けろっぴぃの日記

最近、政治のことをはじめとして目を覆いたくなるような現状が多々あります。小さな力ですが、意見を発信しようと思います。

安倍総理の靖国参拝を占う

2013-07-25 23:05:41 | 政治
毎日新聞の報道によれば、安倍総理は中国、韓国に配慮して、8月15日の終戦記念日の靖国神社参拝を見送ることを決めたと言う。しかし、それをフォローする報道は見られない。菅官房長官もこの件に関する言及を避けている。ここで私は断言したい。安倍総理が靖国神社をこのタイミングで参拝しないという選択肢はあり得ないと言うことを。

私のこの断言の趣旨は、別に安倍総理は靖国神社を参拝すべきだという意味ではない。そうではなくて、安倍総理が昨年の総裁選前に「前回、総理在任中に靖国神社を参拝しなかったのは痛恨の極み」とまで言っているから、必ず何処かのタイミングで参拝するのだろうという前提に立つなら、このタイミングほど最良のタイミングは他にはないという単純な事実を言っているに過ぎない。さらに、敢えて言うのであれば、8月14日に参拝するのが良いと思う。理由は下記の通りである。

先日の参院選での勝利の後、中国の新華社通信の記者の質問に答えて首脳会談、外相会談の必要性を述べ、「中国国内でも私の発言をしっかりと報道して欲しい」と発言したという。中国、韓国とは何処かで関係改善を図らねばならないし、関係的には今が最悪の状態とも言える。しかし一方、もし両国関係が改善の兆しを見せてしまうと、その時点で靖国参拝をしてしまえばせっかく改善し始めた関係がリセットされてしまい、安倍総理の後ろ向きの姿勢が鮮明になってしまう。さらには、(実際にはそう簡単には事態は変わらないのだが)その関係改善が形となり、様々な民間レベルの交流が復活したとすれば、そこで靖国参拝をすれば日本のみならず世界の報道機関も、野党に加えて盟友の公明党も、さらには同じ自民党内からも、安倍総理に対するバッシングが強烈に巻き起こることは目に見えている。このインパクトは橋下代表の慰安婦発言に対するマスコミの寄って集っての一斉攻撃に通じるかも知れない。橋下代表の立場は単なる弱小野党のツートップの片割れ程度だったからあの程度で済んだのだが、それが日本の総理大臣となれば世界中で面白おかしく取り扱われるかも知れない。だから、選択肢としては日中、日韓の関係改善が図られる前に靖国参拝をしておかなければ、その後に靖国参拝することは不可能になる。

ここで、各国の実情はどうかと言えば、経済再生に向けて強い歩みを続けている日本に対し、中国、韓国の経済はジリ貧である。円安で輸出は好調だから、中国や韓国で今まで同様に日本製品に対するネガティブキャンペーンがあっても、現時点で対中、対韓輸出が落ち込んでいる状況で今後多少落ち込みが増しても、他国への輸出が好調であればそのインパクトは相対的に小さい。一方で、韓国などは対立が激しくなることで日本人観光客が減り、電化製品の売れ行きにも影響が出てくれば、国内経済にネガティブな要因が強まる。肩を怒らせて恫喝して「お前の方から頭を下げて首脳会談をお願い出ろよ!」と迫りたいところであろうが、「だったら今は会わない」と応えれば困るのは相手である。中国も同様で、弾けつつあるバブルを緩やかにソフトランディングさせる政策を李克強首相がリコノミクスと称して進めている以上、経済が今まで以上に失速するのは確実である。このとき、日中間系が不安定で世界からの投資家がチャイナリスクを恐れる状況を作るのは懸命ではない。さらには、関係悪化は対日輸出の落ち込みに繋がりかねないから、今の中国は速やかなる日本との(少なくとも民間レベルでの)関係改善を(本心では)期待しているのは確かである。

だとすれば、今、安倍総理が靖国参拝しても、通り一遍の非難声明は当然ながら行われるだろうが、そこからあまり時を経ないで関係改善の動きが起こるかも知れない。その実績が確立すれば、少なくともそれ以降は同レベルの行動(靖国神社への参拝や奉納など)に対して今回以上のエスカレーションを行わないという基準が出来上がることになる。これまで、総理、官房長官、外務大臣が参拝しなければ過剰な反応はしないと言う暗黙の了解が確立していたが、先日の麻生副総理の靖国参拝と安倍総理の靖国神社への真榊の奉納では、その暗黙の了解を破って中国、韓国が異常なヒートアップを見せていた。しかし、あまりその点が問題とならず、逆にそれが新たな基準となったかのようにも見えていた。しかし、今回はそれをリセットするチャンスでもあるかも知れない。

A級戦犯の合祀の問題をどう捉えるかの議論はあるにしても、戦争で国のために命を投げ出して死んでいった人々のために、後世の国民が祈りを捧げるのに他国から後ろ指を指されるのは明らかにおかしい。これまでの戦後の歴史の中で、日本がこれまでの間に政府、民間を通じてアジアの近隣諸国にどの様に謝罪を行い、国家賠償を行い、経済的や様々な形での援助を行い、戦争に対する償いにどれだけ真摯に取り組んできたかを具体例を挙げて世界にアピールする。さらに、日本のA級戦犯はナチスドイツのホロコーストに関する残忍極まる人道的な罪とは異なる存在であることを説明し、だからこそ二度とその様な悲惨な歴史を繰り返さないという宣言を込めて、戦没者に対する慰霊の気持ちを明らかにすることの正当性を訴えればよい。

終戦記念日は報道機関のマークが厳しくなっているから、この日に靖国参拝をすれば多くのマスコミが一斉にテレビカメラで映像を捉え、世界中にこれを発信するだろう。ただでさえ終戦の日のイベントでスケジュールがタイトだから、お忍びで参拝するなど不可能である。しかし、8月14日はポツダム宣言を受諾した日であり、つまり日本が(日本国民に対してではなく)世界に対して敗戦を受け入れることを宣言した日である。この記念日に英霊の御霊に祈りを捧げ、翌日の8月15日の終戦記念日に国民に向かって、これまでの日本の謝罪と償いの歩みを丁寧に説明し、今後二度と悲劇を繰り返さないという誓いを宣言するという流れは、(中国、韓国は受け入れ難いだろうが)日本の主張としては筋が通っている。

選挙前であれば、選挙でのネガティブキャンペーンに利用されかねないから靖国参拝は無理であったろうし、今後数ヶ月経って中国、韓国が長期政権となる安倍総理への戦略として柔軟路線を示し始めたら、やはり靖国参拝は遠のいてしまう。だから、参拝するならこのタイミングしかないのである。そしてこれは、まさに千載一遇のBestなタイミングなのである。

安倍総理がどう考えているのかは知らない。しかし、もし私が安倍総理の立場であれば、側近のを通じて「靖国参拝を諦めたらしい・・・」という嘘の情報(厳密には、8月15日は断念したが14日は断念していないという見方をすれば、必ずしも嘘ではない)をリーク(嘘なので、当然、官房長官などが公式会見で言うことはできない)し、マスコミを油断させてお忍びで参拝するだろう。小泉元総理も似たようなことをしていたが、マスコミの批判はあっても、賢明な判断であったと私は思う。

答えは8月14日、15日に出るはずだ。

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