今日のうた

思いつくままに書いています

みらいめがね  それでは息がつまるので

2019-07-03 17:34:02 | ⑤エッセーと物語
荻上チキ・ヨシタケシンスケ共著『みらいめがね』を読む。
チキさんは、ラジオ番組「Session-22」のメイン・キャラクターである。
私は寝る前に、この番組を聴いている。
どんな話題でも取り上げ、それに応えるチキさんはすごい。
番組の中でもプライベートなお話をされることがあるが、
この本を読んで更なるチキさんを知ることができた。
病気のことも家族とのことも、子供の頃にいじめに遭ったことも書いている。
「人生病」を患う一人として、「そのままでいいんだよ」という
エールをもらい、梅雨空が吹き飛んだような爽快な気分になった。
この本を小学校、中学校、高校、大学の図書館、公立図書館などに
備えて欲しい。
そうすることで、どれだけ多くの人たちが救われるか分からない。

私の子どもが小学校の時に言った言葉を、今も覚えている。
「お母さんはどうして、『大草原の小さな家』のお母さんや、
 やっちゃんのお母さんのような、フツーのお母さんになれないの?」
そう、私はフツーのお母さんになれないのです。
そもそもフツーがよく解らないのです。

私の母は強かった。長女である私を、自分の思い通りにしようとした。
長患いの母に向かって、私は言いたいことが言えなかった。
身近な人に言いたいことが言えるようになり、自立できたのは4、5年前。
高齢者になってからだ。65歳にして立つ!

日本映画界のレジェンドと言われている女優Yが、
朝日新聞のインタビューに答えていた。
「私は理想の女性しか演じられない。だからいつまで経っても
 アマチュアなのかしらね。
 それに理想のお母さんになる自信がなかったから、
 子どもを持たなかった。」(引用ここまで)

今日もどれだけ多くのお母さんが子どものことを考え、悩み、
苦しんでいることだろう。
「理想のお母さんになる自信」、そんなことを考えてお母さんになった人が
はたしてどれだけいるだろう。
「理想の女性」、「理想のお母さん」、これらは女優Yにとって、
自分を美化するための道具に過ぎないのではないだろうか。
これらの言葉をとても傲慢に感じるのは、私だけだろうか。

(他の新聞社は知らないが、朝日新聞はやたらと彼女を取り上げる。
 朝日新聞のお偉いさんに、彼女のファンがいるのでは、と
 勘ぐりたくなるほどだ。)

 この本には人生を生き抜く知恵がいっぱい書いてある。
その中から2つ引用させて頂きます。
「それにしても。そもそも人生病を抱えていない人間なんて
 いないんだろうと思う。  
 よく行くコンビニの店員だって、街でよくすれ違う老人だって、
 テレビに出ている タレントだって、それぞれの人生病と向き合っている。  
 『自分同様に、人も弱いんじゃないか』と思えるようになったのは、   
 うつ病になって得た収穫である。」
「何もかもに、その考えを押し付けるな。
 何も知らないくせに、勝手に噂するな。  
 何もしないくせに、土足で踏み荒らすな。
 何も疑わないままに、そこから査定するな。  
 こうやって生きているんだ。何が悪い。」 (引用ここまで)

追記1
「荻上チキ・セッション22」の22が取れて、
放送時間が15:30からになりました。
これまでベッドの中で聴いていたので、まだちょっと慣れません。
でも真剣に聴いていると頭が冴えて眠れなくなることがあったので、
その点、この時間帯は安心です。
(2020年10月22日 記)

追記2「荻上チキ・Session」の放送時間が更に変わりました。
TBSラジオ 月ー金 18:00~21:00
(2024年6月9日 記) 

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