性交渉には同意したが、避妊するよう求めたら拒まれたと、女性が訴えて173万円の賠償を求めた裁判で、大阪地裁(仲井葉月裁判官)は19日、「女性の性的な自己決定権の侵害だ」と認め、男性に74万円の賠償を命じた。
女性の権利に詳しい弁護士達は「画期的な判決」と評価している。判決によると、女性は2020~21年、男性と2度ホテルで性的関係をもった。いずれも備えてあった避妊具を男性につけるよう求めたが、男性は応じず妊娠に至った。
子どもの認知を求めると、「自分は既婚者だ」として認知を拒まれたという。仲井裁判官は「妊娠した場合の身体的・精神的負担は大きく、女性のみに生じる」と指摘した。
「女性が性交渉に同意しているとしても、男性が避妊の求めに応じず行為を続けることは、女性の性的な自己決定権を侵害する」として、不法行為に当たると判断したのだ。
その上で男性について、「自己責任だ」などと主張して女性の気持ちを顧みず「欲望を満足させるために避妊をしなかった」と指摘し、慰謝料などの支払いを命じた。
画期的な採決だったと思う。最近知ったのだが、昨年の記事で、飲むタイプの中絶薬が承認される見込みとなった。妊娠9週0日までの新たな中絶法なのだが、広く普及するにはまだ時間がかかりそうだ。
経口中絶薬が世界で初めて認められたのは1988年で、日本は35年遅れて2023年4月に新しく承認されたのが経口中絶薬です。厚生労働省は、販売開始から半年程度は、入院設備のある医療機関のみで使えるように制限をする予定と言っている。
一般名は「ミフェプリストン錠・ミソプロストール錠」で、2種類の錠剤を内服することで、妊娠中絶効果が得られる医療医薬品だ。医療医薬品として医師の指示下でのみ服用できる薬剤である。
経口中絶薬があることも知らなかったし、私は実態を知らないが、暴行などによって妊娠してしまった女性にとっては、朗報かもしれない。