けろっぴぃの日記

最近、政治のことをはじめとして目を覆いたくなるような現状が多々あります。小さな力ですが、意見を発信しようと思います。

もしも「ポーランド政府がナチス親衛隊の重鎮に勲章を与えた」ら?

2013-10-21 23:11:07 | 政治
色々と忙しくてブログを書きそびれてしまった。少し時間が経ってしまったが、時事通信によれば、韓国外務省報道官は17日の定例記者会見で安倍総理が靖国参拝をこの秋にも見送ったことを、「韓国への配慮とは思わない。韓国国民全員が同じ意見だと思う」という趣旨の発言をした。今日はこの、靖国参拝について少しコメントしてみたい。

まず、先の記事を紹介しておく。

2013年10月17日 時事通信「参拝見送り『配慮と思わない』=『日中韓』年内開催は困難-韓国

これまでの慣習としては、中国、韓国共に「総理、官房長官、外務大臣のTop3」が靖国参拝を行わなければ、それ以上に問題視はしないとの方針だったが、最近はどんどんハードルを上げて、ついに「配慮と思わない」とまで言うようになった。行っても行かなくても文句を言われる究極の状況で、言ってみれば「完全無条件降伏」の要求を突き付けた形である。一切の譲歩をしないという宣言にも取れるから、交渉の余地は全くない。それはそれで明快なシグナルだから、宮沢内閣時代に韓国の盧泰愚大統領側の「謝罪すれば許す」という甘美な言葉に騙されて誤った判断をしてしまったのに比べれば、今後の対応は分かり易い。というか、選択肢が殆どないと言うべきかも知れないが・・・。

しかし、下記の記事を見ると面白いことが分かる。

2013年10月10日 朝鮮日報「韓国政府、戦犯・靖国参拝・独島妄言の日本人政治家に勲章
2013年10月10日 聯合ニュース「韓国政府の叙勲 日本人12人に疑問の声

この記事を最初に見た際に事前にメモっておいたのだが、朝鮮日報のサイトは現時点では過去の記事ということで、会員でないと読めなくなっている。ただ、記事の内容は下側の記事で読み取れる。ポイントとしてはこれまでの韓国政府から外国人勲章を授与した受勲者の中に、A級戦犯の岸信介元首相、児玉誉士夫氏、笹川良一氏が含まれているという。他にも731舞台関係者や竹島などに対する発言でケシカラン奴も多数ということだが、あくまでもポイントはA級戦犯だろう。つまり、これらのA級戦犯が受勲したのは民主化が進むよりも大分前だろうから、その時代と現在では全く別だと言いたいのだろうが、しかし事実としては今現在でも受勲は取り消されてはいない。したがって、オフィシャルには韓国政府はA級戦犯であろうと、韓国国民のために尽くしたと認定して勲章を与えることを良しとしていたのである。当然、A級戦犯とはその程度の軽いものとして位置づけ、その頃は少なくとも幾らA級戦犯が合祀された靖国神社を総理大臣や政治家が参拝しても、大して批判することはなかった。この問題が公になって、韓国では「受勲を取り消せ!」とテンヤワンヤ状態のようだが、受勲時に明らかでなかった新事実が発見されていない限り、オフィシャルに受勲の取り消しはできないようで困っているらしい。

しかし、これは非常に分かり易い例である。これほどのチャンスはない。

これだけ、正式な手続きで国家として勲章を与えるにふさわしいと判断された人間が、時代が変わると「墓参りに行くことも許さん!」ということになる。もし韓国が、これら全ての受勲者の見直しをオフィシャルに行い、新事実が見つからなくても幾らでも過去の政府の正式な取り決めをチャラにできると世界に公言するならば、見かけ上は「受勲が取り消されたA級戦犯が合祀された靖国神社への参拝は許されない!」という主張は筋が通る。しかし、これだけ話題になりながら受勲の見直しが行われないということは、A級戦犯でも勲章を受け取れると政府が公式に認定することになる。となると、それでは総理の靖国参拝はケシカランという話には無理がある。

何故なら、彼らがA級戦犯を特別扱いするのは、A級戦犯こそアジア諸国の多くの人民の命を死に追いやった死神と認定しているからである。しかも、それはナチス・ドイツのホロコーストと同レベルだというのだから、言ってみれば「ポーランド政府が、ナチス親衛隊の重鎮に戦後、勲章を与えた」ことに匹敵する。まかり間違っても、ヨーロッパの如何なる国でもナチス・ドイツの重鎮に勲章など与えることはありえないから、これは何処かに矛盾があることを意味する。

多分、考えられる選択肢は以下の通りだろう。ひとつは、A級戦犯はホロコーストの様な戦争犯罪人とは完全に質的に異なる存在であるという理解。もうひとつは、A級戦犯はホロコーストと同等だが、歴代の韓国政府がホロコーストの共犯者で、その罪人と裏で通じていてこの様な判断をしてしまったという理解である。その共犯者とされる父を持つ現大統領が、「父はホロコーストの共犯者です」などと認めるはずはないし、一方で「A級戦犯は大したことない」などと認める訳にも行かない。であれば、強権を発動して過去の受勲の事実を遡って遡及的に取り消すという、如何にも最近の韓国がお得意の戦術しか残されないのであるが、これは、「この国は、朝令暮改で、何を約束しても信じるに足らない国ですよ!」と世界に宣言する様なものである。

言い換えれば、詰将棋の「詰み」の状態である。その様な「詰み」の状態の中で、参拝見送りを「配慮と思わない」という韓国側の発言である。

今の日本政界の中には、韓国にトドメを刺すことを快く思わない勢力が大多数を占めるから、ここで韓国が歩み寄りの態度を示せば事態は違った方向に進むかも知れなかった。しかし、「詰み」の状態の中で日本に対し「完全無条件降伏を要求する!」と強気で言うのだから、終戦間際の大日本帝国の中枢(A級戦犯も当然含まれる)よりもタチが悪い。韓国でA級戦犯の受勲の記事が出た段階で大声を上げるのは節操がないと言われそうだが、ぐっと堪えていたら相手が逆切れしてきたのだから、そろそろ大きな声を上げても良い頃だろう。

何度も言うが、これはチャンスである。「あなたの国は、ホロコーストの戦犯に勲章を与える国なのか?」と何度も世界に問うべきである。多分、相手はまともに答えられないはずである。

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