けろっぴぃの日記

最近、政治のことをはじめとして目を覆いたくなるような現状が多々あります。小さな力ですが、意見を発信しようと思います。

選挙制度改革の思考実験をしてみよう!

2011-12-15 23:48:58 | 政治
日経ビジネスONLINEに掲載されている、池上彰さんと、復興構想会議議長代理で有名な東京大学先端科学技術研究センター教授の御厨さんとの対談が面白い。昨日、いろいろな記事を探していて見つけたのであるが、この中でふたりは「政治家は『選挙屋さん』に陥った」とのタイトルで、選挙をはじめとする政治制度の課題を議論している。

「『政治主導』から『官僚主導』へ(官僚の正しい使い方)」でも触れたが、選挙の票のためになることなら魂をも売る政治家が多く、それが(選挙に対し相当の自信がある政治家を除く)多くの政治家の正しい判断を歪めているというのはまず間違いないだろう。ここではだから『官僚主導』へと逆説的な仮説を述べたが、ここではもう一つの対策を議論してみようと思う。

池上さんの記事を見までもなく、日本ではやはり選挙が非常に多く、それにより政治が捻じ曲げられている可能性は高い。このような問題を解決するためには、誰が何と言おうと「制度」を変えなければいけないと信じている。しかし、これまでの制度改革はある種の常識に法っていたために、ある壁を乗り越えることが出来なかった。そこで、少々、暴論的な独創的な議論をたたき台にすることを提案する。説明が長くなるが、出だしの部分でやめずに最後まで読んで欲しい。

まず、政治家が選挙に右往左往することがないようにするには、選挙の頻度を圧倒的に減らせばよい。衆議院議員の任期は4年、参議院議員の任期は6年で3年おきに半分づつ交代する。つまり、周期のずれから、3年以下の周期で選挙が行われるのが必須になっている。周期を最小にするためには、参議院の3年周期に衆議院も合わせて解散総選挙をし続けるということになる。しかし、実際にはそうはならないので1、2年間隔で選挙が行われてしまう。そこで、まず参議院の任期を8年とし、4年周期の入れ替えとする。衆議院は4年の任期とし、常に衆参ダブル選挙となるように固定する。固定するとは解散総選挙による任期途中での議員の入れ替えがないことを保証するというものである。

衆議院の任期を常に4年とするということは、総理の特権である伝家の宝刀「解散権」を召し上げたり、途中で民意を問うことができなくなってしまいそうだが、そこは別の方法で手当をする。

まず、総理は「解散権」を使い、国民の信を問うことができることとする。ただし、この「国民の信を問う」の意味を少々違うものに変更する。仮にこれを「支持率選挙」と呼ぶことにしよう。この支持率選挙では、単に政党に対する支持率のみを問うのである。つまり議員の入れ替えは行わない。例えば、簡単のために3つの政党のみが存在し、A党、B党、C党の通常の衆議院選挙での議席数が250議席、200議席、30議席(総数480の場合)であったとする。しかし、総理が国民の信を問う投票を実施し、その結果の政党支持率が30%、55%、15%になったとする。この結果、本来あるべき議席数の比率は480×0.30=144議席、480×0.55=264議席、480×0.15=72議席となる。しかし、実際の議員数はA党は250議席なので係数として各議員は56.7%の価値しかない。同様にB党、C党は、132%、240%の価値を持つべきである。そこで、国会内の各議題において投票することになった場合、賛成反対の票の総数を数えるのではなく、各政党ごとに票数をカウントし、それに先程の係数を乗算した結果の票数で、採否の判定を行なうという制度を導入する。議員の身分は安泰なのだが、政策の反映であったり首班指名であったりの投票では、直近の国民の判断結果に比例した結果を示すことになる。

以上は総理の解散権をトリガとした支持率選挙であるが、地方自治体のリコール制度と同様に、何らかの条件をクリアすると、総理の意思とは関係なく支持率選挙を行うというルールにすればよい。例えば、新聞社が行う支持率調査のようなものを行政側で全国的に行い、そこで「政府(行政)の支持率」を問い、支持率が例えば10%を切ったら自動的に支持率選挙を発動するという様にすれば、民意を極端に失った政権を無駄に延命させる必要はなくなる。

ここでは衆議院を対象に説明したが、場合によってはこの支持率選挙の結果は衆議院と参議院の双方に反映されるとしても良いかも知れない。つまり、ねじれ国会でニッチモサッチモいかなくなった場合、この支持率選挙を行えば、少なくともねじれは解消するのである。ただ、安直にねじれ回避のためだけに無駄な支持率選挙を行えば、国民の反発を買い支持率を下げるだろうから、一気に両院での過半数を失うことになるかも知れない。だから、それなりに支持率選挙の発動に対するブレーキは働いていると思われる。なお、通常選挙の後では、支持率選挙の結果はリセットされるものとする。

ここまではあくまでも大枠の話であり、本気でこの様なことをするのであれば、大掛かりな法律の改正(場合によっては憲法も?)が必要だろうから、実現性など微塵もないかも知れない。また、このような制度を実行しようとした場合、色々、予想外の問題が発生しうるだろうから、それらを予測して細かなルールを追加する必要も或だろう。しかし、思考実験的な意味でも良いので、ここまで独創的なアイデアも議論の土俵に乗せて考えることには意味があると思う。

この様な制度を導入することで、総理大臣の任期を限りなく4年以上に保てる可能性は高まると思う。各政党が党首選びの選挙をもっと短い周期に設定することは否定できないが、外国と比べて極端に任期の短い日本の総理のあり方を議論すれば、選挙制度に合わせて各党も党首の任期を4年に設定するだろう。場合によっては、政党の都合で総理大臣を変える場合には、同時に支持率選挙を行うことを義務付けても良い。

総理の任期が長くなり、政治家は少なくとも3年ぐらいは選挙のことを考えないで、国のあり方を議論できるようになるかも知れない。それなりにメリットがあると思うのだが、如何だろうか?

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