今日は昼から北朝鮮のミサイル発射のニュースが話題の中心であった。本来なら尼崎連続遺棄事件の角田容疑者の自殺がトップニュースなのだろうが、意表を突かれて慌てて扱いを差し替えた格好だ。そのニュースでの北朝鮮に対する評価は、昨日までとは180度変わっており、昨日までは「やっぱりダメダメ!」という論調が今日になったら「北朝鮮、恐るべし!」と切り替わった。私の個人的な感想では、余りにも短絡的にひとつの事象だけをみて踊らされ、一喜一憂するのは誤った判断に繋がると考えており、その意味で今回の一連の流れをどの様に見るべきかを冷静に考えてみたいと思った。
確かに、今回は北朝鮮はきっちりと仕事をしてきた訳だから、敵ながら天晴れという評価は変わらない。しかし、それ以上でもなければそれ以下でもないというのが私の評価である。4月の段階で、海外のマスメディアを呼び込んでの一世一代のパフォーマンスを行うぐらいだから、技術者としては当時からそれなりの自信はあったのだろう。しかし、どの様な技術でも場数を踏んでステップアップする部分はあるから、当然の如く、ある確率で失敗した。今回についても同様で、北朝鮮がどの程度の成功確率を想定していたかは知らないが、少なくとも100%の自信があったとは思えない。そのように断言できる理由は二つあり、もし余裕のよっちゃんであれば、4月の段階で予備機を確保していたことを考えれば、この極寒の時期まで引っ張らずに、もっと早くに打ち上げを実行していたはずである。日本と韓国の選挙事情もあり、この時期の打ち上げは対北朝鮮強硬派政権を誘導しがちだから、本来は避けて10月頃に打ち上げているべきであった。しかし、その時期に打ち上げることができず、この時期にずれ込んだというのが現実だろう。だから、本来ならば暖かくなる来年の4月頃まで待ちたいところだが、強制大国のスローガンのもと、それが許されないという事情があった。その意味で、追い詰められての打ち上げと思われる。もうひとつは、前回の汚名を挽回するなら、今回も外国メディアを招待して打ち上げるべきであるが、それをしなかったということからも、今回は失敗が許されない、つまり裏を返せば「失敗を相当意識した強硬策」であったことが伺える。
ただ、何故にフェイントをかけてまで日米韓を出し抜かなければならなかったかについては疑問が残る。一部の説によれば、わざと偽の情報を掴ませて韓国と米国の諜報能力を確かめようとしたと言われる。これは、確かに相当な確率で正しいのだろう。ただ、実は日本のPAC3の迎撃を恐れて、せめて日本だけは出し抜こうという意図があたのではないかと、個人的には予想している。折角の打ち上げも、途中で迎撃されては台無しである。ミサイル技術の輸出で外貨を稼ごうと考えれば、「ミサイルで簡単に打ち落とせる程度の技術」とレッテルを貼られては致命的である。また、韓国との対決を意識すれば、日本と韓国の間に楔を打ち込む必要もあり、日本とは拉致問題をちらつかせて関係改善を図りたいところだが、PAC3での迎撃を受ければ日本とも徹底抗戦の姿勢を示さざるを得ない。だから、4月の時と同じように、後手後手に回る事態を演出しようとしたのではないだろうか?
韓国では、国防省からの発表が2転3転しており、一部の関係者は完全に裏を突かれた格好だが、実際の現場の担当者は冷静で適切な対応をしていたように見える。日本の防衛省も、アメリカからのチャネルを通じて森本防衛相には今日の発射の可能性が把握されていたようで、4月の失態とはことなりこちらも及第点の対応をした。予想外なのは、アメリカ政府の方の対応の方が慌てたものとなり、後手後手に周り気味だという。確かにアメリカにとっては驚異は増えたが、現時点ではまだ搭載可能な容量が限られており、実質的にはワシントンやニューヨークはまだ安全だろう。ただ、時間が確実にカウントダウンされているのは事実であり、効果的な対応が求められるのは間違いない。
日米韓は過剰に慌てるのではなく、冷静で戦略的な実行力のある対応を期待したい。
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確かに、今回は北朝鮮はきっちりと仕事をしてきた訳だから、敵ながら天晴れという評価は変わらない。しかし、それ以上でもなければそれ以下でもないというのが私の評価である。4月の段階で、海外のマスメディアを呼び込んでの一世一代のパフォーマンスを行うぐらいだから、技術者としては当時からそれなりの自信はあったのだろう。しかし、どの様な技術でも場数を踏んでステップアップする部分はあるから、当然の如く、ある確率で失敗した。今回についても同様で、北朝鮮がどの程度の成功確率を想定していたかは知らないが、少なくとも100%の自信があったとは思えない。そのように断言できる理由は二つあり、もし余裕のよっちゃんであれば、4月の段階で予備機を確保していたことを考えれば、この極寒の時期まで引っ張らずに、もっと早くに打ち上げを実行していたはずである。日本と韓国の選挙事情もあり、この時期の打ち上げは対北朝鮮強硬派政権を誘導しがちだから、本来は避けて10月頃に打ち上げているべきであった。しかし、その時期に打ち上げることができず、この時期にずれ込んだというのが現実だろう。だから、本来ならば暖かくなる来年の4月頃まで待ちたいところだが、強制大国のスローガンのもと、それが許されないという事情があった。その意味で、追い詰められての打ち上げと思われる。もうひとつは、前回の汚名を挽回するなら、今回も外国メディアを招待して打ち上げるべきであるが、それをしなかったということからも、今回は失敗が許されない、つまり裏を返せば「失敗を相当意識した強硬策」であったことが伺える。
ただ、何故にフェイントをかけてまで日米韓を出し抜かなければならなかったかについては疑問が残る。一部の説によれば、わざと偽の情報を掴ませて韓国と米国の諜報能力を確かめようとしたと言われる。これは、確かに相当な確率で正しいのだろう。ただ、実は日本のPAC3の迎撃を恐れて、せめて日本だけは出し抜こうという意図があたのではないかと、個人的には予想している。折角の打ち上げも、途中で迎撃されては台無しである。ミサイル技術の輸出で外貨を稼ごうと考えれば、「ミサイルで簡単に打ち落とせる程度の技術」とレッテルを貼られては致命的である。また、韓国との対決を意識すれば、日本と韓国の間に楔を打ち込む必要もあり、日本とは拉致問題をちらつかせて関係改善を図りたいところだが、PAC3での迎撃を受ければ日本とも徹底抗戦の姿勢を示さざるを得ない。だから、4月の時と同じように、後手後手に回る事態を演出しようとしたのではないだろうか?
韓国では、国防省からの発表が2転3転しており、一部の関係者は完全に裏を突かれた格好だが、実際の現場の担当者は冷静で適切な対応をしていたように見える。日本の防衛省も、アメリカからのチャネルを通じて森本防衛相には今日の発射の可能性が把握されていたようで、4月の失態とはことなりこちらも及第点の対応をした。予想外なのは、アメリカ政府の方の対応の方が慌てたものとなり、後手後手に周り気味だという。確かにアメリカにとっては驚異は増えたが、現時点ではまだ搭載可能な容量が限られており、実質的にはワシントンやニューヨークはまだ安全だろう。ただ、時間が確実にカウントダウンされているのは事実であり、効果的な対応が求められるのは間違いない。
日米韓は過剰に慌てるのではなく、冷静で戦略的な実行力のある対応を期待したい。
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