真面子の社会観察日記

社会で起きている様々なできごとを真面目に言いたい放題!

「オーラルフレイル」(口の虚弱)

2018年01月11日 | Weblog
東大高齢社会総合研究機構の飯島勝矢教授は、むせることが増える、かたいものが食べづらくなるなどの「口まわり」のトラブルが、将来の死亡リスクを高める可能性があるという、調査結果を東京大などの研究チームがまとめ、研究成果は、老年学の国際誌「ジャーナル・オブ・ジェロントロジー」で発表された。

口の働きの衰えは自覚しにくいが、歯科医の定期的な受診などで対処していくことが大切だと述べているのだが、歯のケアは大切だと知っていたけど、口まわりについては知らなかった。歯の不具合は健康にに影響すると聞いていたので、歯医者さんには一ヶ月に1度必ず行っている。

飯島先生は、2012年に千葉県柏市に住み、介護を必要としない状態にある65歳以上の約2千人を対象に調べた。本人への聞き取りや測定から①残っている歯が20本未満②かむ力が弱い③口を巧みに動かせない④舌の力が弱い⑤かたい食品が食べづらい⑥むせやすい――の6項目を調査した。

該当するのが「3項目以上」「1~2項目」「ゼロ」と三つのグループに分け、約4年後の健康状態を検証した。その結果、年齢などの影響を取り除いても、3項目以上該当したグループは、ゼロのグループに比べて死亡率が2.09倍にで、介護が必要になった割合は2.35倍だった。

また、筋力が衰える「サルコペニア」と呼ばれる状態に2年以内になった割合は2.13倍、筋力に加えて意欲の低下など心身の活力が落ちた「フレイル」と呼ばれる状態になった割合は2.41倍だった。

口の働きが衰えている人は食事量が少なく、肉類の摂取量が減る傾向があったそうだ。食べられるものが減って栄養状態が偏り、体力の低下や健康状態の悪化につながったとみられる。軽く見られがちな口の衰えを「オーラルフレイル」(口の虚弱)と呼び、早めに対処することで要介護になる高齢者を減らそうとする考え方が、医療現場で注目されているそうだ。

飯島教授は「歯の本数を注目しがちだがそれだけでなく、かむ力や滑舌の悪化などささいな口の衰えの積み重ねが、体に大きな影響を及ぼすことがわかってきた。早いうちに気づき、かかりつけの歯科医で口まわりのケアをしてほしい」と話している。

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