Light in June

文学やアニメ、毎日の生活についての日記。

耳をすませばコンサート

2009-11-09 01:04:16 | お出かけ
「せいせきハートフルコンサート」へ行ってきました。
「耳をすませばコンサート」です。
映画『耳をすませば』が公開されてから10年経ったのを機に計画された、舞台の地・聖蹟桜ヶ丘の町興し事業の一環として始められたコンサートです。10周年の際には聖蹟桜ヶ丘で『耳をすませば』の特別上映会が開催され、ぼくももちろん駆けつけましたが、大変すばらしい時を過ごすことができました。あれから5年が経ち、町興し計画は今も継続中。当時はまだ『耳をすませば』ファンの間でだけ盛り上がっていたような気がしますが、今では商店街も巻き込んで、より本格的なものへと成長を遂げているようです。

さて、今年度のコンサートの出演者は、暮部拓哉さんと本名陽子さん。前者は歌手、後者は(説明するまでもありませんが)雫の声を担当した声優さんですね。正確に言うならば、この二組の「グループ」が出演者です。三人一組でした。

まずは暮部さんから。
一言で言えば、よかったです。これまでのコンサートの出演者の中で、個人的には一番でした。高音の澄み切った響きが優れたところ。ですが、感動したのはその感情のこもった歌声です。「叙情的フォークシンガー」と紹介されていますが、日常的で誰にでも思い当たる節があるような歌詞に切々とした思いを込めて歌っていて、とても心に響きました。ずっと前にも書いたことがあるかもしれませんが、歌っていいもんですね。紙に書かれた詩では全く心に届かないような文句でも、感情を込めて歌われれば、心にびんびん来て、琴線を揺らしてゆきます。寂しさとか、つらさとか、切なさとか、夢とか、幸せとか、不幸とか、不安とか、喜びとか、ほっと一息つく感じとか、本当にぼくの心の中に伝わってきて、自分の越し方を振り返り、行く末に思いを馳せ、ああぼくは幸せになれるのだろうか、幸せなのだろうか、というようなことに、歌声のすき間すき間に思いを巡らせ、じっと歌い手の姿を見つめていました。一人暮らしを始めたばかりで、誰も知り合いのいない町で生活している人たちにとっては、心に染み入る歌かもしれませんね。それと一曲目の、感情の流露するような「ねえ」には、何か新海誠作品の中の台詞の響きを感じ取ってしまい、それだけで胸が熱くなりました。

彼は去年のNHK「みんなのうた」にて「HANA」という歌を歌って有名になったそうですが、歌を聴いていて思い出しました。やっぱりライブで聴くのはいいですね。あとで動画を探して聴きたいな…。ただ音質が心配ですけど。

さて本名陽子さんについて。
一番印象に残ったのは、共演したJunJunさんなんですけどね。顔は写真で見るとけっこうかっこいいのに、ほっこりした喋り方で、しかもあのパーカッション、いい人そう。
で、本名さんなんですが、CDの曲名を間違えていました。「満点の夜空」と言っていた曲は、あれは「流れる雲、輝く丘」ですよ。屋上のシーンで流れるやつでしょ、間違いないです。「満点の夜空」は、地球屋からの帰り道に流れる曲です(ちなみに聖蹟桜ヶ丘では、地球屋のあるとされる場所の近くに、「満点星(ドウダンツツジ)」が植わっています)。あと、なぜかは知らないですけど、最後の「カントリーロード」も歌詞が省略されていましたよね。アレンジしたわけでもなさそうですし、時間の都合でもないはずですし、まさかド忘れ?実は本名さんは耳すまにあまり思い入れがないのかなあ、なんて感じてしまいましたが(前々回のコンサートで、タエ子の方がより好きだ、みたいなことを言ってましたし…)、まあしかしそれは責められないですね…

とまあ、こんな具合に不満がなくはないコンサートでありましたが、しかし次回以降も本名さんには来ていただいて、ジブリ以外の歌なども歌って欲しいですね。あと願わくは耳すまの舞台裏の話なども。そうそう、大人になった本名さんを受け入れきれずにいるぼくは、柔軟性に欠けすぎるのかな…

そういえば、聖蹟桜ヶ丘で非常に感動的な光景を目にしました。が、それについてはまたいつか機会があったら、ということで。

ああそうだ、またしても、もーりさんと接触することは叶わず。ぼくのほとんど病的な引っ込み思案のせいです。でも実は、何年も前に、聖蹟からの帰りの電車で途中まで一緒だったことがあるんですよねえ。あのときは少しお話できたんですよ。あれはなんのときだったかなあ?花火大会?

とにもかくにも、コンサート、来年も参加したいですね。裏方の皆様、どうもご苦労様でした!