月刊 きのこ人

【ゲッカン・キノコビト】キノコ栽培しながらキノコ撮影を趣味とする、きのこ人のキノコな日常

オオオニテングタケを食ってみた~リベンジ編~

2013-08-06 20:04:12 | キノコ料理
≪オオオニテングタケを食べてみた「毒見編」「ソテー編」のつづき≫


毒見をしていたにもかかわらず、なんで毒キノコ判定がくだってしまったか。やっぱりそれは調理法の違いによるものだろう、と思う。

茹でこぼしは、水溶性の毒ならばお湯にある程度溶け出すだろうから、毒性を多少なりとも軽減できる。

しかしソテーは成分が溶け出しにくく、加熱で壊れるような毒でなければ8割がた食べてしまうことになる。旨みや香りを逃がさない代わりに、毒成分も逃がさない。

その差が出たんじゃなかろうか。

そもそも、妙なニオイのするこのキノコの場合、風味を残すような調理法にこだわる必要もない。やっぱ茹でこぼしが正解なんじゃないか?ついでに濃い味付けの料理にしてしまえば、ニオイもごまかせるんでは?
なんかファイトが湧いてきたぞ!(←たぶん人として間違ってマス)

ということで、再チャレンジだ。



再戦用に新しい獲物を採ってきた。なぜか前回のキノコより明らかに大きくなってるのはご愛敬。高さ20センチ、重さ200グラムほどの逸品だ。見た目はけっこう美味そう……かな?これを全部ブチこむ。

まず、これをスライスして3分ほど茹でる。じつは茹でたときのニオイは、生の状態のニオイとちょっと違って、すごくかぎ慣れたニオイがする……それは、プールのニオイだ。そう、あの塩素系消毒のニオイがするのだ。
ちょっと親近感が湧いてきたぞ。でもやっぱ食いモンとしちゃありがたくないな(-_-;)

茹で終わったらお湯を捨てて、念のため、水に1時間ほどさらしておく。



フライパンに、細かく切った鶏ムネ肉とズッキーニ、オオオニテングタケを入れ、塩で味付けして炒める。そこへトマト缶を投入して、味を整えながら、ちょっと煮詰めて完成。



できた!オオオニテングタケとズッキーニのトマト煮。うん。なんかウマそうではないか?さっそく食べてみよう。

ん!

ソテーより段違いにうまい。

まず歯触りがいい。一度茹でたこのキノコには、なめらかな質感とコシのある歯ごたえが生まれていた。いきなり油で炒めるなんてのとは、もうまるで比べ物にならない。ただ、傘の部分は少しネチョッと歯にくっつくような感触があった。

そしてニオイ。例の塩素系便所洗剤臭は確かに気になるが、他の食材と混ぜて、さらにトマトを混ぜることで、だいぶ軽減することに成功した。それでも受けつけないという人はいるかもしれないが、ほとんどの人には我慢できないレベルじゃない……ハズ。

そもそも、鶏肉や夏野菜の旨みで、料理としてはだいぶ底上げされてるので、キノコ単品のソテーより美味しいに決まっている。にしてもオオオニは脇役に徹するのが食材として分相応だ、とは言えそうだ。

そうそう、忘れていたが、この料理で本能アラームは作動しなかったし、一食で100グラムほど摂取しても体に異状は現れなかった。有毒かどうかは中毒するまでわからないが、それでも個人的な感触としてはやっぱり有毒(ただし毒性は弱い)なんじゃないかと思う。
「石橋をたたいて渡る」計画は、橋が大丈夫でないことを確認してから渡ってしまったので、無意味だったな……(苦笑)

ということで、特大悪臭キノコ・オオオニテングタケは

味ランク C 食べられなくはない
たぶん有毒(弱)
 


というのが私の判定である。

最後に。自分でやっといてなんだけど
皆さん!くれぐれもマネしないように

もしマネをして中毒された方は、ご自分の体をもって責任をとってくださるようお願いします(他人を巻き込まない!)。


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6 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
オオオ以下略 (KOH)
2013-10-10 22:43:56
まずいとわかれば十分な気もするのですが、あの大きさは食欲をそそります。
もし毒成分の香りがプールなら、その食べ方で納得ですね。
Unknown (鳥居)
2013-10-11 19:26:10
もしも美味しかったら・・・という期待はあったんですが、中毒起こさなかっただけでも良しとしましょう。

まあシャレとして食べるきのこ、ですねえ(苦笑)
私も食べた (陽だまり)
2013-11-13 00:43:18
はじめまして。
2008年に見つけて、兵庫キノコの会に同定依頼をしてオオオニテングタケと判明。
傘の径30cmほどのものをバターソテーして手のひらサイズを一枚食べたことがあります。もちろん、石橋を叩いてです。
厚さ1cmほどにスライスして茹でると、茹で汁が薄い緑色になりました。それをバターソテーするととてもおいしかったです。プールの香りはしなかったし、特に不快なにおいが強いキノコとも思いませんでしたが、採集時期で違うのかもしれませんね。残りは母に処分され、二度と食うことはならんと言われ、人に心配かけてまで食すことはないと自重しています。
毒性の有無は不明なので、マネはしないでくださいね。私の場合はたまたま相性がよいだけかもしれません。
Unknown (鳥居)
2013-11-13 20:40:58
陽だまりさん、 はじめまして。

やはりチャレンジしていた方がおられましたか。すばらしいです。

なんか自分のレポートとずいぶん違いますね。生える場所とかで違うんでしょうか。陽だまりさんの試したものみたいにニオイがなければ、かなり有望になるんですが・・・

毒に関しては、煮こぼせば当たらないだろう、ってのが私の感覚です。どちらにしろ、マネしないのが一番賢いんでしょうね・・・(-_-;)
食欲をそそるキノコです (陽だまり)
2013-11-15 22:53:20
なので、きっと他にもチャレンジされた方がいると思っていました。食べた時の感想は量産できれば商売になるでした。私のフィールドにはオオオニテングタケが群生する場所があります。粉臭はしますがひどい臭いという印象はありません。ひどい臭いだと持ち帰りませんしね。鳥居さんのとどうしてそれだけ違うのでしょうか。
鳥居さんの料理の写真を見て違いを感じたのは傘の皮です。この皮は舌触りが悪そうに感じたので、茹でる前か後か忘れましたが取り去りました。鳥皮のように丈夫で破れないので簡単に取れました。
採集時の画像はこちら。
http://yukidori.gozaru.jp/
そのごも写真だけは撮っています。

>煮こぼせば当たらないだろう、ってのが・・・
私もしないよりは良いと思って茹でました。少なくとも100grや200grでは何事もなさそうではありますね。
Unknown (鳥居)
2013-11-16 21:35:03
一度、キノコの展示にオオオニが持ち込まれたことがあるのですが、途中で部屋が臭気で満ちてえらいことになってましたね。においの強い弱いは遺伝的な系統の違いかもわかりません。

傘の皮はビジュアル的に、はずせなかったんですよ。これ取っちゃうと何のキノコかわからなくなってしまうんで。味的には取るのが正解だと思いました(^_^;)

なにが起こるかわからないのがキノコなので、一度大丈夫だったからって、予断は禁物……と自分に言い聞かせる今日この頃です(汗)

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