けろっぴぃの日記

最近、政治のことをはじめとして目を覆いたくなるような現状が多々あります。小さな力ですが、意見を発信しようと思います。

立場の違いによる番組視聴の感想の差(コメントへの回答)

2014-08-03 00:21:43 | 政治
昨日のブログにコメントを頂いた。長い長いコメントで、多くの方も同様の感想を思ったかもしれないので、こちらのブログで回答をさせて頂こうと思う。私とは見解の相違があるのだが、その根本にあるのは「私はNHKの悪意を感じる」という立場に立ち、コメントの方は「悪意という程のものはなく、客観性を感じる」という立場に立っているからであろう。だから、この辺は「それぞれ(私とコメントして下さった方)は、その様に感じてしまった」のだから仕方がなく、ご指摘は認めた上で、それに対する私の感想という内容の記事となっているのでご容赦願いたい。

まず、コメントの中の最も重要な部分を私なりに解釈すると、最後の部分に尽きるのではないかと思う。その部分を引用させて頂く。

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どうやら酢に漬けるだけでよいという簡単な小保方式STAP細胞取り出し方法では難しいと思われます。論文の多くに捏造データがあるわけで、これでは全く科学論文として成立しえないでしょう。
理研内部の恨みというより、こんな可能性の低い論文にいつまでも世間と理研内部が振り回されていることに、終止符を打ちたい人々が内部に多いのだろうと思われます。
きちんとしたマネージメントで、個々の研究者が本来の研究に打ち込める環境整備を期待しています。
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この点は私も大いに同意する部分である。私の昨日のブログの最後にもまとめたが、「STAP論文における不正行為」と「STAP細胞(現象)の存在の有無」は別物であり、「論文の多くに捏造データがあるわけで、これでは全く科学論文として成立しえない」という点は私も同意するところである。だから、これは不正の度合いの程度に応じたペナルティが課されれば良い話で、多分、STAP細胞が実在しても小保方氏は理研を追放されると私は感じている。ここで、「こんな可能性の低い論文にいつまでも世間と理研内部が振り回されていることに、終止符を打ちたい」というのは小保方氏にしても反小保方派にしても同じである。多くの人は「STAP細胞(現象)の存在の有無」の真実を知りたいと感じているから、仮にここでSTAP細胞の議論を全て封印し、小保方氏を理研から追放したとしても、それは逆に「世間と理研内部が振り回される」状態を長引かせるだけである。だから理研は9月末までと期限を切って、小保方氏にも再現実験を許可したのである。この期間内に再現実験に成功でき中田場合、実際にSTAP細胞が存在していたとしても、世間はその段階で決着が着いたと考えるだろう。その時、小保方氏に異論があるなら、STAP細胞の研究を認めてくれる研究機関を探して研究を継続すれば良い。しかし、理研がらみの問題は決着し、その後にこの問題を理研に対して蒸し返すことは許されない。この様な一種の契約の下で再現実験を行っているのであるから、もし「世間と理研内部が振り回される」状態を早期に断ち切りたいなら、現在の小保方氏の研究の足を引っ張る行為は、目的に対して真逆の行動と言わざるを得ない。NHKのバングにの内容は、タイトルこそ研究不正ではあったが、その結果を待たずにこのタイミングで「STAP論文における不正行為」の認定に合わせて「STAP細胞(現象)の存在」の否定までを行っている内容である。様々な情報リークについても、小保方氏の研究環境を乱すための内容であり、このまま行けば、仮に9月末にSTAP細胞の再現が出来なかったとしても、小保方氏サイドが「研究環境を乱されて研究に集中できなかったから再現できなかった。このままでは納得できない。」などと言いだす口実を与える様なもので、良識ある者であれば9月を待って決着を付ければ良いだけの話である。それを9月末より前に幕引きを図ろうとする行為には、私は「悪意」以外の何物でもないと感じてしまう。

最初の立場の相違については、この様な点に私は立っている。

次に、今回のNHKは物凄い量の情報を入手していた。私はTwitterをやらないので詳細は知らないが、理研内部の誰かがNHKが入手していた情報と同種のリークを頻繁に行っており、NHKはその情報源にアクセスして様々な情報を不正に入手したものと予想される。コメントの中では「内部告発的にマスコミにリークすることはあり得る」とのことであったが、「内部告発」と「情報のリーク」は似ていて非なるものだと思う。一般に「内部告発」とは、組織が隠蔽しようとしている事実に対し、その組織ぐるみの隠ぺい行為を防ぐことを目的として行うものである。一方で「情報のリーク」は政治家などが多用し、報道陣を自らの意図する方向に誘導することを目的として、幾つかあるうちの情報を選別し、誘導に有利な情報だけが全ての様に報道機関に提供することである。多くの場合にはそこには(程度の大小はあるが)悪意が存在し、遺恨や腹いせなどの不純な動機などが背景にある場合も少なくない。少なくとも、この様な不純な動機がある場合には「内部告発」と言えるものではない。例えば、笹井教授と小保方氏のメールの暴露などは、理研として組織ぐるみの隠ぺい行為をしていた訳ではないし、その様なメールも含めて調査委員会は調査していたはずである。個別の個人情報にも相当するメールの公開は、調査報告の本質にかかわるものではなければ公開しないのが妥当だし、この様なものが「内部告発」だと考えるのは公平性に欠けると私は思う。

ES細胞が発見された件についても、仮に小保方氏が悪意を持って若山教授から盗んだとしても、それはSTAP細胞論争の動かぬ証拠ではない。例えて言えば、殺人事件の犯人を捜している時、殺人の動機をもつ一人がアリバイを主張していたとして、そのアリバイが崩れたからと言ってその人を犯人と決めたりはしない。その人が犯人である証拠が最低限必要で、アリバイの成立の有無は捜査対象の一人とするか否かの判断材料でしかない。つまり、今回の情報リークは小保方氏がES細胞を使って偽データを作っていた証拠ではなく、ES細胞を使って偽データを作っていた可能性を単に示すものである。しかし、あの番組を見た視聴者はその様には感じなかったはずである。「物的証拠が見つかった」とミスリードされた方が大半だったと思う。だから、この様な単なる可能性のひとつを誘導するように開示するのはやはり「内部告発」ではない。何らかの方向に誘導する「情報リーク」に相当する。
ただ、小保方氏の周りには、(小保方氏の故意によるものか否かは不明だが)この様な疑念が多く存在することは事実であり、その点は私は否定しない。だから、その疑念を一つ一つ、NHKは肯定派/否定派の両方の立場から検証を行えば、悪意をもった誘導などと言われずに済んだと思う。しかし実際には、番組中にはその様な逆の立場からの検証など何一つなかった。

そもそも、今回の小保方氏の「世紀の大発見」は理研としては組織を挙げての一世一代の大勝負であり、笹井氏や丹羽氏なども何よりも先に「ES細胞の間違い」であることを疑ったはずである。何故なら、ES細胞が混入しなたなどと言うのは極めて初歩的なミスであるはずだから、それが小保方氏が意図的に混入したことも含めて、徹底的に検証を行ったはずである。実際、何度も行われた笹井氏や丹羽氏の記者会見でも、彼らは小保方氏の研究不正は非難しながらも、ES細胞混入説には明確に反論している。この辺は、多くの有識者も「単なる普通のES細胞の間違いでした、チャンチャン、という話ではない。仮にES細胞だとしても、小保方氏が持ち得ない(別の第三者の)特殊な技能を駆使して、笹井氏や丹羽氏なども騙せるような特殊な加工を細胞にしていなければ、今回のケースは説明できない。」と言ったコメントを出している。だから今回のES細胞の発見で、単にアリバイが崩れて「さあ、犯人ですね!」というのは余りに短絡的過ぎるのである。

NHKの過剰な取材による小保方氏の怪我も、これも見方に寄って意見が分かれることを知った。私の感覚では、例えば虐め事件で生徒が自殺し、加害者に聞いたら「そんな酷いことはしていない」と言うだろうが、被害者側がどの様に感じるかと言う点を無視して一方的にその様な主張をしていたら、それは世間的には絶対に許されないはずである。精神的に追い詰められ、「あれで、よく鬱病にならないものだ・・・」と感じる状況にある小保方氏を追い詰め、小保方氏がエスカレータを逆走したのに「そんな無茶する方が悪い」というのは虐め事件の構図に似ている。虐められた生徒がトイレに逃げ込んだとき、そのトイレに張って生徒が出てこれない様にしたとき、当然、虐めた側は「いや、ただトイレの前にいただけ・・・」と悪意がないと主張するだろうが、普通ならばそんな虐めっ子の言い分が通るはずがない。仮に小保方氏に弁護士がついていたとしても、弁護士がついていれば許される様な行為ではない。コメントされた方もその点は理解した上でのコメントだろうが、NHKの悪意を感じた私は「虐めそのものだろ!」と思うのだが、NHKの客観性を感じると「悪いことをした人が逃げ回って怪我をした」となるのかも知れない。例えて言えば、オウム真理教の信者が事件の際にテレビ局に追い回され、それで逃亡しようとして怪我をしても、多分、一般の視聴者は加害者側のテレビ局を責めたりはしないだろう。ただ、私は逆の意見で、法の下の支配にある以上、相手が極悪人であろうが何であろうが、法に則って処罰を受けるより前に怪我をするような行為は、それは法治国家として決して許されないと信じている。

なお、最後に補足であるが、「正式に特許と認められる期限は14年の10月」とあるが、これは正確ではない。下記の記事の通りであるが、若干補足しておきたい。

J-castニュース2014年6月13日「宙に浮いた『STAP細胞』特許 手続き締切日はあと数か月

特許と言うのは国毎に出願しなければ効力がない。ただ、ある国1か国に正式出願すると共に、PCT出願と呼ばれる国際出願手続きを行うことが出来る。これは言ってみれば、「これから各国に出願しますよ。それは、最初の出願国の特許の内容、そのままですよ!」と宣言するものであり、言語は問われない。例えば、小保方氏の場合にはアメリカに出願したので英語で特許が書かれているのだろうが、アメリカに加えて日本や中国、フランス、ドイツなど各国に出願するには日本語、中国語、フランス語、ドイツ語などへの翻訳が必要となる。PCT出願をすると一定期間は翻訳などの猶予が与えられ、その様な各国への出願のし直しのことを「国内移行」と言う。この締切が2014年10月24日だという。間に合わないかどうかは微妙であり、通常は国際特許事務所では翻訳作業などもやってくれる。特許の内容を詳細に説明しておけば、国際特許事務所はそれなりの精度で現地語の明細書を作成してくれるだろうから、間に合わない訳ではないと思う。ただ、英語と日本語程度であれば、発明を行った担当者が翻訳された明細書を読み直し、不備があれば添削をするはずである。小保方氏にはその余裕はないだろうから、別の連名の研究者が添削を行うのだろうが、連名者は相当な高いポジションの人だから、STAP細胞の真偽があやふやな現状で、その添削の稼働を割けるかどうかは怪しい。間に合わない確率が20%、強引に間に合わせる確率が80%ぐらいだろうか?

色々と一方的にコメントされた方に反論をしてしまい、気分を害されるのではないかと心配ではあるが、それは私の意図するところではない。もしそうであれば、謙虚に謝罪したいと思う。ただ、この様な議論はあっても良いのではないかと信じている。立場が変わると、全く真逆の考え方をするのは良くある話で、その時に「理解できない!」というのではなく、「ああ、こういう立場だとこういう考え方をするのか・・・」という理解に繋がれば良いのではないかと思う。

少々、長ったらしくなってなってしまったが、久しぶりのコメントで嬉しくなって(単なるコメントへの回答なのに)長文になってしまった。

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