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ブログ的なアレです。

Lost In Translation

2004年12月05日 | なんとなくアレなやつ
最近めっきり寒くなりましたな。
焼き芋がおいしい季節になりましたな。
早速3本で1000円という破格の値段で買い、弟と二人で食べたけど、二人で1本が限界。残りの2本は明日へと持ち込み。

(ほくほくです)

さて、熱々の焼き芋を食べながら見ました、Lost In Translation
監督はSofia Coppola。Francis Ford Coppolaの娘。Francis Ford Coppolaと言えば「The Godfather」や「地獄の黙示録」。どちらも最高におもしろい映画ですね。



さて、肝心のLost In Translationですが、なかなかおもしろかった。
まずはBILL MURRAY。ゴーストバスターズに出てたおっちゃん。

(良い感じの中年おじさん)



あとはSCARLETT YOHANSSON。今までこの人知らなかったんだけど、劇中でもの凄く光ってて惚れました。かなり良い味だしてました。

(結構好き)



ストーリーはというと、人生に行き詰った男と女が日本で出会うというもの。

テーマは題名の通り。
Translation(変化、変換)の中で彷徨う。
今までとは異なる環境に馴染めない人たちが、どういう苦悩に直面しているかというもの。

慣れない日本という環境、異国で言葉が通じないもどかしさ、通訳もどうしようもなくへぼい。
一流映画俳優からCM出演しか出来ないという人生の挫折、そこらのへぼカメラマンからアホみたいな指示をされているみじめな自分、Matthew's Best Hit TVなんぞに出なくちゃいけない自分(個人的にはこの番組かなり好きですが)。
YALE大学で哲学を専攻したのに今は何の目的も持たない主婦であること、家族から相手にされなくなる寂しさ、頭の悪いアメリカ人と一緒にご飯を食べている自分。

こういった誰しもが体験するであろう人生の停滞期にぶつかった二人の感情をもろにそのまま描いた映画だったと思う。
良いとも悪いとも言わない。誇張もしないし、隠しもしない。ありのまま。



一方で注目すべきは、舞台が日本だということ。
パチンコ、エレベータに乗った無表情のおっさんたち、うるさい選挙カー、タクシーの乗車拒否、汚らしい日本の繁華街。思わず日本人でも目を覆いたくなる現実的な日本。
しかし、こんな恥ずかしい部分が多く描かれているかと思いきや、京都の情緒深い景色なども描かれている。

さっきの二人が「ありのまま」に描かれていたように、「ありのままの日本」を描いているだけ。その「ありのままの日本」を経験すること、今まで接した事がなかった環境に接することにより、二人は今までなかった自分を経験することになる。
そこで「自分の人生は何なんだろうか?」「これから自分はどうなるのだろうか?」
そんな人生に対する疑問や不安が募る事になる。

実際に、劇中に出てくる外人「ジョン」や「ケリー」は、「おたくカメラマン」と「アホ女優」という描写をされている。明らかにアメリカ文化を馬鹿にしている。
大半のアメリカ人は外国に行った事もないし、パスポートも持っていないという。日本がどこにあるか分からない人も多いし、イラクに派遣されて始めてイラクがどこにあるかを知ったという米兵もいたという。

そんな「アメリカ」という殻から抜け出した二人が見た異文化。その中で発見した自分の新たな人生観。その人生観に対する疑問や不安。自分はこれからどうなるのか?
それを良いとも悪いとも言わずに、ただただそのまま描写する。そんな映画だったと思う。

とても良い映画でした。本当にお勧めなので、機会があれば是非。
コメント
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