相変わらず、本だけはコツコツと読んでいまして。
鬼平犯科帳:池波正太郎
多くは言わずとも名作であることは皆さん既にご存知の通り。
長谷川平蔵の生き様には、ルパン3世やポルコ・ロッソに見られるような男のロマンがあるわけですよ・・・まぁ、ちょっと違うけどそういうことにしておいてください。
たそがれ清兵衛:藤沢周平
これも映画になったことがあるからご存知の方は多いはず。
作品のあらすじはですね、うだつの上がらない侍が日々周りにバカにされながらも、実は剣術の達人で・・・えいやーっ!
といったところでしょうか。
(全く何も伝わらないと思いますが)
ただ、読んで思ったのは「よくこんな短編を映画に出来たな」ってことです。
ページ数だけで言えば50ページにも満たないですからね。
まぁ、ただあの様式美めいた「勧善懲悪+ほんのり哀愁」スタイルは嫌いじゃないです。
飽きるけど。
螺鈿迷宮:海堂尊
例によって海堂尊。
海堂尊の作品を過去に紹介した際には、大筋絶賛しつつも「現役医師(病理医)のエゴが強すぎる」だとか「ハリウッドテイストが強くて大味」だとかケチをつけてきましたが、まぁ、今回も同じような評価です。
内容はすごく面白いのに、何だかアンリアルで、大袈裟で、爆弾ボーン!またまたボーン!な展開になっていくという・・・どこか「ダビンチコード」や「天使と悪魔」(共にダン・ブラウン著)に似た展開をみせているわけです。
まぁ、そうやってブチブチ言いつつも、オススメであることに変わりはありません。
アンボス・ムンドス - ふたつの世界:桐野夏生
合コンとかで「週末何されてるんですか?」と聞かれた際に、言葉に詰まることが多々あるわけです。
例えば
「サーフィンしてます!」
「キャー!すごーい!」
「じゃあ今度一緒に海行きましょうよ!」
という安易だけれども鉄板な展開に持っていけるような都合の良い趣味があればどんなに素敵なことだろう!とは思うのだけれども、実際は「寝るか、飲むか、本を読む」しかしていない。
しかもそんなことをバカ正直に言ってしまった日には、合コンにおけるスタートダッシュで大幅に遅れをとってしまうことは明らかなわけです、経験則上。
ということを(東京大学物語ばりに)1.5秒ぐらいで考えて、最終的には「テニスしてます」という、嘘ではないけど、結構ギリギリなラインの回答をしているわけです。
「趣味は読書って言っても良いじゃない!」という優しい方もきっといらっしゃることでしょう。
でもね、本って意外と読まれないらしんですよ、どうやら。
「読書」ってキーワードを発した瞬間に、相手の自分に対する興味パラメターがグングン落ちていくのが目に見えて分かる場合が多々アリ。
仮に相手が「私も本読むの好き!」と頑張って言ってくれて、そこで「マジで!どういうのが好き?」と聞き返した際に、相手が言葉に詰まることも多々アリ。
加えて、何かの縁があって本を貸すことになったとしても、50%は返って来ない、25%は読まれずに返ってくる、25%は読まれるけど3ヵ月後に返ってきて、感想を聞いてみると「憶えていないけど面白かった」と言われること山の如し。
そういうことがごくごく当たり前のように発生するわけで、俺統計的な見地から「自分が思っているほど周りは本を読んでいない」という結論が導出されるわけです。
(Q.E.D)
そんな中、ものすごい読書好きな人を見つけましてですね。
これがドン引きするぐらいの本好き。
こっちから「週末は何をやってるんですか?」と質問したところ、堂々と「引き篭もってます」と言われ、「引き篭もって何をやっているんですか?」と紐解き始めると、これまた堂々と「読書」と即答。
おいおい、すげーな。
俺のあの読書に対するあの引け目みたいなの、何だったのさ。
そういうこともあって、先日、酒を飲みながら読書トーク。
読書の話だけで軽く2時間は続いたわけなんですが、今こうやって思い出してみると、傍から見てると反吐が出そうな内容だったと思われますので、何を話したか割愛させて頂きます。
ただ、一つだけ言わせて頂くとですね、以前、当拙ブログで恩田陸やら伊坂幸太郎をピーマンで表現したことがありましたが、その人との会話でこの表現をそのまんま伝えてみたわけです。
すると「だったらそのピーマンに青汁とゴーヤーを足したような作家がいるよ」と言われてましてですね、そういうスッタモンダを経て、この桐野夏生のアンボス・ムンドスを読むことになったわけです。
以上、前置き。
長々とすいませんでした。
で、この作品の内容はと言うとですね・・・うん、ピーマン+青汁+ゴーヤーというのは満更間違ってもいない。
人間のエグくて、ドロドロしてて、思わず目を背けたくなるような内容を、これでもか!と生々しく描写してくるあたりが「もうホント勘弁して!」の世界だったりするわけです。
読み終わったあとに、思わず「怖い怖い!」と呟いていましたからね。
部屋の中で一人なのに。
誰も聞いてくれる人いないのに。
まぁ、そういうわけで、色々な意味で桐野夏生は個人的にはかなりの衝撃だったわけで、とりあえず興奮冷めやらぬままその人に電話。
本の感想を言い合う中で、二人で確認し合った桐野夏生とは:
「人間という一見キレイな生き物を解剖して、グロテスクな内臓を目の前に突きつけてくる」
だとか
「怖くて気持ち悪いと分かっているのに、ついつい入ってしまうお化け屋敷」
だとか
「鳥居みゆき」
だとか。
まぁ、そういう作品だということです。
最後の例えはかなり分かりづらいとは思いますが、一度読んで頂ければなんとなく分かって頂けると思います。
分からなかったら、それはボクのアレがナニだったということにしておいてください。
ただ、総じて言うとですね・・・正直、これ、あんまりオススメしません。
というか、面白いんです。
面白いのだけれども、一般受けしないであろうこと山の如し。
もし万が一読まれる場合には、覚悟を持って読むか、もしくは何か箸休め的な軽い小説をもう一冊用意しておくことをオススメします。
そんな感じで。
鬼平犯科帳:池波正太郎
多くは言わずとも名作であることは皆さん既にご存知の通り。
長谷川平蔵の生き様には、ルパン3世やポルコ・ロッソに見られるような男のロマンがあるわけですよ・・・まぁ、ちょっと違うけどそういうことにしておいてください。
たそがれ清兵衛:藤沢周平
これも映画になったことがあるからご存知の方は多いはず。
作品のあらすじはですね、うだつの上がらない侍が日々周りにバカにされながらも、実は剣術の達人で・・・えいやーっ!
といったところでしょうか。
(全く何も伝わらないと思いますが)
ただ、読んで思ったのは「よくこんな短編を映画に出来たな」ってことです。
ページ数だけで言えば50ページにも満たないですからね。
まぁ、ただあの様式美めいた「勧善懲悪+ほんのり哀愁」スタイルは嫌いじゃないです。
飽きるけど。
螺鈿迷宮:海堂尊
例によって海堂尊。
海堂尊の作品を過去に紹介した際には、大筋絶賛しつつも「現役医師(病理医)のエゴが強すぎる」だとか「ハリウッドテイストが強くて大味」だとかケチをつけてきましたが、まぁ、今回も同じような評価です。
内容はすごく面白いのに、何だかアンリアルで、大袈裟で、爆弾ボーン!またまたボーン!な展開になっていくという・・・どこか「ダビンチコード」や「天使と悪魔」(共にダン・ブラウン著)に似た展開をみせているわけです。
まぁ、そうやってブチブチ言いつつも、オススメであることに変わりはありません。
アンボス・ムンドス - ふたつの世界:桐野夏生
合コンとかで「週末何されてるんですか?」と聞かれた際に、言葉に詰まることが多々あるわけです。
例えば
「サーフィンしてます!」
「キャー!すごーい!」
「じゃあ今度一緒に海行きましょうよ!」
という安易だけれども鉄板な展開に持っていけるような都合の良い趣味があればどんなに素敵なことだろう!とは思うのだけれども、実際は「寝るか、飲むか、本を読む」しかしていない。
しかもそんなことをバカ正直に言ってしまった日には、合コンにおけるスタートダッシュで大幅に遅れをとってしまうことは明らかなわけです、経験則上。
ということを(東京大学物語ばりに)1.5秒ぐらいで考えて、最終的には「テニスしてます」という、嘘ではないけど、結構ギリギリなラインの回答をしているわけです。
「趣味は読書って言っても良いじゃない!」という優しい方もきっといらっしゃることでしょう。
でもね、本って意外と読まれないらしんですよ、どうやら。
「読書」ってキーワードを発した瞬間に、相手の自分に対する興味パラメターがグングン落ちていくのが目に見えて分かる場合が多々アリ。
仮に相手が「私も本読むの好き!」と頑張って言ってくれて、そこで「マジで!どういうのが好き?」と聞き返した際に、相手が言葉に詰まることも多々アリ。
加えて、何かの縁があって本を貸すことになったとしても、50%は返って来ない、25%は読まれずに返ってくる、25%は読まれるけど3ヵ月後に返ってきて、感想を聞いてみると「憶えていないけど面白かった」と言われること山の如し。
そういうことがごくごく当たり前のように発生するわけで、俺統計的な見地から「自分が思っているほど周りは本を読んでいない」という結論が導出されるわけです。
(Q.E.D)
そんな中、ものすごい読書好きな人を見つけましてですね。
これがドン引きするぐらいの本好き。
こっちから「週末は何をやってるんですか?」と質問したところ、堂々と「引き篭もってます」と言われ、「引き篭もって何をやっているんですか?」と紐解き始めると、これまた堂々と「読書」と即答。
おいおい、すげーな。
俺のあの読書に対するあの引け目みたいなの、何だったのさ。
そういうこともあって、先日、酒を飲みながら読書トーク。
読書の話だけで軽く2時間は続いたわけなんですが、今こうやって思い出してみると、傍から見てると反吐が出そうな内容だったと思われますので、何を話したか割愛させて頂きます。
ただ、一つだけ言わせて頂くとですね、以前、当拙ブログで恩田陸やら伊坂幸太郎をピーマンで表現したことがありましたが、その人との会話でこの表現をそのまんま伝えてみたわけです。
すると「だったらそのピーマンに青汁とゴーヤーを足したような作家がいるよ」と言われてましてですね、そういうスッタモンダを経て、この桐野夏生のアンボス・ムンドスを読むことになったわけです。
以上、前置き。
長々とすいませんでした。
で、この作品の内容はと言うとですね・・・うん、ピーマン+青汁+ゴーヤーというのは満更間違ってもいない。
人間のエグくて、ドロドロしてて、思わず目を背けたくなるような内容を、これでもか!と生々しく描写してくるあたりが「もうホント勘弁して!」の世界だったりするわけです。
読み終わったあとに、思わず「怖い怖い!」と呟いていましたからね。
部屋の中で一人なのに。
誰も聞いてくれる人いないのに。
まぁ、そういうわけで、色々な意味で桐野夏生は個人的にはかなりの衝撃だったわけで、とりあえず興奮冷めやらぬままその人に電話。
本の感想を言い合う中で、二人で確認し合った桐野夏生とは:
「人間という一見キレイな生き物を解剖して、グロテスクな内臓を目の前に突きつけてくる」
だとか
「怖くて気持ち悪いと分かっているのに、ついつい入ってしまうお化け屋敷」
だとか
「鳥居みゆき」
だとか。
まぁ、そういう作品だということです。
最後の例えはかなり分かりづらいとは思いますが、一度読んで頂ければなんとなく分かって頂けると思います。
分からなかったら、それはボクのアレがナニだったということにしておいてください。
ただ、総じて言うとですね・・・正直、これ、あんまりオススメしません。
というか、面白いんです。
面白いのだけれども、一般受けしないであろうこと山の如し。
もし万が一読まれる場合には、覚悟を持って読むか、もしくは何か箸休め的な軽い小説をもう一冊用意しておくことをオススメします。
そんな感じで。
全然引け目感じることないですよ。
私的にはサーフィンより読書が良いなぁ。
海には一緒に行けないけど本屋さんなら行けるし(笑)
考えれば考えるほど鳥居みゆきは良い例えだと思っています。
もし興味があれば桐野夏生、是非。
>kaedeさん
まぁ、そういう人が見つかれば良いんですけどね・・・。
でもデートで本屋行って、そのあと二人で黙々と本を読むってのも確かに良いですね、というか憧れる・・・。
そんな良い意味でちょっと根暗な女性募集中。