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一身二生 「65年の人生と、これからの20年の人生をべつの形で生きてみたい。」

「一身にして二生を経るが如く、一人にして両身あるが如し」

堀田善衛

2017年10月22日 | 文学者
1948年に処女作である連作小説『祖国喪失』の第1章「波の下」を発表、戦後の作家生活を始める。1950年10月23日に品川駅でかっぱらいをして逮捕されたと報じられたが、『高見順日記』によると、酔った上でのいたずらだったらしい。 1951年に「中央公論」に話題作「広場の孤独」を発表、同作で当年度下半期の芥川賞受賞。また、同時期に発表した短編小説「漢奸」(「文学界」1951年9月)も受賞作の対象となっていた。

1953年に国共内戦期の中国を舞台にした長編小説『歴史』を新潮社から刊行。1955年に「南京事件」をテーマとした長編小説『時間』を新潮社から刊行。

1956年、アジア作家会議に出席のためにインドを訪問、この経験を岩波新書の『インドで考えたこと』にまとめる。これ以後、諸外国をしばしば訪問し、日本文学の国際的な知名度を高めるために活躍した。また、その中での体験に基づいた作品も多く発表し、欧米中心主義とは異なる国際的な視野を持つ文学者として知られるようになった。この間、1959年にはアジア・アフリカ作家会議日本評議会の事務局長に就任。モスクワでパキスタンの詩人ファイズ・アハマド・ファイズと知り合ったのは1960年代である。ジャン=ポール・サルトルとも親交があった。日本評議会が中ソ対立の影響で瓦解したあと、1974年に結成された日本アジア・アフリカ作家会議でも初代の事務局長を務めた。また、「ベ平連」の発足の呼びかけ人でもあり、脱走米兵を自宅に匿ったこともあった。マルクス主義には賛同せず日本共産党などの党派左翼でもなかったが、政治的には戦後日本を代表する進歩派知識人であった。

1977年の『ゴヤ』完結後、スペインに居を構え、以後はスペインと日本とを往復する。スペインやヨーロッパに関する著作がこの時期には多い。また、1980年代後半からは、社会に関するエッセイである〈同時代評〉のシリーズを開始。同シリーズの執筆は堀田の死まで続けられ、没後に『天上大風』として1冊にまとめられた。

1998年、脳梗塞のため死去。

編集

1952年 - 第26回芥川龍之介賞(『広場の孤独』)
1971年 - 毎日出版文化賞(『方丈記私記』)
1977年 - 大佛次郎賞(『ゴヤ』)、ロータス賞(『ゴヤ』)
1994年 - 和辻哲郎文化賞(『ミシェル城館の人』全3巻)
1995年 - 1994年度朝日賞
1998年 - 日本芸術院賞(第二部(文芸)/評論・翻訳)

岸上大作

2017年07月08日 | 文学者

岸上 大作(きしがみ だいさく、1939年(昭和14年)10月21日 - 1960年(昭和35年)12月5日)は、日本の歌人兵庫県神崎郡田原村井ノ口(現・福崎町西田原)出身。

戦病死で父親(岸上繁一)をなくした後、貧困な母子家庭に育つ(母はまさゑ)。長男。中学時代に社会主義に興味を持つ。兵庫県立福崎高等学校に入学して、文芸部に入部。俳句小説ドラマなどを書くが、歌誌「まひる野」に入会して短歌のみを志すこととなる。國學院大學文学部に入学し、安保闘争に身を投じて負傷。1960年の秋、安保闘争のデモの渦中に身を投じた経験と恋とをうたった「意志表示」で第3回短歌研究新人賞推薦次席。安保世代の学生歌人として「東の岸上大作、西の清原日出夫」と謳われた。同年12月、失恋を理由として自殺。死の寸前まで書かれた絶筆「ぼくのためのノート」がある。著書は作品集・白玉書房刊「意志表示」(1960年)、日記・大和書房刊、「もうひとつの意志表示」(1973年)など。

現在、兵庫県の姫路文学館に展示ブースが設置されており、「意志表示」などの直筆作品を見ることが出来る。


塚本邦雄

2017年07月07日 | 文学者

塚本 邦雄(つかもと くにお、1920年8月7日 - 2005年6月9日)は、日本歌人詩人評論家小説家

寺山修司岡井隆とともに「前衛短歌の三雄」と称され、独自の絢爛な語彙とイメージを駆使した旺盛な創作を成した。若い頃の別名に碧川瞬、火原翔(この二つは、日本現代詩歌文学館にて確認 )、菱川紳士( 士 は省かれる場合もある )等があり、晩年の教授時代の学生たちとの歌会では鴻池黙示を好んで使った。それでも、著書目録にある単行本や文庫本には、これらの著者名で出版されたものはない。 長男は作家塚本靑史


平野啓一郎 「生命力」の行方――変わりゆく世界と分人主義

2016年10月05日 | 文学者

今、何が起こっているのか? 私たちはこれからどこへ向かうのか?
複雑化する現代社会で「生きづらさ」を抱える人々に、新しい人間観「分人主義」を提示して大きな反響を集めた作家・平野啓一郎。本書は著者が、同時代の政治経済社会から文学・アート・エンタテインメントまで、多様な現実の事象と向き合って生まれた思考の軌跡としての評論・エッセイ、および各ジャンルの第一人者との対話をあわせて収録する、7年ぶりのエッセイ&対談集です。いわば平野自身による「分人主義」実践篇として、様々な場面で、様々な視点で、様々な智者と共に「今」を考え、未来へのヒントを提供する、待望の一冊。

【エッセイ】=アバター、AKB、キャプテン翼、「英霊」、震災、監視社会、グローバリズム、格差、携帯メール、電子書籍、スノーデン情報、パリのラーメン、熟年離婚、ジャレド・ダイアモンド、マイケル・ジャクソン、ファスト・ファッション、ゴミ御殿、森村泰昌、森山大道、深澤直人、横尾忠則、三島由紀夫、田中慎弥…ほか

【対談者】=大澤真幸(社会学者)、亀山郁夫(ロシア文学者)、高橋源一郎(作家)、田中裕介(英文学者)、中島岳志(政治学者)、古井由吉(作家)、三浦雅士(文芸評論家)、森達也(作家・映画監督)

今、自分らしく幸福に生きるとはどういうことか?分人主義・実践篇!平野啓一郎エッセイ&対談集。社会・メディアから文学・アート・エンタテインメントまで、多様化する現実と向きあい、各界の第一人者に挑んだ思考の冒険!


吉本隆明 CD

2016年09月29日 | 文学者
001   高村光太郎について──鴎外をめぐる人々
002   実朝論
003   宗教としての天皇制
004   宗教と自立
005   南島論
006   鴎外と漱石
007   太宰治と森鴎外──文芸雑話
008   喩としての聖書──マルコ伝
009   良寛詩の思想
010   シモーヌ・ヴェーユの意味
011   〈アジア的〉ということ
012   「生きること」について
013   ドストエフスキーのアジア
014   ポーランド問題とは何か
015   『源氏物語』と現代──作者の無意識
016   小林秀雄と古典
017   親鸞の声について
018   経済の記述と立場──スミス・リカード・マルクス
019   古い日本語のむずかしさ
020   「現在」ということ
021   心的現象論をめぐって
022   「受け身」の精神病理について
023   イメージ論
024   柳田国男の周辺──共同幻想の時間と空間
025   都市論II──日本人はどこから来たか
026   農村の終焉
027   日本経済を考える
028   親鸞の還相について
029   異常の分散──母の物語
030   高次産業社会の構図
031   渦巻ける漱石──『吾輩は猫である』『夢十夜』『それから』
032   都市論としての福岡
033   いまの社会と言葉
034   資質をめぐる漱石──『こころ』『道草』『明暗』
035   農業から見た現在
036   像としての都市
037   言葉以前の心について
038   宮沢賢治
039   青春としての漱石──『坊っちゃん』『虞美人草』『三四郎』
040   不安な漱石──『門』『彼岸過迄』『行人』
041   現代に生きる親鸞
042   太宰治
043   芥川龍之介
044   生命について
045   ヘーゲルについて
046   フーコーについて
047   文学の戦後と現在──三島由紀夫から村上春樹、村上龍まで
048   親鸞の造悪論
049   苦難を超える──『ヨブ記』をめぐって
050   中原中也・立原道造──自然と恋愛
Bonus Track 1   幻想としての国家
Bonus Track 2   共同幻想論のゆくえ

小林秀雄講演CD

2016年09月27日 | 文学者

第1巻 文学の雑感
第2巻 信ずることと考えること
第3巻 本居宣長
第4巻 現代思想について
第5巻 随想二題
第6巻 音楽について
第7巻 ゴッホについて/正宗白鳥の精神
第8巻 宣長の学問/勾玉のかたち

 

  • 第一巻 文学の雑感

    CD2枚組/約133分/1970年収録
    「常に時代を風靡しているのは迷信です。僕らも迷信の中にいるんです。」

    CD1
      1タバコをやめた話  2 クスリについて  3 山桜の美しさ
      4 大和魂は女コトバ  5 文章について  6 歴史と人生

    CD2
      1 日本の神  2 審美眼  3 物のあわれを知ること
      4 自己を見つめる  5 大和心の意味  6 天皇のこと
      7 無私を得る道  8 ”科学する心”

  • 第二巻 信ずることと考える事

    CD2枚組/約118分/1974年収録
    「魂はあるかないか―、あるにきまっているじゃないですか。」

    CD1
      1 ユリ・ゲラーの念力  2 ベルグソンの哲学  3 近代科学の方法
      4 魂について  5 文学者・柳田国男

    CD2
      1 信じることと知ること  2 なぜ徒党を組むのか  3 質問の仕方
      4 「考える」ということ  5 日本の神道  6 親と子
      7 歴史は鏡  8 感受性は育つ

  • 第三巻 本居宣長

    CD2枚組/約122分/1978年収録
    「『わかる』ということと『苦労する』ということは同じ意味なんです。」
     
    CD1
      1 『本居宣長』を刊行するまで  2 哲学者の文章
      3 宣長は一人  4 プラトンの『パイドロス』
      5 ソクラテスと宣長  6 人間の知恵

    CD2
      1 学問の常識を忘れてはいないか  2 対話と自問自答
      3 経験と創作  4 理想と空想と想像力
      5 科学は万能にあらず  6 宣長に辿りつくまで

  • 第四巻 現代思想について

    CD2枚組/約143分/1961年収録
    「僕らは記憶に相談して、毎日新しいものをつくっているんですよ。」

    CD1
      1 横町の隠居  2 年には功がある  3 合理的思想のバカらしさ
      4 ユングの見た「これこそ老人」  5 精神と肉体の関係
      6 ベルグソンとフロイトの普及の名著  7 娘がワニに食われた話
      8 太陽は美しい  9 「人生」の考え方

    CD2
      1 魂は存在している  2 なぜ哲学を勉強しないのか
      3 「いつか宣長を書こうと思っている」  4 私の宗教観
      5 女遊びよりたのしい「学問」 6  教師は必ず”現れる”
      7 直覚から分析への道

  • 第五巻 随想二題ー本居宣長をめぐって

    CD2枚組/約98分/1972,77年収録
    「『もののあわれを知る』ということは、心が練れることなんです。」

    CD1
      1 宣長の学問  2 正宗白鳥の『源氏』評価
     3 『源氏』を信じ、楽しみ、愛した宣長
      4 「この世のまこと」と「歌のまこと」
      5 もののあわれとは人間の道

    CD2
      1 宣長を熟読すれば…  2 紫式部の本意
      3 もののあわれを知るとは?  4 「考える」という言葉の意味
      5 現代を毒する「実用の理」

  • 第六巻 音楽について

    CD2枚組/約144分/収録:1967年ほか
    「音楽というものは耳で聴くのじゃない、その人の精神が聴くのです。」

    CD1 弦楽器を中心に(談話11分15秒 音楽60分9秒)

    ・中学時代の思い出と名手たち
     ミッシャ・エルマン/ヤッシャ・ハイフェッツ
     フリッツ・クライスラー/ブロニスワフ・フーベルマン
    ・女性とヴァイオリン
     ジョコンダ・デ・ヴィート/エリカ・モリーニ
    ・チェロの名手
     ムスティラフ・ロストロポーヴィッチ/パブロ・カザルス
    ・聴覚空間について

    CD2 交響曲を中心に(談話23分40秒 音楽48分39秒)

    ・青春、放浪、モーツァルト/交響曲第40番ト単調KV550
    ・中学時代、シベリウスの思い出/悲しきワルツ
    ・シューベルトは器楽/交響曲第8番ロ単調「未完成」
    ・ドイツで聴いたシューマン/交響曲第1番変ロ長調「春」
    ・ブラームスで書く本居宣長/ピアノ四重奏曲第1番ト単調作品25
    ・湯煙が運んだショパン/マズルカ第25番ロ単調作品33-4
    ・バイロイト、そしてワーグナー/楽劇「神々の黄昏」より
               ジークフリートの葬送行進曲

  • 第七巻 ゴッホについて/正宗白鳥の精神

    CD2枚組/約118分/1980年収録
    「自分で考えるということは、自分の個性と戦うということです。」

    CD1
      1 小説とは  2 告白という文学  3 ゴッホの人生
      4 個性と戦う

    CD2
      1 座談会の思い出  2 白鳥のリアリズム  3 天賦の才
      4 内村鑑三と正宗白鳥

  • 第八巻 宣長の学問/勾玉のかたち

    CD2枚組/約127分/1965,67年収録
    「学問は、方法に頼るのではない、自分の力で発明するものです。」

    CD1
      1 書いてみなければわからない  2 心持ちを想像する
      3 「熟読」「精読」の意味  4 宣長は豪傑
      5 「思って得る」ということ

    CD2
      1 朝鮮人参の話  2 能率を追わない  3 勾玉の美
      4 理性の眼を生んだもの

  • 特典CD  「文化の根底を探る」

    CD1枚/約64分/1959,52年収録

    ・文化の根底を探る 聞き手:中村光夫
      1 僕は美しいものに対する経験を言葉にしてゆく
      2 文化は審美的な芸術家のフォーム
      3 日本人の芸術感覚は不思議に新しいものに現れる
      4 本居宣長は詩人でも哲学者でもある
    ・朝の訪問 聞き手:大岡昇平
      1 鎌倉の小林邸を訪問した時の録音

 

三田誠広

2016年09月15日 | 文学者

大阪府出身。私立追手門学院小学校、同中学校を卒業。大阪府立大手前高等学校岩脇正人佐々木幹郎山崎博昭らの学生運動に参加する。2年生のとき不登校となり、1年間休学し、読書と思索の日々を送っていたとき書いた小説『Mの世界』で文藝学生小説コンクール佳作入選し、18歳の誕生日を前にして文壇にデビュー。早稲田大学第一文学部演劇専修卒業後、広告プロダクションでのサラリーマン生活を経て1977年、『僕って何』で芥川賞受賞。1988年から早稲田大学で教鞭をとり、1997年2001年2005年2007年には早稲田大学文学部客員教授を務めた。その後2009年2011年武蔵野大学客員教授2011年から武蔵野大学教授

芥川賞受賞作『僕って何』は早稲田大学在学当時に経験した学生運動モチーフにした作品だが、当時本人は特定のセクトに属さずクラス単位での活動に参加。既に学生結婚しており家庭を持つ身であったためバリケードに泊まり込むことはせず「日帰り」で活動していた(『都の西北』)。また、『僕って何』という小説は、従来の「社会主義を絶対的な正義として、正義のために闘おうとしながら結局は挫折してしまう人物をセンチメンタルに描いた」生真面目な学生運動小説に対して、作品の中に絶対的な価値基準を置かず、学生運動自体に批判的な視点をもっており(本人ホームページ)、ユーモアと恋愛小説風の軽やかな筆致で、学生運動を客観的・通俗的に描いたため、その新しさが評価された一方で、政治的には左右の一部から批判の的とされた。

芥川賞受賞以来「団塊世代の旗手」と称されることも多く、それに呼応するように「ニューファミリー世代」「団塊世代」としての家族のあり方をテーマに随筆・小説を多く手がけている。『僕の赤ちゃんたち』『トマトケチャップの青春』『パパは塾長さん』『息子の教育』『父親学入門』『ぼくのリビングルーム』など、家族の関わりの中でも子育て教育に関する著作が多かったが、近年では『団塊老人』『団塊-再生世代の底力』『夫婦って何? おふたり様の老後』など団塊世代老後の生き方への提言・指南を多く著している。

2009年に上梓した『新釈罪と罰』の「あとがき」では、「僕はドストエフスキーを読むことで小説の魅力に触れ、小説家の人生を始めることになった」と述べている。初の新聞連載『龍をみたか』は、『白痴』のパロディー化ということを意識して書いたと述べている。

また、キリスト教仏教への造詣が深く、『地に火を放つ者/双児のトマスによる第五の福音』『迷宮のラビア』『釈迦と維摩/小説維摩経』『空海』『日蓮』といった深遠な宗教小説が近年を代表する創作である。

さらに、『聖書の謎を解く』『般若心経の謎を解く』『謎の空海』『はじめての宗教 キリストと釈迦』などの入門書・エッセーも旺盛に執筆している。本人のホームページによると、ライフワークとしての小説作品とその「解説書」を並行して次々に発表する「すごいパラノイア的構想」によると述べており、「21世紀はパラノイアの時代だ」としている。

中学までは理系志向であったというが、自然科学分野の本格的な著作も多く、相対性理論宇宙論についての解説書を多々手がけている。宗教をさらに拡大した「宇宙論」こそ、自らの「究極のライフワークである」としており、小説『デイドリーム・ビリーバー』はその系譜にある大作といえよう。また2003年小惑星11921がMitamasahiroと命名される。

他にも、青春小説、小説入門、女帝武将といった歴史上の為政者などを主人公とする歴史小説など、幅広く執筆している。

2007年頃から著作権ロビーにも尽力しており、著作権保護期間の延長を訴えている。その一方で『星の王子さま』の翻訳出版権が2005年1月に消失すると2006年11月には講談社から『星の王子さま』を訳出している。

なお、実家は一世を風靡した「コピーの三田」で知られた三田工業(現京セラドキュメントソリューションズ)を経営していた。実家の住まいは会社の近辺であった。長男はピアニスト三田貴広。女優の三田和代は実姉。実兄は三田工業元社長の三田順啓

宮本輝夫人とは幼馴染(『龍をみたか』文庫版での平岡篤頼との対談)


津島 佑子

2014年08月30日 | 文学者

津島 佑子(1947年3月30日 - )は、東京都北多摩郡三鷹町(現・東京都三鷹市)生まれの日本小説家。本名は津島里子(つしま さとこ)。

作品は英語ドイツ語イタリア語フランス語オランダ語アラビア語中国語翻訳され、国際的に評価が高い。

読売文学賞野間文芸賞伊藤整文学賞川端康成文学賞朝日賞選考委員。

  • 1976年 - 『葎の母』 第16回田村俊子賞
  • 1977年 - 『草の臥所』 第5回泉鏡花文学賞
  • 1978年 - 『寵児』 第17回女流文学賞
  • 1979年 - 『光の領分』 第1回野間文芸新人賞
  • 1983年 - 「黙市」 第10回川端康成文学賞
  • 1987年 - 『夜の光に追われて』 第38回読売文学賞
  • 1988年 - 『真昼へ』 第17回平林たい子文学賞
  • 1995年 - 『風よ、空駆ける風よ』 第6回伊藤整文学賞
  • 1998年 - 『火の山―山猿記』 第34回谷崎潤一郎賞、第51回野間文芸賞
  • 2001年 - 『笑いオオカミ』 第28回大佛次郎賞
  • 2005年 - 『ナラ・レポート』 平成16年度芸術選奨文部科学大臣賞、第15回紫式部文学賞
  • 2012年 - 『黄金の夢の歌』 第53回毎日芸術賞
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    藤井 貞和

    2014年08月29日 | 文学者
    藤井 貞和(1942年4月27日 - )は詩人、日本文学者。東京大学名誉教授博士文学)(東京大学、1992年)。東京生まれ。

    父は折口信夫門下の国文学者で國學院大學名誉教授の藤井貞文。姉は歌人藤井常世。1972年、『源氏物語の始原と現在』で注目される。2001年、『源氏物語論』で角川源義賞受賞。詩人として、1999年『「静かの海」石、その韻き』で第40回晩翠賞受賞、2002年『ことばのつえ、ことばのつえ』で藤村記念歴程賞高見順賞受賞。2006年、『神の子犬』で現代詩花椿賞現代詩人賞を受賞。2007年『甦る詩学』で伊波普猷賞、2008年『言葉と戦争』で日本詩人クラブ詩界賞受賞。2012年『春楡の木』で第3回鮎川信夫賞芸術選奨文部科学大臣賞受賞。

    1991年、湾岸戦争の際の『鳩よ!』の戦争詩特集を批判した瀬尾育生と論争をおこなった。

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    短歌賞 「一匙の海」柳澤美晴さん

    2014年08月16日 | 文学者

    厳しく律する心胸に

    「浅井健一のように、シンプルに自分が面白いと思える歌を作っていきたい」と話す柳澤美晴さん

    「浅井健一のように、シンプルに自分が面白いと思える歌を作っていきたい」と話す柳澤美晴さん

     「斎藤茂吉も塚本邦雄も31歳で歌集を出したとハッパを掛けられ、頑張った。本賞はベテランのものと思っていたので本当に驚きました」。歌歴11年。「未来短歌会」で岡井隆さんや加藤治郎さんに学び、2006年に連作「モノローグ」で未来賞、08年に同「硝子(がらす)のモビール」で歌壇賞を受賞。清新な叙情と卓抜な修辞で注目される若手だ。

     旭川市出身で、上川管内下川町の小学校で養護教諭を務めている。道教大在学中、講義で和歌の修辞の面白さに開眼し、好きな作家らが勧めていた塚本や春日井建を入り口に前衛短歌に触れた。ネットで知った短歌雑誌の企画への出詠を機に、札幌の日下淳さんの勉強会に参加。日下さんの勧めで「未来短歌会」に入り、研さんを積んできた。

     足取りは今風かつ順調に見えるが、「当初は臨時採用で道内を転々とした上、恋人もなく、短歌も半端で、展望がなかった。前衛とは厳しく自分を律する心。それなのに『実力を出してないだけ』と逃げていた」と言う。

     自分が本当に詠(うた)うべきことは何か。言葉遊びをやめ、避けていた職場詠や家族詠にも挑んだ。受賞作は、短歌への覚悟やみずみずしい相聞に、保健室から見た学校現場の痛み、父との葛藤が交じり、多面的な魅力を放つ。

     歌仲間で北大博士研究員の北辻千展(ちひろ)さん(塔短歌会)と昨年結婚。樋口智子さん、山田航さんら道内の新世代の歌人と「アークの会」を結成し、切磋琢磨(せっさたくま)する。「おとなしいが、根はアナーキー」と自己分析。ロックバンド「ブランキー・ジェット・シティ」の浅井健一さんの大ファンで、「ロックは反骨。塚本に通じると思うんです」と熱く語る。
    「一匙の海」抄
    定型は無人島かな 生き残りたくばみずから森を拓(ひら)けと
    日々とは循環小数にしてうみにふるあわゆきのごとくきみとであわず
    浅井健一に習作期なし炎天の獣舎に厚き氷を運ぶ
    心臓が硝子の箱におさまっている感覚が消えない ずっと
    前略と書きだす手紙 略すのは主に恋愛のことです父よ

    柳澤 美晴(やなぎさわ みはる、1978年12月31日 - )は、歌人北海道旭川市出身。夫は、「」短歌会所属の歌人・北辻千展

    北海道教育大学旭川校卒業。「学校で児童がほっとできる場をつくりたい」と養護教諭を志し、臨時採用の養護教諭として札幌小樽苫前などを転々とする。その後 本採用となり、小学校の養護教諭として勤務。

    大学在学中に和歌の講義に熱中し、大学4年生で作歌を始める。 2001年未来短歌会に入会。岡井隆加藤治郎に師事。 2006年に作品「モノローグ」で未来賞を受賞。同年、作品「WATERFALL」で49回短歌研究新人賞次席入選。 2008年に作品「硝子モビール」で第19回歌壇賞受賞。 第一歌集『一匙(ひとさじ)の海』で2011年に第12回現代短歌新人賞および第26回北海道新聞短歌賞(当時最年少受賞)を、2012年に第56回現代歌人協会賞をそれぞれ受賞。

    樋口智子山田航らとともに、同人誌『アークレポート』を発行している札幌の短歌勉強会「アークの会」の主要メンバーの一人。


    高橋 睦郎

    2014年08月11日 | 文学者

    高橋 睦郎(たかはし むつお、1937年12月15日 - )は、日本の詩人である。

    福岡県北九州市生まれ。貧しい母子家庭に育ち、新聞配達と奨学金で福岡県立門司東高等学校に学ぶ。高卒後は就職を希望していたが母子家庭ゆえに就職試験で落とされ、家庭教師のアルバイトをしつつ福岡教育大学教育学部国語科に学ぶ。在学中、処女詩集『ミノ・あたしの雄牛』を自費出版。また、『現代詩手帖』に作品を投稿し、採用される。卒業半年前に肺結核と診断され、生活保護を受けて結核療養所に入り、2年間の療養生活を送る。1961年に快癒して療養所を出たが、結核歴のために教員への道を閉ざされ、大学卒業後、1962年上京し、日本デザインセンターにアルバイトで雇われ、1966年にはサン・アドに移る。以後、40歳代半ばまでコピーライターとして広告会社に勤務。

    詩のみならず、俳句短歌オペラ新作能などの分野で精力的に芸術活動を続ける。詩の朗読でも知られる。また古典文学に関心が深く、ギリシャ悲劇王女メディア」「オイディプス王」の蜷川幸雄による上演の台本を作成した。

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    作家の書斎

    2014年02月27日 | 文学者

    ヴェイユが言うように、注意深くあること、そして、傷ついている人に「どこが苦しいのですか」と聞いてあげる勇気を持つことが、一番基本的な人間らしさだとすると、人間が回復する力を持つことと、自分の中の、あるものを表現していくことが重なり合って、しだいに、一人の人間らしさが創り上げられていくのだ、と私は考えるようになりました。

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    木下順二「本郷」

    2013年12月30日 | 文学者

    鴎外、漱石をはじめ本郷に住んだ文人たちや伯父佐々醒雪、父母のこと、個人的な体験など、本郷を中軸に据え、そこにかかわる様々を語りながら時代を生き生きと甦らせ、半生を映し出して行く。私が本郷を所有するのか、本郷が私を組み込むのか本郷に染着する文化を見事に描ききる『夕鶴』の作者の限りなき本郷愛着の記。

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