219231 太陽エネルギー文明を先導する日本③~海洋温度差発電は自然と人間の共生・共進化という日本的自然観を体現する技術
猛獣王S ( 30代 営業 ) 09/11/08 PM05
219230の続きです。
『太陽エネルギー文明と「日の本」の国』(国際派日本人養成講座)リンクより転載します。
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■7.平等で平和な太陽エネルギー■
石油に比べて、太陽エネルギーは温室効果ガスを発生させず、またテロや事故の心配もない。
さらに、その「偏在性」ならぬ「遍在性」も大きな特長である。太陽の光はどの国にも降り注ぐ。特に貧しい国の多い南方では、より豊かな太陽エネルギーが享受できる。これは現在の南北格差を縮小する効果を持つ。
そして「地産地消」型である事も見逃せない特長である。各地域で太陽光発電なり、風力発電なり、その地域の特性にあった形で、太陽エネルギーを取り出し、各地域が自立できる。これはリスクの分散につながる。
言わば、太陽エネルギーはきわめて平等で、かつ平和的なエネルギーなのである。人類の文明が、石油エネルギーから脱却して太陽エネルギーに移行すれば、石油エネルギーに伴う紛争やリスク、貧富格差は大きく低減される道が開ける。
■8.食糧問題や水問題にも資する海洋温度差発電■
太陽光発電の技術開発において、日本は世界をリードしているが、さらにいかにも我が国らしい太陽エネルギーの利用方法が開発されつつある。前述の「海洋温度差発電」である。
太陽によって温められた表層海水の25度から30度くらいの温度で容易に揮発するアンモニアの蒸気がタービンを回し、それが今度は深層から汲み上げられた5度前後の海水によって冷やされて液体に戻る、というサイクルが無限に回る。
原理はフランスなどで19世紀から予言されていたが、実用可能な段階まで漕ぎ着けたのが佐賀大学の上原春男氏を初めとする日本の技術革新によるものである。日本のゼネシス社がプロモーターとなってインドや中東、太平洋諸国に実証実験プラントが建設されつつある。[1,p59]
海洋温度差発電には大きな副産物がある。第一に栄養豊かな深層水を利用して、漁場を作り出すこと。深層水が自然に海表面に湧き出すポイントは「湧昇」と呼ばれ、ペルー沖など世界有数の漁場となっている。これを人工的に創り出すことができるので、近海で魚類の「地産地消」化が進められる。
第二に淡水の供給。発電で利用した温海水を蒸発させ、冷海水で凝縮させれば真水ができる。
温室効果ガスの発生ゼロで、なおかつ食料問題や水問題の解決に資するこの技術は、パラオ共和国など南洋の島嶼国家やカリブ諸国など30カ国以上から相談・引き合いが来ているという。
■9.太陽エネルギー文明の自然観■
石油エネルギー文明から太陽エネルギー文明への進化の根底には、実は自然観の転換がある。石油エネルギー文明とは、地中から採掘した石油で、密閉した建物をエアコンで冷やして廃熱を窓の外に吐き出したり、舗装した道路に自動車を走らせて排気ガスをふりまく、という光景に見られるように、人間が自然を征服し、搾取する思想に立脚している。
今起こっている二酸化炭素削減の動きも、また各種のエコロジー運動も、人間の自然に対する影響を最小化しようということで、根本的には人間を自然界の「異物」として捉えており、人間による自然征服の「裏返し」なのである。
それに対して我が国の自然観は、人間は「生きとし生けるもの」の一つとして自然と共生するものと捉える。同時に治山治水の技術によって、荒ぶる自然をうまく制御して、森や海や川を美しく保ちながら、災害を無くしていこうとする。
海洋温度差発電とは、まさにこの自然と人間の共生、共進化という日本的自然観を体現する典型的な技術と言える。
我が国は、古来から天照大神、すなわち太陽神を「生きとし生けるもの」を養い育ててくれる最高神として崇めてきた。日本語の「ヒ」は、太陽の「日」であり、人間が使う「火」であり、太陽から与えられた生命力(霊)を宿したのが「霊止(ヒト、人)」「日子(ヒコ、男子)」「日女(ヒメ、女子」である。さらに我が国は「日の丸」を国旗に掲げる「日の本」の国である。
今、生まれようとしている太陽エネルギー文明は、「生きとし生けるもの」とともに豊かで平和な世の中を創り出す、という自然観に基づくものとなろう。それを推し進めるのは、「日の本」の国の世界史的使命である、と言えよう。
(文責:伊勢雅臣)
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猛獣王S ( 30代 営業 ) 09/11/08 PM05
219230の続きです。
『太陽エネルギー文明と「日の本」の国』(国際派日本人養成講座)リンクより転載します。
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■7.平等で平和な太陽エネルギー■
石油に比べて、太陽エネルギーは温室効果ガスを発生させず、またテロや事故の心配もない。
さらに、その「偏在性」ならぬ「遍在性」も大きな特長である。太陽の光はどの国にも降り注ぐ。特に貧しい国の多い南方では、より豊かな太陽エネルギーが享受できる。これは現在の南北格差を縮小する効果を持つ。
そして「地産地消」型である事も見逃せない特長である。各地域で太陽光発電なり、風力発電なり、その地域の特性にあった形で、太陽エネルギーを取り出し、各地域が自立できる。これはリスクの分散につながる。
言わば、太陽エネルギーはきわめて平等で、かつ平和的なエネルギーなのである。人類の文明が、石油エネルギーから脱却して太陽エネルギーに移行すれば、石油エネルギーに伴う紛争やリスク、貧富格差は大きく低減される道が開ける。
■8.食糧問題や水問題にも資する海洋温度差発電■
太陽光発電の技術開発において、日本は世界をリードしているが、さらにいかにも我が国らしい太陽エネルギーの利用方法が開発されつつある。前述の「海洋温度差発電」である。
太陽によって温められた表層海水の25度から30度くらいの温度で容易に揮発するアンモニアの蒸気がタービンを回し、それが今度は深層から汲み上げられた5度前後の海水によって冷やされて液体に戻る、というサイクルが無限に回る。
原理はフランスなどで19世紀から予言されていたが、実用可能な段階まで漕ぎ着けたのが佐賀大学の上原春男氏を初めとする日本の技術革新によるものである。日本のゼネシス社がプロモーターとなってインドや中東、太平洋諸国に実証実験プラントが建設されつつある。[1,p59]
海洋温度差発電には大きな副産物がある。第一に栄養豊かな深層水を利用して、漁場を作り出すこと。深層水が自然に海表面に湧き出すポイントは「湧昇」と呼ばれ、ペルー沖など世界有数の漁場となっている。これを人工的に創り出すことができるので、近海で魚類の「地産地消」化が進められる。
第二に淡水の供給。発電で利用した温海水を蒸発させ、冷海水で凝縮させれば真水ができる。
温室効果ガスの発生ゼロで、なおかつ食料問題や水問題の解決に資するこの技術は、パラオ共和国など南洋の島嶼国家やカリブ諸国など30カ国以上から相談・引き合いが来ているという。
■9.太陽エネルギー文明の自然観■
石油エネルギー文明から太陽エネルギー文明への進化の根底には、実は自然観の転換がある。石油エネルギー文明とは、地中から採掘した石油で、密閉した建物をエアコンで冷やして廃熱を窓の外に吐き出したり、舗装した道路に自動車を走らせて排気ガスをふりまく、という光景に見られるように、人間が自然を征服し、搾取する思想に立脚している。
今起こっている二酸化炭素削減の動きも、また各種のエコロジー運動も、人間の自然に対する影響を最小化しようということで、根本的には人間を自然界の「異物」として捉えており、人間による自然征服の「裏返し」なのである。
それに対して我が国の自然観は、人間は「生きとし生けるもの」の一つとして自然と共生するものと捉える。同時に治山治水の技術によって、荒ぶる自然をうまく制御して、森や海や川を美しく保ちながら、災害を無くしていこうとする。
海洋温度差発電とは、まさにこの自然と人間の共生、共進化という日本的自然観を体現する典型的な技術と言える。
我が国は、古来から天照大神、すなわち太陽神を「生きとし生けるもの」を養い育ててくれる最高神として崇めてきた。日本語の「ヒ」は、太陽の「日」であり、人間が使う「火」であり、太陽から与えられた生命力(霊)を宿したのが「霊止(ヒト、人)」「日子(ヒコ、男子)」「日女(ヒメ、女子」である。さらに我が国は「日の丸」を国旗に掲げる「日の本」の国である。
今、生まれようとしている太陽エネルギー文明は、「生きとし生けるもの」とともに豊かで平和な世の中を創り出す、という自然観に基づくものとなろう。それを推し進めるのは、「日の本」の国の世界史的使命である、と言えよう。
(文責:伊勢雅臣)
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