集団的自衛権の閣議決定の評価は、アメリカでも分かれているようだ。
( 7月2日朝日新聞夕刊より )
ニューヨーク・タイムズ電子版
「 日本は重要な一歩を踏み出した。長い平和主義国家では想像もできなかった大規模で高度な
軍事力が使えるようになる。 」
専門家のコメントを紹介・・・「 日本の安全保障のルネサンス。注目すべきはほとんど議論を
呼ばずに平和憲法の解釈を変えたことだ 」
CNN電子版
「 日本の平和主義の終焉 ( しゅうえん ) 。東アジア関係を悪化させる恐れがある 」
日本でも新聞社により評価が異なるが、アメリカでこんなにかけ離れているとは驚いた。
ニューヨーク・タイムズの、次の言葉が気になる。
「 ほとんど議論を呼ばずに 」・・・正確には、「 ほとんどの議論を封じ込めて」 に
訂正して欲しい。
それにしても、アメリカの日本への期待度はすごいものがある。
日本の方から、アメリカの軍事の一部を肩代わりすると言って来たのだから、
アメリカにとっては渡りに船なのだろう。
だが、アメリカの期待に添えなかったとしたら、日本とアメリカの関係とは
今より悪くなるのではないだろうか。
アメリカは契約社会だ。一度決めてしまえば、日本は重い責任を負うことになる。
こんな筈ではなかったという言い訳も、後戻りすることも許されないだろう。
それと、いくら日本で 「 限定的 」 とか 「 最小限 」 とかを付記しても、
いざと言う時にアメリカと対等に交渉できるのだろうか。
今までは 「 憲法9条 」 が盾になってくれて 「 NO 」 と言えたことも、
これからはますます 「 NO 」 と言えなくなるのではないだろうか。
日本はアメリカとの関係を、より対等な関係に近づけたいという思いから
発したであろうことが、かえってアメリカが日本を、より支配する関係に変わって
いくのではないかという懸念を抱く。
( 2014年7月3日 記 )