東京の繁華街、銀座に生まれ育った母親は
毎晩のように夜の銀座を一家で歩いていました
「銀ぶら」と云われていたようです
… … …
母親が元気なときに一度、車で
銀座四丁目を通ったことがありました
幼い頃、近所の友達と数寄屋橋を渡って
日比谷公園の方に遊びに行ったとか…
母親は懐かしそうに目を細めて
車窓から眺めていました
東京は、大空襲で焼け野原となって
戦後の復興で、昔の通り道を付け替えたり
堀を埋め立てで風景が一変して、しまったことでしょう
東京は首都の宿命で、地方からの田舎者によって
東京のイメージをずたずたにされて
東京を故郷にしている人にはまことに気の毒です
その点、京都が故郷の私には
いまも、下鴨のあちこちを歩くと
幼かった頃の景色がなんとなく残っています