身近な自然となかよくblog (旧「菊名エコクラブblog」)

自然環境と調和した持続可能な社会を!

by NACS-J認定 自然観察指導員 松田 照之

今日は節分、明日は立春

2024年02月03日 21時44分57秒 | 新カテゴリー:6.里山環境と里山文化に関して

今日は2月3日で節分。旧暦では師走の24日で、まだ12月です。

1月20日から始まった大寒は、一年で一番寒いと言われている時期。それも今日で終わって明日から約2週間の間が立春となります。同様に明日から5日間は「東風解凍(はるかぜこおりとく)」と言われる時節です。

今のカレンダーに示されている暦は新暦で、明治時代から日本で採用されているものですが、それまでは現在旧暦と呼ばれている暦が用いられていました。この旧暦は古墳時代に古代中国から色々な文化とともに伝えられたと言われています。

旧暦には現代のような曜日はありませんでしたが、春夏秋冬という四季の他に季節を24に分けた二十四節気というものがあり、さらにこれら24の季節をそれぞれ三つずつに分け、全部で72の時節に分けた七十二候というものがありました。冒頭で出てきた言葉「立春」がこの時期の二十四節気、「東風解凍(はるかぜ氷とく)」がこの時期の七十二候に当たります。

弥生時代の次に来る古墳時代は中国や朝鮮半島との交流が盛んに行なわれ、この時に中国文化とともに旧暦が入ってきたと言われ、それ以来、日本の気候や風土に合わせて改良を加えられながら、農作業のタイミングを計るのに重宝されてきました。

このような経緯を持つ旧暦は里山文化の一つということができます。

里山とは水(飲み水や生活用水)、食糧(食べ物)、燃料(今でいうとガス)、建築材料(家などを作るための木材など)など、人が生活するために必要な物資を得ることができる、森や湿地、畑や田んぼなどの総合的で一体的な自然環境のこと。そして里山文化とは、里山での生活の技術、慣習・行事などのことを言います。

里山の環境は、人が自然環境と共存した持続可能な生活環境のお手本となる良い例だと言われているため、里山環境での暮らし方である里山文化もまた、自然と共存した持続可能な文化として重要なものなのです。

一方で、現代のライフスタイルは大量生産大量廃棄型、自然環境を壊したり汚染したりする一方なため持続困難と言われています。気候変動や海洋汚染、食糧危機や戦争の原因となると言われているなど、環境問題が地球規模で深刻なことは、ご存じですよね?

それでも、もし現代でも季節の移り変わりやそれに伴う自然環境の変化を感じながら過ごしたいという場合には、旧暦の二十四節気や七十二候をその目安としてとらえながら実際に自然にふれてみるというのが良いと思います。

旧暦はあくまでも暦ですので、その年によって実際の気候や自然の移り変わりとは当然ズレはあります。ですがが、季節の細かい目安・指標となるのです。

旧暦カレンダーや手帳、アプリなども販売されているのを見かけますが、こちら「身近な自然となかよくblog」でも、その時の旧暦(二十四節気と七十二候)についてお知らせしていきたいと思います。