けろっぴぃの日記

最近、政治のことをはじめとして目を覆いたくなるような現状が多々あります。小さな力ですが、意見を発信しようと思います。

面白味も高揚感もない選挙が終わり、これからが本番の始まりである

2013-07-21 23:58:07 | 政治
参院選が終わり、自民・公明の与党過半数が回復し、ねじれが解消した。非常に手短ではあるが感想を書いておく。

まず、今回の選挙は何とも不思議な選挙であった。自民党からすれば圧勝ムードだったが、6年前のトラウマから、安倍総理はねじれの解消を最優先に掲げ、一切のチャレンジがなかったように感じる。自民党の今回の選挙の最大のテーマは「如何にして失策せずに乗り切るか」であり、相手を打ち負かして圧勝して憲法改正に必要な2/3議席に如何にして近づけるかという考えは全くなかった。それほどまでに、石橋を叩いてでも確実に渡りきり、アベノミクスの完成により最低限の経済再生を実現するという強い意志を示していたのかも知れない。選挙区ごとの得票数を見る限りでは、2人区以上で2人目を擁立して更なるプラスの議席が狙える選挙区は幾つもあったと思うし、その様なチャレンジをしていれば自民による単独過半数も実現できたのかも知れない。しかし、その様な誘惑には目もくれず、あくまでも着実な捻じれ解消を求めていた。

一方の野党は、自民党の圧勝は横に置いておいて、何とか2人区以上での議席を確保しようと必死で、自民を攻撃するというよりは野党間での漁夫の利狙いの様な感じでもあった。みんなの党の渡辺代表は、多分、(私の勝手な予想では)橋下市長の慰安婦発言の意図を理解した上で、あくまでも選挙での損得勘定を考えて、維新票を横取りすることを狙って勝負をかけたのだと思う。結果を見る限りでは、橋下市長の慰安婦発言の影響は今回の選挙では極めて限定的で、逆にみんなの党は策を弄した割には得るものはなかったという状況だろう。細かい選挙区での票読みまでする気はないが、あそこで渡辺代表が橋下市長の慰安婦発言を受けて「みんなの党の立場とは相いれないが、橋下市長が主張する『謝罪すべきことは謝罪し、事実が明らかになっていない点に関しては、有耶無耶な決着ではなく明らかにするための努力を日韓両国ですべき』という一点については、それを否定することは誰にもできないのではないか?また、日本の慰安婦問題の真実を明らかにすると共に、女性の人権のためには諸外国の慰安婦制度についても光を当てるのは有益かも知れない。」ぐらいの発言をしていれば、もう少し違った結果になっていたのかも知れない。

さらには、多くの野党がアベノミクスの批判をしていたが、一時期の株価の乱高下が一服して以降は、下手に攻撃しすぎてアベノミクスが成功したら逆に自分の政治生命に傷がつくという変な遠慮から、この辺についてもあまり議論にはならなかった。原発問題なども同様で、衆院選前も参院選前も同様に、朝まで生テレビの中で野党の責任者に具体的な脱原発の実現方法を問うても、誰一人としてその道筋を示せるものがいなかった。国民もこの辺の現実に嫌気がさし、野党候補者もあまり反原発を前面には出さない様になっていた。この辺からも、野党候補者もチャレンジをせずに守りに入っていた感がある。

とは言え、結果として面白い点もある。生活の党、社民党、みどりの党などのポピュリズム政策を掲げて票を得ようとする勢力が圧倒的に減退した点であろう。しかし逆に、東京都の様に5人区ともなると、4議席目、5議席目の得票率は意外に低くても何とかなってしまうため、この様な選挙区こそポピュリズム政策の草刈り場となり易いことが示された。電力を使いまくるという東京都民が反原発候補を当選させるという喜劇が何とも言いようもなく腹立たしいが、しかし、その候補は正々堂々と公職選挙法に違反する「100万人メールメール大作戦」なるものを公式ホームページ上で展開し、当然ながら本人のメール受信の同意がない知人、友人のメールアドレスを情報提供するよう呼びかけ、実際にそのアドレスにメール送信をして、更にご丁寧にその直後に総務省に選挙違反しましたと謝罪しているというから笑える。殆ど確信犯だから、今後の展開(当選無効?)が楽しみともいえる。

終わってみれば、結局はあまり面白みもなければ、高揚感も湧かない終わり方だが、確実に1歩前に進んだともいえる。とりあえずはそれで良しとして、3本目の矢が如何なる方向に飛んでいくのかを見守りたい。

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