とりあえず,前期の試験を採点して強く印象に残っていることを書いておきます。
・2年後期の「解析学II」の担当は僕ではありません。
シラバスを見ればわかります。
・円周率を表す "π",はねるのやめませんか。
漢字の「元」みたいにπの「あし」をはねるのはもうやめにしませんか。
漢字じゃないんだから。
・内積をベクトルにしてしまうのはやめませんか。
内積した結果がベクトルになっている人が少なからずいました。ショックです。
・線形独立,線形従属についていい加減覚えましょう。
2つのベクトルの間に「線形独立」や「線形従属」という関係があるかどうかをきいているのに,個々のベクトルが単独で独立だったり従属だったりするのは一体どういうことなのでしょうか。
・2×3型の行列に無理やりサラスの方法を適用するのはやめましょう。
行列式が定義されているのは行と列の数が等しい正方行列のみです。
2×3型の行列の「行列式」をでっちあげるのはやめましょう。
・スカラー場の勾配はベクトル場になります。
なぜ偏微分した成分同士を足し合わせてしまうのでしょうか。
・ベクトル場の回転と発散の定義式をしっかり覚えましょう。
逆になっていたり,記号の使い方がおかしかったり,とんでもなく複雑な計算式になっていたり,とにかく変なのが多かったので,再確認をお願いします。
・試験の第2問はひっかけです。
語呂合わせで覚えるのは記憶に便利ですが,内容を正確に再現できないならばなんの意味もありません。
ちゃんと第1成分を求めて選択肢から選ぶという,慎重な人が数名いました。大変感心な態度です。
・なぜ cos ti を微分したら -isin ti のように基本ベクトル i が係数として出てくるのですか。
同じ間違いをしている人がたくさんいてびっくり。偶然であってもなくても恐ろしいことです。
・ベクトルは太字で書いたり,矢印をつけたりして区別することにしませんか。
そういうことをきちんとやらないから上で指摘したようなおかしな間違いを平気で犯してしまうのではないでしょうか。
もちろん,すごくよく出来ている人もたくさんいました。
宿題システムにした成果が出ていると強く実感しました。
なお,「閉曲線の例を挙げよ」というような,単なる計算練習ではなく思考の訓練になるような問題をもっと出して欲しかったという要望がありました。その問題を考えることによって他の解けなかった問題が解けるようになった,という脳が活性化したという報告があったので,いいことだと思います。今後の課題です。
ちなみに,出そうと思ってやめていた問題がひとつあります。
それは,「ベクトルA,ベクトルBとそれらの外積A×Bがこの順に実際に右手系をなしていることを,成分から『図形的な』情報として確認するにはどうすればよいか」,というものです。
僕が思うにこれはかなりの難問で,しかも僕自身部分的な解答しか用意できていないので出題を断念しました。
興味のある人は考えてみて下さい。
とりあえず今のところはこんな感じかな。
・2年後期の「解析学II」の担当は僕ではありません。
シラバスを見ればわかります。
・円周率を表す "π",はねるのやめませんか。
漢字の「元」みたいにπの「あし」をはねるのはもうやめにしませんか。
漢字じゃないんだから。
・内積をベクトルにしてしまうのはやめませんか。
内積した結果がベクトルになっている人が少なからずいました。ショックです。
・線形独立,線形従属についていい加減覚えましょう。
2つのベクトルの間に「線形独立」や「線形従属」という関係があるかどうかをきいているのに,個々のベクトルが単独で独立だったり従属だったりするのは一体どういうことなのでしょうか。
・2×3型の行列に無理やりサラスの方法を適用するのはやめましょう。
行列式が定義されているのは行と列の数が等しい正方行列のみです。
2×3型の行列の「行列式」をでっちあげるのはやめましょう。
・スカラー場の勾配はベクトル場になります。
なぜ偏微分した成分同士を足し合わせてしまうのでしょうか。
・ベクトル場の回転と発散の定義式をしっかり覚えましょう。
逆になっていたり,記号の使い方がおかしかったり,とんでもなく複雑な計算式になっていたり,とにかく変なのが多かったので,再確認をお願いします。
・試験の第2問はひっかけです。
語呂合わせで覚えるのは記憶に便利ですが,内容を正確に再現できないならばなんの意味もありません。
ちゃんと第1成分を求めて選択肢から選ぶという,慎重な人が数名いました。大変感心な態度です。
・なぜ cos ti を微分したら -isin ti のように基本ベクトル i が係数として出てくるのですか。
同じ間違いをしている人がたくさんいてびっくり。偶然であってもなくても恐ろしいことです。
・ベクトルは太字で書いたり,矢印をつけたりして区別することにしませんか。
そういうことをきちんとやらないから上で指摘したようなおかしな間違いを平気で犯してしまうのではないでしょうか。
もちろん,すごくよく出来ている人もたくさんいました。
宿題システムにした成果が出ていると強く実感しました。
なお,「閉曲線の例を挙げよ」というような,単なる計算練習ではなく思考の訓練になるような問題をもっと出して欲しかったという要望がありました。その問題を考えることによって他の解けなかった問題が解けるようになった,という脳が活性化したという報告があったので,いいことだと思います。今後の課題です。
ちなみに,出そうと思ってやめていた問題がひとつあります。
それは,「ベクトルA,ベクトルBとそれらの外積A×Bがこの順に実際に右手系をなしていることを,成分から『図形的な』情報として確認するにはどうすればよいか」,というものです。
僕が思うにこれはかなりの難問で,しかも僕自身部分的な解答しか用意できていないので出題を断念しました。
興味のある人は考えてみて下さい。
とりあえず今のところはこんな感じかな。