昨日、家の前を掃除していたら通りがかりの人に、垣根のつる薔薇を褒めてもらった。
年齢は私より少し若いかしら‥‥明るい目の穏やかな感じの女性だった。
私は自分の家の前だったのでマスクは付けていなかったけれど、その方は大きなマスク姿で、優しい目がほほ笑んでいた。
「いつも楽しみに見せていただいてます!上品なバラですね」と言ってくださった。
「いえ、いえ、この薔薇は、強いだけが取り柄の野良薔薇です」
と言ったが、嬉しくなり、枝を5本ほど切って、貰っていただいた。
恐縮しておられたが、「これまで何本もお友達にあげたのです。沢山の人に貰っていただいてこの花は喜んでいるのです」
2人で「ありがとうございます!」と言いあってわかれた。
こんな元気だけが取り柄のつる薔薇も、今年は5回ほど人にあげて、これで6回目だ。
もうすぐこの薔薇の季節は終わるけれども、今年は幸せだったねと薔薇に話かける。
「この庭に来てそろそろ20年、その前の庭にも20年、わても長生きでんなあ」
薔薇が大阪弁でしゃべる。
のどかで少し低いおばさんの声である。 木莉