日付は変わりましたが、本日二度目の更新。なので手短に。
先日、マイリンクの『ゴーレム』を読了。すごいおもしろかった!まさに幻想小説。幻想小説の極みです。
実は、無知をいいことに、例の有名なゴーレム伝説をマイリンクが小説化しただけの作品だと思っていたんですが、全然違いました。いやもちろん、ゴーレム伝説をモチーフとして使用してはいるのですが、この小説ではゴーレムが暴走することはないし、「真理」という文字を消されて土くれに戻ることもないのです。そもそも、ゴーレムという確かな実体が存在しないと言ってよいでしょう。それは伝説の中の幽鬼であり、幻のように曖昧模糊としたものです。
暗示や象徴の非常に多い小説で、それがカバラや神秘思想と密接に繋がっているため、その全てを理解することは到底できません。よく分からないところが多いのです。けれども、改行が多いせいかとても読みやすく、また理解できないながらもイメージは明確に抱けるので、何も分からないままテキストから放擲されることはありません。めくるめく幻想を楽しみ、神秘的な雰囲気に浸かることができます。更に、プロットが読者を惹き付ける類のもので、探偵小説的な趣向も凝らされています。それでいて俗悪なものには全くなっていません。
確かに陰鬱な小説であるかもしれませんが、しかしこの霧の国へ迷い込む価値は大いにあると言っておきます。
先日、マイリンクの『ゴーレム』を読了。すごいおもしろかった!まさに幻想小説。幻想小説の極みです。
実は、無知をいいことに、例の有名なゴーレム伝説をマイリンクが小説化しただけの作品だと思っていたんですが、全然違いました。いやもちろん、ゴーレム伝説をモチーフとして使用してはいるのですが、この小説ではゴーレムが暴走することはないし、「真理」という文字を消されて土くれに戻ることもないのです。そもそも、ゴーレムという確かな実体が存在しないと言ってよいでしょう。それは伝説の中の幽鬼であり、幻のように曖昧模糊としたものです。
暗示や象徴の非常に多い小説で、それがカバラや神秘思想と密接に繋がっているため、その全てを理解することは到底できません。よく分からないところが多いのです。けれども、改行が多いせいかとても読みやすく、また理解できないながらもイメージは明確に抱けるので、何も分からないままテキストから放擲されることはありません。めくるめく幻想を楽しみ、神秘的な雰囲気に浸かることができます。更に、プロットが読者を惹き付ける類のもので、探偵小説的な趣向も凝らされています。それでいて俗悪なものには全くなっていません。
確かに陰鬱な小説であるかもしれませんが、しかしこの霧の国へ迷い込む価値は大いにあると言っておきます。