けんけんブログ -guide diary-

国際山岳ガイド近藤謙司の冒険案内記!
“ハイキングからチョモランマまで”

日本に帰ってきました。

2006-10-17 11:11:50 | シシャパンマ
けんけんです。しばらくぶりの日本は涼しいですね。

昨日は、事務所に出社。これまた久しぶりに飯田橋ヒューストンの
面々とも再会しましたし、午後には大蔵さんが帰ってきました。

PCが“ある事情”により大蔵さんに日本に持って帰ってきてもらったので、
ブログのアップがすぐに出来ませんでしたが、
お待たせ、ひそかからのコメントをアップします。

ディディ、ひそかです!
応援してくださった皆様、本当にありがとうございました。
そして、飯田橋ヒューストンのスタッフの皆様ありがとうございました。

今回はじめての8000m、に大胆にも滑走で挑戦した訳ですが
残念ながら自然の力にはなすすべもなくC3で撤退となりました。
しかし、私には今回の遠征の全てがとてもいい経験となりました。
サミットまでわずか残り600mを残しての撤退は、最初私には理解できない・・・というかどう消化したらいいのか・・・という感じで、
まさに言葉が見つかりませんでした。

天気が崩れ、残りの日数が少なくなる中強行して進めた山行は
決して楽ではありませんでした。
特にシェルパ達の強さとサポートには感動しました。
そのシェルパの負担を少しでも軽減するために私自身も板を担いだり、
限られた酸素は優先的に必要なメンバーに回るようにしたり、
そして滑走で下りたあとの最終下山地の距離もABCまでと伸ばしたりしました。

滑走している大きく美しい雪山、
疲れた身体に板を担いで超えるブルーのセラック、
綺麗な光を放つ月の明かりの下ABCに向かうモレーン、
どれも私の消化できなかった感情を和らげてくれました。
今回いろいろな国からやってきた登山隊のほぼ全部が撤退していくという
厳しい状況の中で私たちはよく頑張ったと思います。
そして、これが次への挑戦の原動力になるのかもしれませんね。

最後ABCからTBCに向かう限りなく広く長いモレーンで
振り返ったシシャパンマは、とてつもなく美しくそして険しく見えた。
きっと14座の末っ子はプライドのある気まぐれな山ゆえに魅力的なのね!
と思いました。またいつか来たいなぁ。
ディディ。

photo:C1からの大氷河を滑降するひそか。
    1~2ターンで、息が切れて座り込む苦しさが続きました。