けんけんブログ -guide diary-

国際山岳ガイド近藤謙司の冒険案内記!
“ハイキングからチョモランマまで”

BC最終日です。

2008-10-09 04:01:39 | マナスル08
けんけん@最後のBCです。

今日は、午前中に少し晴れ間が出ましたが、その後はずっと雪。
昨日のうちにAG隊スタッフ&隊員全員がBCに戻ってきて
本当に良かったとしみじみ思います。

ベースキャンプは、各登山隊の撤収ラッシュで、ほとんどの隊が下山しました。
今日も雪の中をサマ村から来たポーターたちが荷物を担いで降りて行きます。
各隊のキャンプサイトのテントが張られていた場所だけ雪が積もっていないので、
そのテント跡がまるで住宅分譲地の空き地みたいになっています。
そこに、プジャの祭壇とタルチョだけが取り残されて…ちょっと寂しい感じです。
写真は、すぐお隣のスペイン隊の荷下げに来たポーターたちです。
そんな景色を眺めては手が止まり、ボ~っとしてしまいます。
ネパールスタッフたちは、精力的にどんどんと隊の荷物を整理して
パッキングしていくのに、自分の荷物は一向に片付きません。

隊員のオヤジ殿たちはどうかなぁ?パッキングの進み具合も
いろんな想いがつまったカレーオヤジたちの顔色や体調やメンタルも気になります。

小学校の国語の教科書でマナスル登山隊の話を読んだ記憶があります。
日本人の私達にとってマナスルという山はエベレストよりも特別なのかもしれません。
特にそのマナスル登頂で盛り上がった時代を知っているカレーオヤジたちにはね!

25隊200人を越えるであろう登山者たちが集った2008年秋のマナスル。
1ヶ月を越える滞在中に、その頂に立つ事を許してくれた日は、たったの4日間。
C1も建設できずに撤退した隊もあったり、実は仲間を亡くした隊もありました。

まだまだ、頑張って活動している人たちもいますが、山頂に立てた人は50人もいない。
25%の登頂確立のこの山でAGカレーオヤジは、よく頑張ったと思います。

組織力や若いパワーをもった登山チーム、登山暦の凄い猛者たちが成しえなかった事を
カレーオヤジたちが達成してしまったという事実って何だろう?
それってマナスルへの特別な思い入れと、60年以上生きてきた人間の“生きる力”が、
オヤジたちを山頂に導き、BCに無事に帰って来させたんじゃないかなぁ~なんて思う。

でもね…、

“登れた人、登れなかった人、…そこに勝者も敗者もいません。”
“マナスルに向かった勇者がいるだけです。”

これね、湘南爺のつぶやきからパクリました。(笑)
なるほどね。どの人にも良い風が吹いて欲しいです。

…つーか、そんな事思ってないで、パッキングしなきゃ!

雪は、今もまだまだ降り続いています。
マナスルは、登山シーズンが終わり、これから厳しい冬がやってくるんでしょうね。

明日は、サマ村に皆で下山します。
みなさん、本当に本当に応援ありがとうございました。
昨夜の乾杯の瞬間×3枚貼り付け!みんな凄い顔!
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