ギリシャ・ローマとユダヤ・キリスト教
ヨーロッパの、そして世界の経済史を考える上では重要な一冊だ。マルクスは世界の経済組織体を歴史的に、主に生産関係から考察して、アジア的、古典的、ゲルマン的と分類した。これに対してウェーバーはヨーロッパだけについて次のような一つの共通の変遷形式があったと考える。
農民共同組織 → 城塞王政 →貴族制ポリス→重装歩兵ポリス→民主制市民ポリス
→官僚制を備え都市王政→君主制ライトゥルキー国家
この違いを、宗教および社会的な背景からさまざまに考察する書物である。マルクスとは違う視点であり、訳者が指摘しているように、経済史を考える際に利用できる二つの構図の一つである。