けろっぴぃの日記

最近、政治のことをはじめとして目を覆いたくなるような現状が多々あります。小さな力ですが、意見を発信しようと思います。

野田総理と輿石幹事長のどちらが策士なのだろうか?

2012-06-07 23:24:17 | 政治
現在、政治の世界では消費税増税の問題が中心である。今日は、ふたつのことについて書いてみる。ひとつは、昨日放送の関西テレビ(関西ローカル)の「アンカー」という番組の中の「青山繁晴の“ニュースDEズバリ”」のコーナーで明らかになった話題、もうひとつは個人的な今後の予想についてである。

ひとつ目の「青山繁晴の“ニュースDEズバリ”」については、「ぼやきくっくり」さんの下記のサイトで詳細を読むことができる。

■6/6放送 関西テレビ「アンカー」青山繁晴の“ニュースDEズバリ”テキスト起こし

目茶目茶面白い内容である。テレビを直接見ていないが、ワクワク感が伝わってくる。自民党の溝手参院幹事長が輿石幹事長を称して「ヌエの様な存在」と異様なリアクションをしたのも頷ける。また総理の側近曰く、「意外に野田総理には決断力がない」ということらしいが、私はちょっと解釈が違っていて「異様に楽観的」と言うべきかも知れないと思っている。さらに、民主党の最後の最後の起死回生の一手として細野原発相の総理大臣起用というカードというのは、意外にありそうで怖いところである。こう考えると、この番組では触れられていないが、輿石幹事長と小沢元代表の狙いは、9月の代表選までに(衆院はともかく)参院での採決を何とか阻止し、そこで代表選に細野原発相を担いで野田政権を追い込み、代表交代に合わせて解散総選挙を行うというシナリオなのだろう。詳細は上記の「ぼやきくっくり」さんのページに任せ、この話はここまでとする。

さてふたつ目の個人的な予想とは、野田総理はどういう戦略なのかを考えてみた。私が着目するのは(最近は話題に上がらなくなったが)忘れてならない特例公債法案の存在である。平成24年度予算案は4月上旬に通ったが、その予算執行に必要となる関連法案は8月頃までを目処にどうしても通さなければならない。昨年も、それがあるから菅前総理は辞任に追い込まれたのである。特例公債法案がなければ、彼ももう少し延命できたかも知れない。もちろん、特例公債法案を盾に篭城を続けていれば国民生活にマイナスであるから、自民党が抵抗しても思いっきり返り血を浴びるのであるが、それなりの言い訳も出来るだろうから両者がチキンゲームになるのは容易に想像できる。この泥仕合の丁度そのタイミングで民主党も自民党も代表選挙がやってくる。チキンゲームで血だらけになった状態で代表選に臨むならば、両党とも党員は「首を挿げ替えた方がいいのでは・・・」と感じるだろう。この結果、野田総理も谷垣総裁も再選の芽は摘まれてしまう。ふたりとも、その程度の賢さは持った人だろうから、結局は8月の泥仕合を避け、その前に落とし処を探り合う格好にならざるを得ない。

別の見方もある。前原政調会長が面白いことを言っていた。任期を全うして来年夏の衆参ダブル選挙となれば、振り子の振り戻しが衆参同時にやってきて、民主党は壊滅的な打撃を受けることになる。だから、何としてでもそれだけは避けなければならない。とすれば、来年夏の参院選前に衆議院の選挙を行うことになるが、単純に考えて政権交代から3ヶ月以内では新政権のボロも出ないから、振り子のより戻しの更により戻しを期待するなら、3ヶ月以上は前倒しをして衆院選を行なう必要がある。しかし、来年度予算案審議の重要な時期である3月は選挙は避けたいだろうから、逆算すると解散総選挙のデッドラインは年明け早々ぐらいになろう。さらにしかし民主党の惨敗は確実だから、今年の9月に民主党代表が仮に変ろうものなら、就任後、数ヶ月での首相の入れ替わりというこれまた国民にとって最悪の事態を招くことになる。

こう考えると、考えられるシナリオは8月末までに野田総理が解散を約束して消費税増税と特例公債法案を仕上げて解散総選挙する流れ、もうひとつは野田総理が解散も消費税増税もできずに9月に細野原発相が新代表に選出されて即解散総選挙という流れ、最後が細野原発相が新総理になるも解散できずに来年夏に衆参同時選挙となる流れである。しかし、言うまでもなくどちらかと言えば小沢元代表に近い細野原発相が小沢氏を切って消費税増税を完結できる訳がないから、野田総理は第1の選択肢しか残されていない。輿石幹事長の姑息な行動は何とも言いようがないが、総理側近が危惧するほど自民党が強行姿勢を示すことはなく、どうせ「ユルユル」なのだから会期末の21日までに採決が近日中に行われることを自民党が実感できれば良いと野田総理は楽観的に考えているのだろう。更には社会保障の具体的な修正は有識者で構成される国民会議に任せるということにすれば両党とも折り合いは付けられるので、修正協議が決裂することも回避可能である。野田総理が谷垣総裁とネゴることができ、身内にも内緒で極秘の阿吽の呼吸で行動できれば、総理の側近が気が気でないような事態でありながら、6月中の衆院での採決に漕ぎ着けることは出来るだろう。ここまでくれば、参院では少々丁寧に議論しても、8月中の解散総選挙は可能である。

もし、特例公債法案がなければ違う選択肢もあるのであろうが、現実にはこの様な選択肢しか残されていない。輿石幹事長を内閣改造に合わせて交代させる選択肢は確かにあるが、余りに強行で中間派から反感を買う可能性もあった。野田総理は、戦艦大和の操縦において急な舵取りは船を沈没させるリスクがあると感じているだろうから、緩やかに舵を切り、それでも輿石幹事長が言うことを聞かなければ、誰もが納得の上で首の挿げ替えが可能となる。

1件目の青山繁晴さんの見立てと違い、私は野田総理は策士だと思っている。確かに原発問題などでの判断には首をかしげるが、自分がこだわることに対しては妥協はないのではないかと思う。

本当のところはどうなのだろうか?来週末頃にはある程度の結果が出ているかも知れない。

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