なぜ安倍氏はこんなに「憲法改正」にこだわるのか?
はたして「憲法改正」が本当に自民党の党是(とうぜ=党がよしとした基本方針)
だったのか?
2015年7月20日の私のブログ「『自立路線』と呼ぶことへの違和感」を再度読むと、
このことがはっきりと見えてきた。
(読みながら鳥肌が立った。これではまるで、仇討ではないか!)
2015年にはNHKのドキュメンタリー番組が健全だったと、今、しみじみ思います。
再度、載せます。
↓
http://blog.goo.ne.jp/keichan1192/e/c9e6f725514fd192b5d3b9672bd74f2b
2015年7月18日、NHKスペシャル「戦後70年 ニッポンの肖像-政治の模索-
第1回保守・二大潮流の系譜」を観る。
気になる言葉を引用します。
(1)戦後、パージ(公職追放)された多くの人が戻ってきた。岸信介もその一人だが、
多くは戦後の社会を本能的に嫌い、
戦前の社会をめざす傾向があった。
(2)岸は安保反対運動を見据えて、警察官の権限の強化を目指す。
1958年、「警察官職務執行法改正案」を提出するが、
治安維持法の復活との反対が根強く、
自民党内からも反対が続出し、
廃案になる。ここから岸の目論見はほころび始める。
(法案を成立させる前に、権限の強化と反対を抑え込む目的で、
岸は「警察官職務執行法改正」を、
安倍は「特定秘密保護法」【2017年には「共謀罪=テロ等準備罪】を出している)
(3)1960年5月19日、会期延長して衆議院で単独で、安保改定を強行採決する。
このことで、くすぶっていた安保反対運動に火をつけることになる。
それまでの労働組合を中心とした縦型の運動から、全く国民的な横の
社会構造の運動へと変わっていく。
この日を境に、民主主義の危機と、1週間後には全国各地で54万人
にふくれあがった。樺美智子さんの死で、運動は更に激化していく。
「岸内閣は警職法や安保をふくめて、
非常に強権的な性格だった
国民は『こりゃまずい』と、
いろんな不満とか不安とかが、あの時に爆発した」
岸内閣の支持率は26%まで下落した。岸は政権を維持できなくなり、
6月23日に退陣表明する。
「岸は国民をつないでいるメディアに対して、
一顧だにしなかった。
メディアに対しても強硬路線を打ち出した。
安保改定から一気に憲法改正へという、
岸の目論見は否定された。
まさに1960年が憲法改正の分水嶺だった
これ以降、岸は水面下で、80歳を過ぎても
自主憲法制定を目指し
孤軍奮闘することになる 」
(衆議院での単独強行採決、メディアを一顧だにしない強硬姿勢、支持率の急落、
今の安倍政権は、まるでデジャビュのようだ)
(4)岸は憲法改正に取り組まない自民党に対して、アメリカの雑誌で次のように批判する。
「憲法改正は日本が真に戦後から脱却し、
日本人としての自信と誇りを持つのに必要だ。
あまりにも池田(勇人)および私の弟(佐藤栄作)が、
『憲法はもはや定着しつつあるから憲法改正はやらん、やらん』と
非常に後退したからね。
もういっぺん俺が総理大臣になってだ、憲法改正を
政府としてやるんだと、
まあ、密かにそう思ったことは随分ありますよ。
完全燃焼しないと未練が残る 」
(5)「これ正に先生のご初心であり、小生の初心であります」と憲法改正に
ついて語っていた
中曽根康弘は、総理大臣に就任した1982年には、次の言葉を残している。
「現行憲法の民主主義、平和主義あるいは
基本的人権の尊重、国際協調主義等は、優れた理念であって、
憲法改正を政治日程にのせる考えは、目下のところありません 」
(自民党結成時は自主憲法制定が党是だったようだが、それ以後に引き継いだ政治家は、
安倍晋三までいないようだ。岸は「自主憲法制定」のたすきをかけて
孤軍奮闘、訴え続けた)
※98歳になる中曽根康弘氏の考えは違うようだが……。
(6)岸は民主政治について、次のように述べている。
「反対運動は一部である。大衆に追随し、大衆に引きずり回される政治が
民主政治ではない。
民衆の2、3歩前に立って、
民衆をひきいて、民衆とともに歩むのが、
本当の民主政治のリーダーシップだ 」
それに対して「自分についてくるのが民主主義だと思っている」との批判がある。
(引用ここまで)
(こうした岸の政治的野心が、安倍に受け継がれていったことがよく分かる。
1960年に岸が行い、それによって民意が離れていったと同じことを、なぜ今、
安倍はしようとするのだろう。
メディアを一顧だにしないこと、自分についてくるのが民主政治だと
勘違いしていること。
私は55年前のデジャビュにつき合わされ、そこまで遡るのはごめんです!
もう一つの私の疑問は、岸は対米従属構造を徹底して嫌った。
だが安倍は、アメリカへの従属をより深めようとしている。
私にはそこがどうしても理解できない)(敬称略)
●今回この番組を見直して、岸と安倍の立場に違いがあると強く思った。
ここからは私感だが、安倍は岸が果たせなかったことを成し遂げるといった
宿命のようなものを感じながら、生きてきたのではないだろうか。
そのことは、この番組を観るとよく分かる。
だが、安倍は岸と同じようなことをしているようで、根っこの部分が違うと思う。
岸はあくまでもアメリカへの従属を排除しようとして、安保や憲法改正を考えていた。
だが安倍はアメリカへの従属を強めようとして、様々な法律を作り、
憲法改正を考えている。
古き良き時代(?)の明治時代を国の手本としていることまでは分かる。
日本を世界に誇れる国、世界でも強い国にする。
そのためには、憲法が定めている立憲主義や基本的人権などは邪魔なだけだ。
国が暴走しないよう、国民が権力を縛る「立憲主義」ではなく、
権力の都合のいいように、国民を縛る憲法が欲しい。
いざとなったら国のためには命を捧げるような、教育勅語を礼賛する。
戦後、「個人」がのさばり過ぎたので、「基本的人権」に歯止めをかけたい。
多様性よりも、「和」を重んじる統一のとれた国作りをめざす。
安倍のめざす国とは、こういうことなのか? 私には国としてのビジョンが
全く見えない。私は国のために生きているわけではない。
私は私、自分が選んだ道を好きに生きていきたい。
国に監視され、管理されるのは、真っ平御免だ! (敬称略)
(425)「〈憲法特集〉内田樹さんが語る『時代の正体』 5月3日
カナロコby神奈川新聞」
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170503-00017589-kana-l14
●「日本は真の属国」、納得です。
こうした屈辱を晴らすために、弱い立場の人たちを差別する。根性がひん曲がっている!
だが内田さんの次の言葉が救いです。引用させて頂きます。
「だがそうした危機的現状にあって、冷静なまなざしで現実を眺め、
自分たちが生き残るために、自分たちが受け継ぐはずの国民資源を
今ここで食い散らすことに対して「ノー」を告げる人たちが
若い世代からきっと出てくると私は思っている」 (引用ここまで)
※参考までに
「NKHスペシャル戦後70年 ニッポンの肖像 -政治の模索-
第1回 保守・二大潮流の系譜」
↓
http://www6.nhk.or.jp/special/detail/index.html?aid=20150718
●こちらで観ることが出来ます。 「YOU TUBE(動画あり)」
これを観ることで、現在の安倍氏の動向がよく解かります。
是非、是非、是非、是非、是非、ご覧ください!
↓
https://www.youtube.com/watch?v=tqSBgtmQmlY
(画像はお借りしました)
はたして「憲法改正」が本当に自民党の党是(とうぜ=党がよしとした基本方針)
だったのか?
2015年7月20日の私のブログ「『自立路線』と呼ぶことへの違和感」を再度読むと、
このことがはっきりと見えてきた。
(読みながら鳥肌が立った。これではまるで、仇討ではないか!)
2015年にはNHKのドキュメンタリー番組が健全だったと、今、しみじみ思います。
再度、載せます。
↓
http://blog.goo.ne.jp/keichan1192/e/c9e6f725514fd192b5d3b9672bd74f2b
2015年7月18日、NHKスペシャル「戦後70年 ニッポンの肖像-政治の模索-
第1回保守・二大潮流の系譜」を観る。
気になる言葉を引用します。
(1)戦後、パージ(公職追放)された多くの人が戻ってきた。岸信介もその一人だが、
多くは戦後の社会を本能的に嫌い、
戦前の社会をめざす傾向があった。
(2)岸は安保反対運動を見据えて、警察官の権限の強化を目指す。
1958年、「警察官職務執行法改正案」を提出するが、
治安維持法の復活との反対が根強く、
自民党内からも反対が続出し、
廃案になる。ここから岸の目論見はほころび始める。
(法案を成立させる前に、権限の強化と反対を抑え込む目的で、
岸は「警察官職務執行法改正」を、
安倍は「特定秘密保護法」【2017年には「共謀罪=テロ等準備罪】を出している)
(3)1960年5月19日、会期延長して衆議院で単独で、安保改定を強行採決する。
このことで、くすぶっていた安保反対運動に火をつけることになる。
それまでの労働組合を中心とした縦型の運動から、全く国民的な横の
社会構造の運動へと変わっていく。
この日を境に、民主主義の危機と、1週間後には全国各地で54万人
にふくれあがった。樺美智子さんの死で、運動は更に激化していく。
「岸内閣は警職法や安保をふくめて、
非常に強権的な性格だった
国民は『こりゃまずい』と、
いろんな不満とか不安とかが、あの時に爆発した」
岸内閣の支持率は26%まで下落した。岸は政権を維持できなくなり、
6月23日に退陣表明する。
「岸は国民をつないでいるメディアに対して、
一顧だにしなかった。
メディアに対しても強硬路線を打ち出した。
安保改定から一気に憲法改正へという、
岸の目論見は否定された。
まさに1960年が憲法改正の分水嶺だった
これ以降、岸は水面下で、80歳を過ぎても
自主憲法制定を目指し
孤軍奮闘することになる 」
(衆議院での単独強行採決、メディアを一顧だにしない強硬姿勢、支持率の急落、
今の安倍政権は、まるでデジャビュのようだ)
(4)岸は憲法改正に取り組まない自民党に対して、アメリカの雑誌で次のように批判する。
「憲法改正は日本が真に戦後から脱却し、
日本人としての自信と誇りを持つのに必要だ。
あまりにも池田(勇人)および私の弟(佐藤栄作)が、
『憲法はもはや定着しつつあるから憲法改正はやらん、やらん』と
非常に後退したからね。
もういっぺん俺が総理大臣になってだ、憲法改正を
政府としてやるんだと、
まあ、密かにそう思ったことは随分ありますよ。
完全燃焼しないと未練が残る 」
(5)「これ正に先生のご初心であり、小生の初心であります」と憲法改正に
ついて語っていた
中曽根康弘は、総理大臣に就任した1982年には、次の言葉を残している。
「現行憲法の民主主義、平和主義あるいは
基本的人権の尊重、国際協調主義等は、優れた理念であって、
憲法改正を政治日程にのせる考えは、目下のところありません 」
(自民党結成時は自主憲法制定が党是だったようだが、それ以後に引き継いだ政治家は、
安倍晋三までいないようだ。岸は「自主憲法制定」のたすきをかけて
孤軍奮闘、訴え続けた)
※98歳になる中曽根康弘氏の考えは違うようだが……。
(6)岸は民主政治について、次のように述べている。
「反対運動は一部である。大衆に追随し、大衆に引きずり回される政治が
民主政治ではない。
民衆の2、3歩前に立って、
民衆をひきいて、民衆とともに歩むのが、
本当の民主政治のリーダーシップだ 」
それに対して「自分についてくるのが民主主義だと思っている」との批判がある。
(引用ここまで)
(こうした岸の政治的野心が、安倍に受け継がれていったことがよく分かる。
1960年に岸が行い、それによって民意が離れていったと同じことを、なぜ今、
安倍はしようとするのだろう。
メディアを一顧だにしないこと、自分についてくるのが民主政治だと
勘違いしていること。
私は55年前のデジャビュにつき合わされ、そこまで遡るのはごめんです!
もう一つの私の疑問は、岸は対米従属構造を徹底して嫌った。
だが安倍は、アメリカへの従属をより深めようとしている。
私にはそこがどうしても理解できない)(敬称略)
●今回この番組を見直して、岸と安倍の立場に違いがあると強く思った。
ここからは私感だが、安倍は岸が果たせなかったことを成し遂げるといった
宿命のようなものを感じながら、生きてきたのではないだろうか。
そのことは、この番組を観るとよく分かる。
だが、安倍は岸と同じようなことをしているようで、根っこの部分が違うと思う。
岸はあくまでもアメリカへの従属を排除しようとして、安保や憲法改正を考えていた。
だが安倍はアメリカへの従属を強めようとして、様々な法律を作り、
憲法改正を考えている。
古き良き時代(?)の明治時代を国の手本としていることまでは分かる。
日本を世界に誇れる国、世界でも強い国にする。
そのためには、憲法が定めている立憲主義や基本的人権などは邪魔なだけだ。
国が暴走しないよう、国民が権力を縛る「立憲主義」ではなく、
権力の都合のいいように、国民を縛る憲法が欲しい。
いざとなったら国のためには命を捧げるような、教育勅語を礼賛する。
戦後、「個人」がのさばり過ぎたので、「基本的人権」に歯止めをかけたい。
多様性よりも、「和」を重んじる統一のとれた国作りをめざす。
安倍のめざす国とは、こういうことなのか? 私には国としてのビジョンが
全く見えない。私は国のために生きているわけではない。
私は私、自分が選んだ道を好きに生きていきたい。
国に監視され、管理されるのは、真っ平御免だ! (敬称略)
(425)「〈憲法特集〉内田樹さんが語る『時代の正体』 5月3日
カナロコby神奈川新聞」
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170503-00017589-kana-l14
●「日本は真の属国」、納得です。
こうした屈辱を晴らすために、弱い立場の人たちを差別する。根性がひん曲がっている!
だが内田さんの次の言葉が救いです。引用させて頂きます。
「だがそうした危機的現状にあって、冷静なまなざしで現実を眺め、
自分たちが生き残るために、自分たちが受け継ぐはずの国民資源を
今ここで食い散らすことに対して「ノー」を告げる人たちが
若い世代からきっと出てくると私は思っている」 (引用ここまで)
※参考までに
「NKHスペシャル戦後70年 ニッポンの肖像 -政治の模索-
第1回 保守・二大潮流の系譜」
↓
http://www6.nhk.or.jp/special/detail/index.html?aid=20150718
●こちらで観ることが出来ます。 「YOU TUBE(動画あり)」
これを観ることで、現在の安倍氏の動向がよく解かります。
是非、是非、是非、是非、是非、ご覧ください!
↓
https://www.youtube.com/watch?v=tqSBgtmQmlY
(画像はお借りしました)