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この本は西宮市の小学校の「読んでごらんおもしろいよ」の高学年用に選ばれている本である。
この本の著者は浅野竜と言う人で、千葉の自宅で絵画教室を主宰しているそうだ。
この作品で第21回小川未明文学賞の大賞を受賞した。
私は、この本を読んで、はっとした
教室での微妙な子供たちの関係が、かなりリアルに描かれていた。
「いじめ」のことが書かれていたのだが、これはかなり子供と言うより大人の世界みたいだなと感じた。
以前に読んだ本のいじめとはかなり違っていて、あくまでも心理的ないじめで、いじめられている子供にも、いじめている子供にも私は共感を感じた。
そして、何よりも、木かげの秘密の舞台となった校庭のエノキの木のイメーが新鮮で素晴らしかった!
大きなエノキの木の中ほどの枝の分かれたところにくぼみがあり、そこの小さな水たまりに金魚が1匹泳いでいる。
それは、6年2組の教室で死にかけていた金魚で、捨てられたはずだったのだが…
主人公の葉月や中井君やほかの6年2組の子供たちのいろんな問題は、最後で一挙にすっきり解決と言うわけにはいかないのだが…
でも、ちょうどいい素敵な終わり方でお話は終わっている。
長年、図書室で沢山の小学生たちを見ていながら、私は、殆どこどもたちのことをわかっていなかったような気がする。
これからは、もう少し、子供たちに対して違った気持ちで接することが出来るかなと思った。
木莉