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月刊 きのこ人

【ゲッカン・キノコビト】キノコ栽培しながらキノコ撮影を趣味とする、きのこ人のキノコな日常

ホンシメジ先生となぞのテングバナキン!

2025-03-15 19:28:15 | キノコ本

『ホンシメジ先生となぞのテングバナキン!』コマヤスカン著

 

ある日、森で診療所を営むホンシメジ先生のもとに、大量の患者が押しかける。身体からへんな白いキノコが生えてきたというのだ。

これは一大事。奇病におどろく先生のもとに、すかさず真犯人、ベニテング怪人が姿をあらわす。

「あなたにこのテングバナキンがなおせますかな ヒャッ、ヒャッ、ヒャー」

ホンシメジ先生は、さっそく問題の解決にむけて思案をめぐらす・・・!

 

「先生、大変です」

そう叫びながら飛びこんでくるナメコ少年から始まるストーリーは、いにしえの少年探偵団をなぞるような昭和テイストが満開。

往時の紙芝居小屋が子供の歓声で盛り上がりそうな展開に、私のようなホコリをかぶったオジサンは、肺が熱くなるような瘴気、じゃなかった、胸が熱くなるような作家の心意気を感じざるをえない。

登場人物のキノコたちもなかなか本物志向だ。表紙裏に登場人物紹介があるのだが、「ショウゲンジ和尚」「アミガサタケ星人」など、職業の設定がいちいちハマっている。

そもそも「シメジ先生」ではなく「ホンシメジ先生」であることに作者の真骨頂があると言えよう。

作者のコマヤスカンは三重県出身の絵本作家。四日市には「メリーゴーランド」という絵本の店があるのだが、そこで開かれている「絵本塾」の出身者だそうな。なんと、この塾の出身者にはリアルなキノコキャラクターで話題を呼んだ『ほしじいたけほしばあたけ』シリーズの石川基子もいる。

このキノコ貧困の地、三重でキノコ絵本作家が生まれるのはどういったことか??

頭脳明晰なホンシメジ先生にはぜひこの謎も解いてほしいものだ。

 

 


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