けろっぴぃの日記

最近、政治のことをはじめとして目を覆いたくなるような現状が多々あります。小さな力ですが、意見を発信しようと思います。

習近平国家主席の地盤が固まる前に・・・

2014-01-04 01:24:02 | 政治
年が明け、新年ボケで新聞の記事などあまり読めていない。そこで、年末に気になっていた記事についてピックアップしてみたい。

Zakzak 2013年12月26日 「【世界を斬る/日高義樹】中国軍部がクーデターに成功、習政権を乗っ取っている… 米国防総省の衝撃的分析

日高義樹とは皆さんもご存じの通り、元NHKのワシントン支局長などを経て、その後もアメリカのハドソン研究所客員上級研究員として活躍し、テレビ東京の「日高義樹のワシントン・リポート」などで冷静な分析をご覧になった方も多いと思う。私は日高義樹氏の講演会にも参加したことがあるが、非常に説得力のある説明で持っていたメモ帳に片っ端からメモった記憶がある。その日高氏が中国の国内情勢について気になる指摘をしていた。元ネタは米国防総省の情報機関である国防情報局の内部メモで、キッシンジャー博士などとの情報交換の中で得た情報と合わせ、中国国内では軍部主導(共産党とも結託して)全権を掌握し、「中国軍部は、すでに実質的なクーデターに成功し、中国政府を乗っ取っていると思われる。習近平国家主席は軍部が選んだ、名ばかりの指導者に過ぎない」としている。この元ネタという情報は、正確には知らないがアメリカ国内では様々な調査機関が様々な報告を上げ、玉石混淆状態の中から取捨選択してオバマ政権の中枢が政策判断に利用するという類のものだろう。だから「玉」なのか単なる「石」なのかは確定していないものであり、それを前提として物事の判断をするのは短絡的である。しかし、この記事で重要なのは、最近は中国国内の正確な情報を収集するのが困難となっており、そんな中でこの様な判断を下す情報員がいるという事実である。つまり、軍部が実質的にクーデターを起こして全権を掌握した部分は眉唾ものだが、習近平国家主席の権限が盤石ではない、ないしは軍部の後ろ盾がなければ安穏としていられない綱渡りの状況にあるというところまでは間違いないのだろう。

実際、その気配を匂わせる記事が流れている。

Zakzak 2014年1月3日「中国・習近平主席の護衛総入れ替え クーデター警戒が理由か

要点は「中国の習近平・国家主席など中国共産党や政府要人の警備を担当する党中央警衛局の最高責任者に習主席の腹心中の腹心である栗戦書・党中央弁公庁主任が就任するなど、同局で大幅な人事異動が行なわれ、警備担当者も中国人民解放軍の特殊部隊の精鋭に総入れ替えされていることが分かった。」ということで、何とも裏に何かありそうな雰囲気が漂う。最近では共産党政権転覆のクーデターや習主席暗殺などの噂もあり、実際、昨年秋に急に2週間ほど表舞台から消えた時期があり、表向きは「水泳か何かで背中を痛めた」という報道があったが、実際のところはその様なことで表に出れないのは考えられず、暗殺計画か否かは知らないが、相当な大怪我に巻き込まれた可能性は高いと見られていた。その直後の警護の総入れ替えは目立つので、この時期まで時間を稼いでから実行に移したとみるのは妥当だろう。であれば、命も奪われかねない危険な立場に身を置いているのは間違いない。可能性としては、汚職や腐敗の撲滅を強くやり過ぎていて、守旧派の面々が生き残りを賭けて力技の習近平国家主席の追い落としを狙っていることを察知し、絶対的に信頼できる人間で身を固めているのかも知れない。

ここで少し冷静に物を見れば、もし習近平国家主席が軍部のお飾りとすれば、防空識別圏の設置に際して習近平国家主席は軍部から何らかの強気の発言・発信を強要されていたはずで、それがなかったことからも少なくともお飾りではなく、対等な程度には一目置かれて無理難題までは吹っ掛けられない状況のように思える。それは「軍部に手を出さなければ自由にしてやる」と軍部から要請され、軍部に対しては共存の道を示しながら、一方の共産党内での権力を確かなものにするために、政敵の追い落としに腐敗・汚職を利用しているようにも見える。最近の習近平国家主席は民衆受けする行動に躍起の様で、自らの生命線を民衆からの指示に求め、その延長線上に共産党内の足場固めがあるのだろう。

これらの現状は習近平国家主席には屈辱的だが、一時的には軍部に実権を握られても、いつの日か共産党内の全権を掌握さえすれば、最終的には軍に対しても優位に立てるという段階論的なアプローチを試みているのかも知れない。この様な中で中国が日本と軍事衝突する場合、軍部はより直接的に実権を握ろうとするだろうから、習近平政権は自らの保身のためにも、軍部に対しては反日的な態度を見せてガス抜きしながらも、実際には極限的な緊張状態を避けるために深追いはしないという状況が好ましい。まさに靖国参拝を外務省などに避難させる一方で、自らはあまり問題視した発言を控えながら、反日デモを抑え込むという行動がその具体的な対応として整合している。

様々な情報からも、やはり習近平国家主席の権力基盤が不安定であることは間違いなさそうであり、それを前提に対中政策を考える必要があることを再確認させられた感じである。

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