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頭頸部ガンの「アルミノックス治療(光免疫療法)」の効果

2024-07-21 10:34:29 | 健康・医療
ガンの治療法としては、手術、放射線、化学療法が3大療法として実施されています。どうも日本では手術偏重のきらいがありますが、それについては別の項目で取りあげます。

この療法に加えて、米国の国立衛生研究所の日本人研究者によって開発されたアルミノックス治療(光免疫療法)が注目されています。現状治療対象は限定されていますが、その効果について述べている報告を紹介します。

前述のようにガンの治療法には大きく外科的な手術、抗ガン剤、放射線、免疫療法などがありますが、いずれもガンだけでなく健康な細胞や臓器にも悪影響をおよぼすなどの副作用が出ることが多くなっています。

アルミノックス治療が、最初に発表されたのは2011年です。すると翌年には大統領が一般教書演説で言及するなど、新たなガン治療法として注目を集め、健康な細胞をほとんど傷つけることなく、ガン細胞だけを破壊することができる治療効果の高い治療法として期待されています。

アルノミックス治療では、特定の細胞に選択的に結合し、光に反応する薬剤の投与と特定の波長の光照射の組み合わせによって、ガンの腫瘍細胞を選択的に死滅させます。

ガン細胞の表面には、他の正常な細胞にはない抗原(ガン抗原タンパク質)があり、ガン抗原と結合する抗体にIR700という光感受性物質をくっつけ、それを点滴で患者に投与します。すると抗体とIR700の結合体がガン細胞に結合し、そこに光ファイバーで近赤外線を数分間照射します。

光感受性物質が光に反応して抗体の形を変え、それによってガン細胞の表面に物理的に穴を開けます。こうした現象がガン細胞の表面で無数に起き、ガン細胞が破壊されていくというのがメカニズムです。

アルノミックス治療では、2,020年9月に使用薬剤の製造販売とレーザー光照射装置による頭頸部ガンへの治療法が承認され、2,021年1月から耳鼻咽喉科・頭頸部外科で保険診療が始まっています。また2023年11月からは歯科口腔外科領域でも治療が開始されました。

今年都内で頭頸部アルミノックス治療の提供開始3周年を記念した講演会が開かれました。国内外から300人以上の臨床医や研究者が集まり、同治療法の成果について発表が相次ぎました。

ここでは具体的な治療効果については省略しますが、全国的に治験が蓄積されてきたことから、頭頸部ガンだけでなくその適用を広げる方向に向かっていることは確かなようです。

近い将来このアルミノックス治療が第5の治療法として定着していくのかもしれません。


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