けろっぴぃの日記

最近、政治のことをはじめとして目を覆いたくなるような現状が多々あります。小さな力ですが、意見を発信しようと思います。

TPPを置き去りにしてはいけない!

2012-07-02 22:35:11 | 政治
今日の展開には笑ってしまった。消費税増税に絡んだ小沢グループの離党騒動である。

たまたま、TBSの「ひるおび」を昼休みで見ていたのであるが、階猛、辻恵両衆院議員を含む造反議員4名が番組の中でインタビューに応じていた。その最中に「離党届提出!」の速報が飛び込んできて、階猛氏が「委任状が無い状態での離党届提出は無効」とまくし立て、辻恵氏も何だか訳が分からない立場を説明していた。???と思っていたら、その後、山岡賢次氏がこの二人の離党届提出を慌てて撤回していた。造反も造反だが、親分に離党届を提出するという云わば「血判状」に名を綴りながら、蓋を開けたら「ちゃい!」とばかりに一目散に逃げる・・・。この一連の総動が、如何に個々の利害で動いていたかが象徴的に表されていた。野田総理の方も、この離党届を受理せず、除名する方向で対応する方針を伝えているようだから、残りの造反議員も私が思っていたよりも重い処分が待っているかも知れない。そうなると、政界再編ではなく造反議員の再編が行われることになるかも知れない。野次馬的には面白い見どころである。

しかし、その様な不謹慎なことを言っていられない、重大な問題がここに残されている。TPP参加問題である(たまたま、このブログを書きながら報道ステーションをみていたら、この番組でも同様の指摘をしていた)。

先月のG20会合において、カナダとメキシコが参加表明を行った。当初の予定では、民主党としては6月中に結論を出し、早ければカナダ、メキシコと同じタイミングで参加表明を行うことを画策していたはずである。しかし、G20には野田総理自身が殆どトンボ帰り状態でドタバタしていたし、消費税増税反対派とTPP反対派が結託しようものなら話が更にややこしくなり、消費税増税法案もどうなるか分からなくなる。だから、TPP推進派の野田総理も、敢えてここでの棚上げを決断し、この6月を乗り切ることとなった。

しかし、消費税増税問題だけでも(賛成票を投じた議員の中でも)党執行部の党内手続きに瑕疵があったのではないかと言われるぐらいだから、TPPで強行しようとすると、TPP阻止のためなら消費税もチャラにして構わないという議員も少なくないだろう。だから、その様な勢力は離党予備軍であり、彼らが小沢グループと結託して内閣不信任案を提出するという流れも予想できる。自民党執行部は、野田総理と話し合い解散の確約を受け、消費税増税の参院通過後の解散を前提に内閣不信任案に応じないという展開も予想できるが、自民党内にもTPP反対派はいるし、いっそのこと早く決着(解散)をつけた方が良いと考える人もいるだろうから、内閣不信任案が成立してしまうリスクは十分ある。これは野田総理としては無視できないリスクなので、TPP問題は参院での消費税増税法案成立までは人質に取られた状況であるというのが本音であろう。

しかし、では何時まで待てば良いのかというと、最低でも消費税増税法案に加えて特例公債法案も成立させないと死活問題なので、これらが決着するのは8月下旬頃となる。ここまでは自民党も我慢するが、これが我慢の限界である。これ以上解散を長引かせるような新たな提案には応じられず、この時点で内閣不信任案の提出or解散に至る可能性が高い。そこで選挙戦に突入すると、9月末ないしは10月上旬になって新政権が出来るまで、TPPは棚上げとなる。新政権となっても、民主党政権でなおざりになっていた震災復興と掲載成長戦略が最優先課題となりそうだから、政権の基盤を弱体させるリスクを伴うTPP問題は、体制が確立した3ヵ月後以降まで手をつけられず、この結果、TPPに動き出せるのは来年になってから・・・というシナリオがかなりの信憑性を持ったシナリオである。

この様に考えると、今回の民主党のゴタゴタは単に笑って済ませられる問題ではなく、国家の命運を左右するかも知れない問題に半年以上の澱み期間を作ってしまったことがボディーブローのように今後効いてくる可能性が高い。

しかし、このシナリオの中に希望の光を見出すなら、9月末ないしは10月上旬の総選挙となれば、民主党も自民党も代表戦、総裁選を経ての選挙となる。前々からブログで述べているとおり、比較第1党となる可能性の最も高い自民党の総裁には石破茂前税調会長が選出される可能性が高い(と思っている)。石破氏は橋下大阪市長のことを非常に高く買っているし、大阪維新の会や石原都知事などの第三局の勢力を結集するには好都合である。公明党、民主党の一部残党を取り込めば、一大勢力での大連立政権を作り上げられる可能性は高い。非常に楽観的な予測であるが、この力を借りてTPP参加を一気に決め、国際政治の中でも日本のプレゼンスを高められることを期待したい。まあ、絵に書いた餅となる可能性は高そうであるが・・・。

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