けろっぴぃの日記

最近、政治のことをはじめとして目を覆いたくなるような現状が多々あります。小さな力ですが、意見を発信しようと思います。

「従軍慰安婦」の持つイメージと実際とのギャップ

2011-12-18 23:33:36 | 政治
従軍慰安婦の問題が話題になっている。今日の日韓首脳会談でも、李明博韓国大統領が野田総理に優先的な解決を迫っている。日本からは、日本大使館前の従軍慰安婦の像の撤去を申し入れており、この問題は対中国、対北朝鮮で非常に重要な時期に、日韓関係を劣悪な状況に陥れる問題となりそうで怖い。

この問題の論点は大きく2点あり、「国際的なそもそも論に照らし合わしたらどう判断されるのか」と「慰安婦を集めるために日本軍(ないしは日本政府)による『組織的』な強制連行があったのか」の2点であろう。しかし、多分、韓国はこの様な論点では攻めて来ないだろう。あくまでも「従軍慰安婦という辛い過去をもった人々が可哀想だから補償を!」という感情論に訴えるのだろう。日本政府がそれに応えても応えなくても、どちらにしても韓国政府は得をする(日本が応えなければ、韓国内で反日感情が高まり、政府に対するガス抜きになるので悪い話ではない)という話なのだろう。報道でも良く言われているが、韓国(中国も同様であるが)では政権が不安定化すると、歴史カードを切って国内世論に配慮するという戦術が使われることが多く、今回もそのひとつだと見られている。

ただ、今回の背景には、8月30日の韓国の憲法裁判所の判決で、従軍慰安婦にされた被害者の賠償請求権について、韓国政府が何の措置も講じなかったのは憲法に違反するとの判断が示されたことに起因しているので、さらにタチが悪い。当然ながら、日本と韓国との間では1965年の日韓請求権協定によって個人の請求権は消滅したことになっているので、日本政府としては「法的には解決済み」としか言いようがない。

しかし、もともとこの協定を締結する時、日本政府は韓国人被害者に直接補償をする提案をしていたのに対し、韓国政府はそれを拒否し、日本政府が韓国政府に補償金を渡し、韓国政府から韓国国民に補償することになったのだそうだから、本来、補償が不十分であれば韓国政府に対する不満となって現れるべきである。今頃直接補償を求められるのはおかしな話だ。しかも、韓国政府はこの手の被害に対する請求は日本ではなく韓国政府に対して行わなければならないという事実を自国民に対して隠していた。ひどい話だ。さらに、2005年に当時の盧武鉉政権での歴史カードのひとつとして日韓基本条約等の議事録の一部が公開(当然、韓国政府に都合の悪い部分は公開されていない)され、「反人道的不法行為は、請求権協定で解決されたとみられず、日本の法的責任が残っている」と言い出した。身勝手このうえない話なのであるが、しかしこの情報公開にともない、「個人請求は韓国政府に行わなければならない」ことが明らかになり、韓国政府は思い切り返り血を浴びることになってしまい、これまた大問題になったというのだから笑ってしまう。(笑ったら失礼なのであるが・・・)

韓国の憲法裁判所の判決としては、個人請求に対する政府の無作為は違憲との判断なのだが、しかし裁判官の意見は6対3で割れていたそうだ。法律のことは良くわからないし、韓国のことなのでなおさら背景は良くわからないが、多分、予想するに法律というのは過去の国家と国家の条約などによる縛りに関しては、時の政府が「過去のことはチャラにしたい」と思えば、別の国内法からの解釈で何とでもなるということなのかも知れない。

ただ、はたから見ると、これは「幼い子供が幼いときに何らかの被害を受けて、親が子供の代理で裁判を行い、示談金を(親が)大量にせしめたが、被害者が大きくなってから『私は親からお金をもらってないから、(昔の加害者に対して)お金をちょうだい!』と裁判を起こす」状況に酷似している。可哀想か可哀想でないかで議論すれば可哀想な話なのだが、それを許していたらいつまでも事が解決しなくなる。だから示談書を交わしたらそれ以降は請求しない、権利を放棄するというのは当然のルールなのである。勿論、国家絡みでは上述の例以上に子供(被害者)が裁判(国家的な条約)に直接的に関与できないから、被害者が「私はサインしていない」と言いたくなる気持ちは分かるのだが、だからこそ本来は責任を持たなければならない国家(韓国政府)の責任を棚上げするような判断を韓国の憲法裁判所が行うということが私には理解できない。

韓国大統領が「解決を!」と求めるのであれば、仮に「反人道的不法行為は、請求権協定で解決されたとみられず、日本の法的責任が残っている」と主張するにしても、その法的な根拠を明らかにすべきである。そして、国際司法裁判所などに訴えるなど、正式に法的手続きで勝負をすればよい。国民の対日感情を煽り、それを人質にするようなやり方はよろしくない。

あと、もう一点の論点である「慰安婦問題は日本軍(ないしは日本政府)による『組織的』な強制連行があったか」については、多分、ここでは議論しきれないので諦めるが、あくまでもこの手の話は証拠に基づく議論でなければならない。勿論、「仮にそんな事実があったのなら、そんなことなかったことにしたい」という人も日本にいるのは認めるし、同様に「本当はお金のために自ら進んで働いたのだけれど、つらい過去だから、日本からさらにお金が取れれば貰いたい」と言う人も韓国内にいることは認めざるを得ない。話によると、慰安婦は相当なお金(沢山の人数を相手したので今のソープ嬢以上の給料)を労働の対価としてもらってたのは事実のようだ。また、募集の紙には「慰安婦」という仕事の内容は明記されていなかったので、「慰安婦になったのは騙された結果」と言うのも言いようによっては事実なのかも知れない。しかし、仮に今どきの怪しい夕刊紙に「月収300万円、若い女性を緊急募集」と書いてあったとしよう。これに応募したら仕事の内容が水商売で、「こんなつもりじゃなかった、騙された」と文句言う人がいたら、話を聞いた人は「可哀想」と思うのであろうか?多分、多くの人の感想は可哀想とは少々違うものになるのだろう。それは情報をもたない人が「従軍慰安婦」という言葉から受ける卑劣さ、非人道的な行為とのイメージに対し、実際の「従軍慰安婦」のイメージが少々違うものであることに似ているのだと思う。

過去の裁判でも、日本政府は募集の紙に業務内容(性的サービス)の詳細を明記していないことは認めている(争っていない)ようなので、慰安婦という存在自体を日本政府が否定しているわけではない。冷静にネットから情報を収集しても、出てくるのは両極端の頭に血が上った情報発信のみで真実は良く分からないのだが、その中身を深く吟味していくと、事実は最初に受けたイメージとは大幅に異なるものであることが見えてくる。韓国で反日運動に扇動されている一般国民は、一体どれだけの情報を知って盛り上がっているのか、その辺の話を聞いてみたい。

当然、韓国大統領も野田総理もこの辺の事情はご存知なのだろう。冷静な解決を望みたい。

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