Light in June

文学やアニメ、毎日の生活についての日記。

最近買っていた本

2009-11-30 00:52:10 | 本一般
お金がないとか言いながら、密かに本を買っていました。数冊ですけどね。

『庵野秀明パラノ・エヴァンゲリオン』
『風の帰る場所 ナウシカから千尋までの軌跡』
『アウリオン叢書5 文学と笑い』
『アウリオン叢書6 人間と動物をめぐるメタファー』

最初の本は、『スキゾ・エヴァンゲリオン』は既に持っているので、これで二冊揃いました。監督のロングインタビューなどが掲載されています。

『風の帰る場所』は、宮崎駿のインタビュー集。けっこう貴重な発言とかがあって、前から注目していたのですが、実は所有していなかったんですねえ。これで一安心です。ちなみに、雑誌『CUT』も買いましたね、最近、そういえば。これはジブリ特集号なのです。これについて近いうちにブログに書きたいと思っているのですが、いつになることやら。

『アウリオン叢書』というのは白百合女子大学・言語・文学研究センターというところが編集している論文集。というと堅そうなイメージがありますが、一般向けに書かれた平易な文章で、とても読みやすい。ぱらぱらとしか見ていないのでどれほどのことが書かれているのか分かりませんが、こういう本は注目されていい気がします。日本文学が多いのはちょっと気になるところですが。あとはフランスとかアメリカとか。スラヴ圏も入れて欲しいなあ。ほかの巻にはあるのでしょうか?

ちなみに、最新号の『CUT』以外はいずれもブックオフで購入。ブックオフにはカフカの「変身」と評論とが一冊になった英語の本が置かれていましたが、カフカを英語で読む意味があるのだろうか、と思って買いませんでした。うちにもっとスペースがあれば買ってたんですけどね。

本格的にロシア語の勉強をしなければ、と思う今日この頃。そう思うのが遅すぎる気もしますが、まあマイペースでいいのです。たぶん。でもだから、あまり翻訳を読んでいる時間がないなあ。というか、論文書けよって話ですけどね。今日は一本短いロシア語の論文を読んで、ちょっと書きました。

グリシコヴェッツ

2009-11-29 01:46:40 | 文学
本日二度目の更新。

12月2日~6日に、現代ロシアの劇作家グリシコヴェッツの翻訳劇「冬」が下北沢で上演されるそうです。

http://oberiu.cocolog-shizuoka.com/oberiu/2009/11/post-ee60.html

劇団トゥルーパの旗揚げ公演だそうですが、この劇団は、東京乾電池の同期生たちの集まりで、この戯曲を上演するために結成されたようです。ですから今後もロシアの劇が上演され続けてゆくのかは不明。

ちょうど論文の提出時期に重なっているので観に行けるか分かりませんが、できれば行きたいですね・・・

村上春樹『夜のくもざる』

2009-11-29 00:40:01 | 文学
気晴らしに読んでみました。超短編集です。超短編が36本入っています。だからすぐに読めます。

個人的に特に気に入ったのは、
「タコ」
「バンコック・サプライズ」
「ことわざ」
「夜中の汽車について、あるいは物語の効用について」

あと挙げるとすれば、ものすごいブラックユーモアな「グッド・ニュース」
なるほど、と思ってしまう「嘘つきニコル」

名前を出した作品はこれだけですが、本書に収録されている作品はいずれもおもしろくて奇妙な味わいがあり、ぼくは好きです。

奇妙な味わい。超短編と呼ばれるものにはそうした作品がとても多いのです。ぼくはハルムスというロシア作家をきっかけに超短編というジャンルに興味を持ったのですが、そのハルムスもまた奇妙な味の小説をたくさん書いています。老婆が窓から次から次へと転げ落ちてゆく話とか、プーシキンとゴーゴリが相手に躓いて転んで、悪態をついてばかりいる話とか(『ハルムスの小さな船』という翻訳書を参照のこと)。で、『よるのくもざる』にもやっぱりそんなおかしな小説、奇妙で、滑稽で、ときには不気味で、チンプンカンプンで、にやにやしたくなるような小説が詰まっています。

ところが、「夜中の汽車について、あるいは物語の効用について」という超短篇だけはとてもリリカルなお話。「あなたはどれくらい私のことを好き?」という女の子の質問に、男の子が「夜中の汽笛くらい」と答えるところからこの小説は始まるのですが、その「夜中の汽笛くらい」に秘められた物語を開陳することがこの小説の眼目となります。こんなことを言われたら惚れてしまうわ、と思うくらい素敵な締め括り方で、やっぱりうまいなあ、とただ嘆息。全体のトーンからは少し浮いている気がしなくもないですが、最後に置かれているので(「おまけ」は除いて)、まあいいのかな。

日本の小説が読みたいな、と思っています。今日、改めてそう思いました。来年からは集中して日本文学を読んでいこうかな。

小石川植物園

2009-11-27 23:20:59 | お出かけ
最近ちょっと更新が滞っていました。
ところで、この更新していない間、普段もひっそりとしているこのブログはさぞやアクセス数が少なくなっているだろうと思いきや、普段よりも伸びている~~~!
黄金伝説の記事を書いてからというもの、急にアクセス数が伸びました。ちょっと複雑な気分。

さて、小石川植物園に行ってきました。ここって東大の研究施設みたいなところ(?)だそうですね。
でも、すごいいいところでしたよ。都内にあるのにこの自然!様々な地域の植生が一遍に楽しめます。温室もあるので熱帯植物もあれば、針葉樹林帯もあります。もちろん今の時期は紅葉も楽しめて、イチョウやモミジなどは見頃を迎えています。

とても広々としていて、場所によってはなんだか異国に迷い込んだような錯覚を覚えます。落ち葉をカサカサいわせながら、白っぽい幹の大木から落ちてくる黄色い葉を見上げると、幸せな気持ちになれます。山登りをしているような気分になるところもありますし、鬱蒼と木々が茂っているところ、ぽかっと陽が落ちているところ、庭園のようになっているところ、池、馬鹿でかい葉の群生しているところ、などなどを通るのは楽しいです。

紅葉を見に行きたいなあ、と思っておられる方には、小石川植物園をお勧めしたいですね。何も遠くまで行く必要はないです。東京のど真ん中にありますよ。

ちなみに入園料は大人330円、子ども110円。

それから、順路があって一周するだけ、というような場所ではなくて、とにかく広々としているところですので、ぶらぶらと散歩する、というのにもいいです。東屋やベンチも用意されています。入口こそコンクリートですが、地面は土や芝生のことが多いので、そんなところもうれしいですね。

人だらけの高尾山よりも、個人的にはこちらの方がお勧めです。ゆっくりのんびりしたい人向けかな。

酉の市 in 新宿

2009-11-24 00:04:41 | お出かけ
たぶん他の人にとってはどうでもいい記事を書いた22日は、アクセス数がいつもよりもずっと多かったです。でもこれはこの日の話題ではなくて、それ以前の話題を検索して訪れた人たちなんでしょうね。

それはそうと、酉の市にまた今年も行ってきました。場所は新宿の花園神社。
今日は前夜祭で、明日が本格的な酉の市です。でも明日は行けないと思うし、今日は休日ですのでね。たくさんの人がいましたよ。ちょっとおっかない感じの人もけっこう。場所柄?

食べたのは、大判焼き、あんず飴(すもも)、チキン、フランクフルト、チョコバナナ、ラムネ。定番のやきそばやたこ焼きは今日はパス。でもこれだけ食べたので、お腹いっぱいになってしまいました。ぼくは特にあんず飴(すもも)が好きで、お祭りや縁日に行けば必ず買います。食べると口が真っ赤になりますが、気にしません。

熊手を買う人がいると、お店の人が拍子木を打って商売繁盛を願います。去年は初めてでその威勢のよさにびっくりしましたが、今年はもう慣れたもので、へへ、やってるな、と気分も高揚してきます。でもあれって物凄く高いらしくて、そこそこの大きさでも一万円を超えるみたいです。巨大なものになると100を超えるとか。だから買うとしたら、本当に手のひらに収まるくらいのやつかなあ。それでも数千円とかするのかな?

今年は見世物小屋には寄りませんでしたが、未見の方は必見ですよ。去年は仰天しました。本物ですよ、本物なんです。女の人が蛇を噛み千切り、生き血を吸うんですよ。心臓の弱い方やグロテスクなものが嫌いな方は、よしたほうがいいです。でも、物好きな方は、いい話の種になると思うので、必見です。

ちょうど一時間ほどしかおりませんでしたが、大変満足しました。人が多すぎるのが玉に瑕、とは言え、お祭りの雰囲気を醸し出していて、それはそれで楽しいですけどね。

チェーホフ「よろこび」

2009-11-23 01:07:40 | 文学
かなーり久しぶりの小説の感想。
チェーホフの短篇「よろこび」について。
翻訳は全集に入っていますが、最近は岩波文庫から松下裕氏が短編集を出しているので、ひょっとするとそちらにもあるかもしれません。未確認ですが。
ぼくの読んだのはロシアの出版社が出している「チェーホフ ユーモア短篇集」。何年も前にきちんと訳して読んだのですが、今日はいまさっきぱらぱらと辞書なしで斜め読み。でも内容を覚えているからいいのです。

さて、この短篇がぼくは大好きです。いつ頃書かれたものかは、全集で調べないと分からないのですが(全集持ってるんですが調べるのがめんどい)、内容的にはチェホンテ時代(つまり初期)のものです。ユーモアたっぷりの佳品ということです。チェーホフは、一般には後期の作品がよく知られていて、「かもめ」とか「桜の園」なんかは特に有名ですよね。でもこれは戯曲で、内容もけっこう深刻だったりします。まあ、喜劇だってチェーホフは言ってますけどね。

ところがチェーホフは作家として出発した初期の頃にはチェホンテという筆名を初めとして、「兄の弟」とか「脾臓なき男」とか、そういう筆名で大量のユーモア短篇を書いていました。この頃のことを総称してチェホンテ時代なんて言ったりします。

「よろこび」は、いつ書かれたのか調べないと分かりませんが、チェホンテ時代の香りのする短篇ですね。ミーチャという若者が真夜中に自分の家にやってくるのですが、彼は大変興奮しています。「青天の霹靂なんだ!」と叫ぶわけです。眠っていた家族は何事かと起き出してきて、理由を尋ねるわけですが、ミーチャはこう言います。「みんなはけだものみたいに生活しているから、新聞なんて読まないだろう、でも新聞にはすばらしいことが一杯書かれているんだ!ぼくはなんて幸せ者なんだろう!ああ!だって新聞は有名な人たちのことしか書かないのに、ここにはぼくのことが書かれているんだからね!」

「なんだって、どこだい」とお父さんは蒼ざめて、お母さんは十字を切ります。
お父さんはミーチャに差し出された新聞を声を上げて読むことになりますが、そこに書かれていたのは、ミーチャが馬の下敷きになって頭を怪我した、ということ・・・

ミーチャは喜び勇んで、友人たちにもその記事を見せるべく、家を後にするのでした。

おもしろいなあ。ミーチャのお目出度さというか小市民性というか、おいおい怪我は大丈夫なのかよ、とかツッコミどころもあって、笑えます。一級のコントですよ、これ。これだから初期のチェーホフだって馬鹿にはできないんです。チェーホフは、もしもチェホンテで終わっていたとしても、個人的にはやっぱり好きな作家だったでしょうね。後期のものばかりが有名なので、初期のユーモア短篇ももっと広く読まれればいいなと思います。そういえば新潮社から『チェーホフ・ユモレスカ』が出てますよね。色んなブログでレビューが書かれるといいなあ。お前が書けよって話ですけど・・・でももっとアクセス数の多いブログで・・・

論文がああ

2009-11-22 02:11:10 | お仕事・勉強など
論文がどうしておかしいことになっているのか、やっとはっきりと認識できました。
当初考えていたことと、いま考えていること(論文全体のテーマ)とが違っているのですよ。へっへっへ。
ぼくは二つの概念を混同してしまっていて、その間違った前提で論文を組み立てているから、直そうにも容易に直すことができないのです。参ったなあ。初めからやり直したいよ。本気でやばいです。
レポートならともかく、今のところ生涯で一番大事な論文でこんなミスをやらかすとは・・・!受験でサインとコサインを間違えた、くらいの大ポカです。
いま必死に何とか取り繕おうと悪戦苦闘していますが、いびつなものになることは必至。
もはや、ふてくされたいです。そして泣きたいです。
一年以上かけて長いものを書くからこういう羽目になるのだあああ。
分相応に、8万字程度で書けるものを目指していればよかったです。能力以上のものにチャレンジしたからこういうしっぺ返しを食うのだ。目安の字数って大切ですね。

個人的に、先生との面談を控えているのですが、急に憂鬱になってきました。これじゃ全然ダメだよ、とかなんとか、まあそんな直接的には言わないかもしれないけど、そういう意味のことを言われるんじゃないかと、今からもう落ち込んで希望を失しています。こんなはずじゃなかったのに。このあいだは中央線が止まるし、やなことばっかです。

ああいけない、また愚痴になっている。でも、しばらく続く辛い日々、ブログに愚痴でも書き込まなきゃ生きていけませんよ、ほんとに。

やっぱりおもしろいラピュタ

2009-11-21 01:11:19 | アニメーション
ということで、やっぱりおもしろいです。
ラピュタはもう何度観ているか知れませんが、それでもおもしろいです。
完璧だ、と思ってしまう。完璧なおもしろさだ、と。

宮崎アニメは、ある時期からプロットが変調してゆきますが、その兆しがラピュタやナウシカに既にあったのではないか、ということに興味を持った時期があって、まあ今でも関心のあるテーマではありますが、その考えで行けば、ラピュタにもおかしいところはあるわけです。ぼくの意見ではありませんが、最後のパズーとシータの行為は自殺ではないか、そういうまとめ方でいいのか、とか。ナウシカの有名な「宗教画」のラストも、安易だという批判があるわけで、宮崎駿は昔からなし崩し的に映画を終了させてきた、とも言えます。だから本当に完璧な映画はカリオストロくらい(もちろん完璧というのは相対的な評価ですが)、ということになる。

ラピュタにしても、山場が中盤に来てしまうんですよね。ティディス要塞からのシータ救出とか竜の巣のシーンとか。ラピュタに着いてからは、あれほどの盛り上がりはない。その点はポニョと同じかな、とも思います。もちろん傾向が似ている、というだけで、あそこまで徹底的に物語の結構を崩しているわけではないですが。

しかし、このおもしろさはなんでしょうね。プロット構成上の欠点を補ってあまりあるものがあります。というか、欠点なんて見えないわけです。とにかくおもしろくて。文字通り手に汗握るシーンもいいですけど、ポムじいさんとの出会いや、ラピュタに着いてからの園丁ロボットとの触れ合いとか、単なる冒険活劇では括れない叙情的要素もあって、しかもそれがお決まりのベタなものではなくて、光る石が星のように輝く光景や異形のロボットと人間とが心を通い合わせるところなんかを見せ、いい。ロボット兵が長い手を伸ばしてシータに花を差し出すシーンは、釜爺が千尋にさぶとんを掛けてやるシーンを前もって反復していますよね。ああいうのが監督は好きなのかなあ。あと、もじゃもじゃしたものを掻き分けるシーンとか。ムスカが樹の根っ子を両手で掻き分けるところは、アシタカがタタリ神の触手(うにょうにょ)を掻き分けるシーンに似ています。

ちょっと脱線しましたが、他にも見張りのタコでパズーとシータが一つの毛布に包まるところとか、特に昔はものすごい好きでした。あとさりげない描写を挙げていけば本当にキリがないわけですが、とにかく心にびんびん響いてくるんです。雲の絵一つ取ってみてもいいです。あの重量感ある質感たっぷりの雲、新海誠が影響を受けたと言っていますが、頷けます。

こんなものが作り出せたらなあ、と夢想してしまいますね。そういえば、小学生の頃は、ラピュタを観ると三日間はろくに寝られなくなってしまうのでした。もう頭の中がラピュタで一杯で、興奮しすぎて。

最後の台詞、いいですよね、「なにしろ時間がなくてよ。」
やばい、かっこよすぎる・・・

黄金伝説

2009-11-20 00:45:03 | テレビ
今日の「いきなり!黄金伝説」は、先週のつづき、有吉のスズメバチ採り生活を放送するはずだったのに、なぜだか放送見送りで、別の内容に差し替えられていました。どうして?

先週はかなりおもしろくて、あの蜂採り名人とやらのはしゃっぎぷりというか、何かに夢中になる人のおもしろさってのを存分に見せてもらって(もちろんいい意味でね)、あのおじさんの「行け!有吉!行け!」という叫びは今でも耳に残っているくらいです。いきなり呼び捨てかよ、と思ってかなり笑えました。蜂を採る方法も本格的で、まさしく原始的な猟を思わせ、こんな凄いやり方をするのか、と呆然としたものです。タレントにやらせて平気なのかと思ったり。

ところが今日は放送見送り、あるいは中止。どうして?もう収録は終えているはずだから蜂に刺されてお蔵入り、ということはないだろうし。あんな変なおじさんたちはテレビ的にNG?まさかね。では、危険な行為に見えたのかなあ。確かにかなり危ない気はしましたが・・・

いずれにしろ、個人的には今までで一番おもしろい内容だっただけに、今回の措置は残念です。せめてどうして放送しなかったのか、説明くらいしてほしいです。

柊あおい「桔梗の咲く頃」

2009-11-19 01:30:24 | 漫画
やらねばならないことは多いのに、今日はなんだか全くやる気がせずだるかったので、何もせず、夕方にやっとこさ重い腰を上げ、そうして柊あおい「桔梗の咲く頃」を読むことにしました・・・

ぼくは小説はあまり繰り返して読まないのに、どうして漫画は何度も読むのでしょうかね。やっぱり手軽だからかな?それはともかく、この漫画は久々に再読。別に傑作というわけじゃあないんですけども、わりと好きな話です。

自宅の家の庭に咲いている桔梗をじっと見つめる女子高生に恋をして・・・というようなお話なわけで、当然最後はハッピーエンドで、でもちょっと擦れ違いもあったりして、とかそんなストーリーをここで紹介しても意味ない気がします。自分なりに気に入った箇所を、ちょこちょこと書きます。

少女は過去に悲しい恋愛経験があって、中学の頃に両想いだった少年が転校してしまったんですね。でもその別れが悲しい思い出だったわけではなく、少年が少女に黙って、引越しのことを何も言わずに、そのまま去っていってしまったことが悲しくて、まだ立ち直れないでいました。このエピソード自体はベタといえばベタだし、どうってことないようにも思えるわけですが、ぼくは昔同じような経験があったので(加害者側)、それなりに感情移入しました。結局、このヒロインの少女はその少年と再会して、そのときに聞けなかったこと、話したかったことをお互い確認して、それぞれの道を歩いてゆくことに決めました。ぼくの場合はそのままで、謝罪もできなかったので、彼女たちが羨ましかったりします。

友達として映画に観に行ったりしてつきあうことと、恋人としてつきあうこととを、分けて考えるのが嫌だって、桔梗(少女の名前)の言うところ。ここがいいなと思いました。まあ確かに恋人とは何か、とか、つきあうってどういうことなのか、とか、よく考えてみるとぼくにはよく分からないのですが、友人と恋人との境界線ってなんだろうな、それははっきりと分けられているのだろうか、とは前から疑問に感じていて、こういう問いはちょっとナイーヴすぎるとは自覚していたとはいえ、この漫画でこういうシーンを見つけて、ああやっぱりそうなんだな、と思いました。(ちなみに「ああそうなんだな」とか「ああそういうことか」とかいう台詞は最近のぼくのお気に入りです。)それでもやっぱりこの二人は恋人としてつきあっていこう、ということになるわけですが、どうせならこの問いをもっと深く突き詰めてもよかった気もします。

二つの話が平行して進んでいくところ。特に138-139頁。少女の側の日常と少年の側の日常とが並行して描かれていくわけですが、そのコントラストが高まるのがこの場面。少女の方では話が急展開して、過去と決着を付けるために昔好きだった少年に会いに行こう、ってことになるのですが、その次のページでは、主人公の少年の独白が、こうつづきます。「あれからも 僕はなにかを期待して 朝は あの電車に乗り 夜は 電話の鳴るのを 待っていた」。新海誠チックでいいですよね、こういうところ。まあしかし、彼の独白はリリシズムに染まりきらないところがもどかしくもあるのですが。

あとマフラーを一緒に巻くところ。これには説明はいりますまい。

こういう少年少女の淡い恋とかそういうのがぼくは好きなので、全体的に言って、わりあい好きな物語、ということになります。ところで題名にも少女の名前にもなっている「桔梗」ですが、これについて。何年も前に、花占いみたいな本を好んで読んでいたことがありまして、生年月日を調べると、その日に対応している花が見つかる、という本なのですが、ぼくの誕生日4月23日の花は、まさに桔梗でした。だから個人的に思い入れのある花でもあります。ちなみに、たしかシェイクスピアが同じ誕生日です。

トトロの森

2009-11-17 01:56:50 | お出かけ
ところで、このブログの自己紹介欄に貼ってある写真ですが、これはトトロの森の写真です。以前に散策した際、撮影しました。

トトロの森っていうのは所沢のあたりにある狭山丘陵で、八国山緑地という場所もあります。もちろん「トトロ」の中に出てくる「七国山」という名前はここから取ったのですね。

友達と行ったこともありますし、独りで行ったこともありますが、独りで行ったときは7月のはじめか6月のおわりの頃、その年初めて30度を超えた日でした。体が慣れていないせいもあって、猛烈に暑かったことを記憶しています。ただ、そこで目にした風景も鮮烈な記憶として残っています。

狭山丘陵のとある場所はもう完全な山の中と言ってもいいくらいの場所なのですが、そこを抜けると、田んぼに出ました。水のあるところなので蚊がうなるように飛んでいて、体にまとわりついてきました。ぼくはしばし佇み、田んぼの様子を眺めていましたが、突然おじさんに声を掛けられました。田んぼに水を引いてみないか、と言うのです。手漕ぎポンプのようなものが側に置いてあって、それを上下させて水を引くらしい。おもしろいので試しにやってみることにしました。で、これが案外大変。2度3度ギコギコやるのは造作もないことですが、これを何分も続けるのは相当にしんどいようです。

こんなことをしているうちに、そのおじさんと、蛍の見頃だとか、どこから来たのかねとか、いつ来れば餅が食べられるよとか、そんな話をしました。で、その会話の途中に、突然おじさんがぼくの額をぴしゃりとやって、「蚊が」と言いました。なかなか愉快なおじさんです。

おじさんと別れて、少しだけ歩を進めてからもと来た道を振り返ってみました。すると、そこにあったのはまさにトトロの風景でした。傾き始めた日が金色の光を田んぼに注ぎ、水がきらきらと反射しています。木々の葉の一枚一枚も金をまぶしたようにてらてらと輝き、すーっと前を横切っている長い草道は、虹の橋よりも美しく世界の端と端とを繋いでいるように見えました。里山。これが、日本人の生み出した風景なのだ。

あれほどの光景には、それから一度もお目にかかっていないかもしれません。
東京・埼玉周辺にお住まいの方は、トトロの森、お勧めです。
ただ、場所次第では、カップルで行くといんねんをつけられるとかそんな看板が立てられていたような気が・・・

読む予定の本

2009-11-16 01:35:37 | 文学
「次回」とはいきませんでしたが、予告どおり近いうちに読む予定の(というか読みたい)本。

ハントケ『反復』
エレンブルグ『トラストDE』
アゴタ・クリストフ『怪物』
オーウェル『1984年』
コナン・ドイル『シャーロック・ホームズの冒険』
『諸国物語』
村上春樹『夜のくもざる』
ダンセイニの小説何か


挙げていけばキリがないことに気付いたので、ここらでやめておきます。そういえば、村上春樹の小説は制覇したいですね、是非。まだ初期のものしか読んでいないので、がんばりたいです。でも図書館では人気だからなあ。なかなかこれっていうやつが借りられなかったりするんですよね。

そういえば、論文の要約、苦戦してます。日本語では簡単に書けてしまったのですが、ロシア語への翻訳があああ・・・。卒論ではそんなに苦戦した覚えがない(どころか楽勝だったような気さえする)のに、なぜこんなに大変なんだ。最近ロシア語作文なんてやってないからなあ。能力が低下したか・・・。しかしこんなんでは肝心の論文に取り組む暇がありません。本末転倒とはこのことだぜ。

ああそうだ、
アンダソン『ワインズバーグ・オハイオ』
もすぐにでも読みたい小説のうちの一つです。
パヴィチのロシア語訳のアンソロジーも読みたいなあ。せめて一編くらいは。

論文の要約

2009-11-15 02:07:51 | お仕事・勉強など
ちょっとピンチです。

論文の要約をやらなければいけないのですが、難しい…。だいたい、日本語で書くのか外国語で書くのかの指定がなくて、なんとなく先生からは外国語で書くことを期待されているような・・・という、そんな理由で始めるのでいまいち意欲が湧きません。

まあしかしそれはおいといて、要約が難しいんですよ。というのは、忘れちゃったんです、自分で書いた内容を。もう1年以上前に書いたのとかあるので。それで、いまさっき1章から3章まで通して読んでみたのですが、長いよ~。まとめられません。今書いている第四章のことは頭に入ってると思うんですけど、昔書いたものって、もう何がなんだか。われながら小難しいことを書いている箇所などは、ばーっと省略してしまって、本当に「だいたいのこと」を書くしかないですね。そして、なるべく第四章の比重を大きくする。まあ分量的にも一番ですし。

分量と言えば、全体で20万字以上あることが判明しました。いつの間にこんなに成長して…!内容が伴っていればいいんですが。三章まで読んでみて、先行研究にだいぶ紙面を割いている印象があるので、全体の半分近くを占める最終章がそれを補ってくれていればいいんですが。いずれにしろもう大方書いちゃったから修正できないですけど。う~ん、まずいなあ、急に不安になってきた。第四章がカバーしていなければならない論文なのに、この第四章はそんなに優れた出来じゃない気がするんですよ…

とりあえず、明日要約を仕上げなければ。ロシア語に訳すのは、もちろんそれから。今週の水曜までを目標にしているんですが、難しいかもしれないな。

買った覚えのない本

2009-11-13 00:09:07 | 文学
買った覚えのない本が本棚にちょこんと座っていることがあります。今日はそんな本の紹介。

池上嘉彦『記号論への招待』
山口昌男『文化人類学への招待』
ザミャーチン『われら』
サキ『サキ短篇集』

まだありますが、とりあえず。

最初の3つは既読なのに、買った覚えがないのです。『記号論への招待』は、これがなかなかいい本だとどこかで聞いたか読んだかして、それで読んだのは確かなのですが、どこでいつ買ったものか、とんと覚えがありません。でも、なるほどけっこう分かりやすい本ですよ。目次が詳しいので、ちょっと気になった項目を調べたい、という使い方もできます。

『文化人類学への招待』も、いつ買ったものなのか…。ただ、この本でぼくはヴィトケーヴィチというポーランドの作家のことを知りました。後に有名な作家であることも知りましたが、でも翻訳がない…。雑誌『ポロニカ』あたりには入っているかもしれませんが、持っていないので。

有名な『われら』は、図書館で借りて読んでいて、しばらくの間持っていなかったんです。それが、いつの間に…!ぼくの今座っているところのすぐ右手にあるのですが、前から気になってたんですよ。いつ買ったんだろう?って。

『サキ短篇集』は、存在感が薄いです。うちに『サキ傑作集』もあることからして、たぶん買ったときにはもう忘れていたんだと思います。別にサキのファンだった覚えはないのに、なぜ。しかしこれも何かの縁(?)、近いうちに読んでみましょう。

というわけで。次回はこれから読む予定の本を列挙しようかな。

新聞のあのコ

2009-11-12 02:35:49 | Weblog
先週と今日の朝日新聞に載っていた、大学生カメラマンの女性の写真があんまりかわいいので驚いた。そのカメラマンの撮った写真の被写体がかわいいのではなくて、そのカメラマンの顔がかわいいのです。タレントみたいにばっちりキメている感じがなくて、とってもナチュラルで素朴なかわいさ。

彼女は先週も紙面を飾っていたけれども、いつもこの企画は二週連続なのでしょうか。それとも反響があった?よく分かりませんが、ネットなどで騒がれてもおかしくないほどかわいいです。

なんていうか、ネタがないので今日はこのへんで。おやすみなさい。