華であると信じて疑わない。ここには料理を持ち寄るような実質がしかとある。たんなる挨拶で終わらぬ句への突っ込みがある。しかし対面でないので厳しいことも案外気楽に言えるのである。
俳句という各人の料理をみんなでいただき、うまいね、ここは香辛料を変えたほうがいいね、塩より醤油味にすべき、などと言いあう。味噌がたくさん集まって発酵してみんなの味噌になるような奥行がある。これぞ文化であり、Social Networking Serviceの華であると思うのである。
句会については後日、みなさんの感想文を集めて報告する予定。


撮影地:多摩川
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