けろっぴぃの日記

最近、政治のことをはじめとして目を覆いたくなるような現状が多々あります。小さな力ですが、意見を発信しようと思います。

自民党よ、公明党を見習え!(年金問題の真実)

2012-01-26 21:31:15 | 政治
消費税増税に絡んで与野党の駆け引きが続いている。今日の昼のTBSの番組「ひるおび」で、面白く且つわかりやすく解説してくれていた。

ポイントは、公明党が民主党に求める「与野党協議の条件として、年金制度の全貌を示せ!」という主張だそうだ。

実は、政治家ならば皆さんご存知の話だそうだが、民主党が昨年3月に行なった年金制度の試算の中で、誰もが目を覆いたくなるような結果が出ていたそうである。にもかかわらず、民主党はそれをひた隠しにして、国民をミスリードするかのような増税議論を進めていたのだという。マスコミの間には、その結果をまとめたペーパーが広く出回っているという。自民党も過去に福田、麻生政権の頃に年金制度改革を検討し、「積立方式」と同時並行的に民主党が主張する「税金による賦課方式」の検討を行い、本気で民主党の主張に沿った方式を採用すると消費税率を何%にする必要があるのかをその時点で把握していたそうだ。

公明党はこの辺の事情を理解した上で、民主党に「全貌を明らかにせよ!」と迫ったのだそうだ。

民主党が税金にこだわる理由のひとつには、スウェーデンの高福祉政策を理想としているからだそうで、一方でその場合に必要な消費税率が25%(ただし食品は12%、出版物や公共交通は6%)であることを考えると、野田総理が唱える消費税率10%が如何に現実離れの税率かが分かる。実際、去年3月の民主党の試算でも、2075年の時点で17.1%の消費税率が必要であることが分かっていたという。しかも、この数字には例えば人口減少分などのマイナスの効果や、その他の政策に必要な税率も含まれていない。無駄の削減に限界があることを知りつつ、子ども手当や様々な政策を将来的には実現するというのであれば、当然ながら20%を超える税率が必要となる。食料品など低所得者層でも必要なものの税率を下げれば、一般の物品の消費税率がスウェーデン並みになるのは当然の結果だそうだ。

それでも、例えば最低保障年金を導入する民主党案では年収420万円以上で給付額が現行制度を大きく下回り、少なくとも年収690万円以上では最低保障年金による上乗せ分がゼロとなる。自営業などの国民年金のみに加入している人々にとってはメリットだろうが、一般の厚生年金・共済年金を受給する人々にとっては厳しい内容である。つまり、多くの人が「消費税をアップする一方で、受給額が大幅に減らされることに納得しろ」と迫られているのである。結論としては、働く現在の現役世代が払い込んだお金を現在の高齢者に支給する仕組みである賦課方式の限界が明らかになったことになる。

民主党は昨年、与謝野馨を引き抜いてまで税と社会保障の一体改革を進めようとしたが、昨年の段階で与謝野氏はこの手の問題を明らかにし、年金制度が一朝一夕に解決できない中長期的な課題であることを指摘していた。しかし、最近になってマニュフェストを達成できたことにしたい民主党側が「これで大丈夫!」として短期的な課題と位置づけ復活させた模様である。しかし、正直者の岡田副総理などは「将来的には、さらなる消費税率のアップが必要」と言及してしまい、民主党側で「余計なことを言うな!」と叩かれている状況であるという。

もちろん、自民党政権時代の「100年安心!」と謳った年金制度の設計の前提条件は、余りにも現実の経済状況からかけ離れた実現不可能な前提条件ろもとに計算していたのであるから、あまり人のことは言えない。正しい前提条件から「100年安心」という結論を引き出すのではなく、「100年安心」と結論づけるために必要な前提条件を逆算し、その条件をどさくさに紛れてあたかも「妥当な条件」と言い張ったのであるから、国民をミスリードしようとしたのは同罪である。罪深さの程度に差はあるかもしれないが・・・。

結局、積立方式を採用せざるを得ないのであるが、人によってはたくさん積み立てた裕福な人と積立が少ない人の格差が大きくなりすぎて問題だという人もいる。しかし、例えば個人単位の積立ではなく、世代毎の大きな財布に積立して、同一世代内での再分配は別途議論するなどと色々工夫すれば、少なくとも世代ごとの不公平感はなくなるはずである。また、ここまでドラスティックに制度を変更するのであれば、その導入に伴う膨大な財源(本来、積み立てられていたはずの財源を、これまでの高齢者世代が賦課方式で食い潰してきたことへの手当)が必要となるが、今後、何100年と続けるべき根本的な年金制度改革であると割り切れば、100年で償還する別枠の長期の国債で手当するなど、手はあるはずである。今回の震災も、100年、千年に一度の緊急事態であるならば、100年かけて手当するのは本来のスジな訳で、安直ではなく冷静な判断のもとで長期的な対応を考えればよい。

いずれにしても、公明党が求める「年金制度の全貌」の提示に民主党が応じれば、野田政権の進める税と社会保障の一体改革が既に破綻しているシステムだと明らかになるし、全貌を明らかにすることを拒めば審議拒否となり、当然ながら参議院を通過できない。解散総選挙で国民の信を問うても、結果は大きな博打で勝算は少ない。展望が開けない中で、目を瞑って博打を打つべきかと悩ましい状況である。

誰かが言っていたが、「民主党から『マニュフェストは実現できません!スイマセン!』とは言えないが、この様に与野党が審議すらできない状況は、どさくさにまぎれてマニュフェストのちゃぶ台返しをするためのいい口実に利用できるかも知れない」という発言が何とも悲しい。

もう「待ったなし!」の事態なのだから、政治家は、定量的な信頼できるデータをもとに、誠実な議論をして欲しい。

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