トッペイのみんなちがってみんないい

透析しながら考えた事、感じた事。内部障害者として、色々な障害者,マイノリティの人とお互いに情報発信したい。

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僕の目の見えない妖精/児童書『点子ちゃん』

2009-10-28 00:57:13 | 絵本・児童文学
点子ちゃん
野田 道子
毎日新聞社

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 点子ちゃんといっても、あの「点子ちゃんとアントン」とは、全く関係がない。
どちらかというと、風の又三郎の雰囲気がした。
 
 この本を初めて手に取った時、中の挿絵に点字が添えてあった。ページを表わす数字の下にも、点字があった。

 小学4年の「ぼく」のクラスに転校生がやってきた。泉川カレンという女の子だった。アメリカから日本のおじいさんとおばあさんの家にやってきたのだ。目をつぶっていた。彼女は、全盲だった。3歳の時に、重い病気にかかって目が見えなくなったという。アメリカにいる時に、お母さんから日本語の点字を習った。そした漢字の点字も。でも、お母さんが亡くなったので、日本に帰ってきた。お父さんは、また、仕事があるのでアメリカに戻るという。

 「ぼく」にとって、妖精のような存在だった。点字で、本を読むのが好きな女の子だった。

 全盲の少女と、4年生のクラスとの短かったけれど、色々な事があった交流を描いた作品である。こうした形の児童書があることはうれしいことだ。子ども同士の自然な付き合い。意地悪な女の子も登場する。

 巻末には、点字の一覧表が載っている。これを見ながら、挿絵の点字を読み取ることができる。もしかしたら、点字に興味を持ってくれる子どもが出てくるかもしれない。エレベーターの数字も読み取ってみたりして。

 そう、点子ちゃんというのは、点字で本を読むことからついた名前だ。

高血糖+ピロリ菌ご用心!胃がんリスク4倍に/気になるニュース

2009-10-28 00:34:47 | 病気
高血糖+ピロリ菌ご用心!胃がんリスク4倍に(読売新聞) - goo ニュース

 透析導入の原因疾患の第1位は、糖尿病性腎炎が占めている。また、今、拡大が懸念される新型インフルエンザの感染による重症化のハイリスクグループには、我々透析患者と共に、糖尿病患者があげられている。糖尿病で透析患者の場合は、かなりのハイリスクグループということになるのだろうか。

 今や、糖尿病患者は、予備軍を入れるとかなりの数になる。

 今回、『血糖値の高い人は胃がんになるリスクが高いことが、九州大研究班の追跡調査でわかった。』というニュースが報じられた。

 特に、胃がんの原因とされるヘリコバクター・ピロリ(ピロリ菌)に感染している場合、高血糖の人の発症率は、正常な人の4倍にも及んだ。
 研究班は「血糖値を抑えれば、胃がんのリスクを軽減できそうだ」としている。糖尿病患者は、自己管理をしっかりすることで、色々な面でのリスクを減らすことができそうだ。暴飲暴食を控えて運動量を増やすなど生活習慣病の予防が必要であるということだ。

 なお、ニュースは以下のように調査の内容を伝えている。

 『追跡調査は、生活習慣病予防に詳しい同大医学部の清原裕教授(58)らの研究班が、福岡県久山町で毎年健診を実施している40歳以上の男女約2600人を対象に1988年から14年間にわたって実施。調査期間中に97人が胃がんを発症した。

 研究班は対象者全員について、血中のヘモグロビンが糖と結びついて変化した「ヘモグロビンA1c」の割合を比較。正常値(5・0~5・9%)の人に比べ、6・0~6・9%の人の胃がん発症率は2・13倍、7%以上の人は2・69倍だった。

 さらに、血糖値とピロリ菌感染の有無によって、四つのグループに分けて胃がん発症率を分析。「正常値で非感染」の人は578人おり、うち発症者は11人で最もリスクが低かった。それに比べ「高血糖で非感染」は1・35倍、「正常値で感染」は1・86倍となり、「高血糖で感染」は4・03倍に上った。』

学校外活動費、年収で3倍の格差 塾は4・5倍/気になるニュース

2009-10-27 23:25:23 | 格差社会・貧困化社会
学校外活動費、年収で3倍の格差 塾は4・5倍(共同通信) - goo ニュース

 子どもの貧困化が、今、問題になっている。貧困の連鎖の懸念も深刻になってきている。
 先日、NHK教育テレビで「シリーズおびやかされる“小中学生”第1回義務教育があぶない(10月12日放送)」が、現在、学校現場で起こっている貧困化の影響を取り上げていた。
 満足に食事をとれず、空腹で保健室を訪れる子ども、怪我をしても、病気になっても、医療費の支払いが出来ないので医療機関に行けぬ子どもたち、こうした状況が起こっているのだ。
 番組の中では、親の所得が、子どもの成績に深く関係している事も指摘していた。今や、高所得者の子弟が国立大学へ行く時代なのだ。昔は、経済的に苦しい家庭でも、優秀ならば国立大学を目指す機会も今よりは多かったのではないか。ある意味で、受験は公平な一面を持っていた時代があった。

 今回、ニュースで紹介された調査結果は、子どもの学校外での教育活動に親が支払う費用が、年収により格差が生じているというものであった。ベネッセコーポレーション(岡山市)の調査結果で、3~17歳の子を持つ母親1万5450人が回答した。

 その内容は、学校外教育活動の費用の合計(1ヵ月あたりの平均)は、子ども一人あたり16,700円。
 塾や年収800万円以上の世帯で26,700円、400万円未満の世帯はその1/3の8,700円。所得により、およそ3倍の開きがあることが分かった。
 
なお、『一人の子どもにかける学校外教育活動の費用の合計は、幼児では7,200円、小学生では17,900円、中学生では25,100円、高校生では19,400円。』

 世帯年収が400万円未満のグループでは1ヶ月あたり8,700円、世帯年収800万円以上のグループは26,700円であり、およそ3倍の開きがある。(※400~800万円未満 14,700円)。なお、そのうちの学習塾や英語塾などの教室学習活動の費用を比べた場合は、それぞれ1万3600円と3千円で差は4・5倍となった。

 所得により、子どもに対する学校外での教育活動にも格差が生じてきている。
今年、文部科学省が委託調査した、親の所得と、全国学力テストの小6の算数の平均点との相関にも、やはり、同じような傾向が出ている。

 確実に子どもの貧困化が進行している。

児童書/『いのちかがやけ!タイガとココア―障がいをもって生まれたアムールトラのきょうだい』

2009-10-27 00:23:22 | 絵本・児童文学
いのちかがやけ!タイガとココア―障がいをもって生まれたアムールトラのきょうだい
あんず ゆき
文溪堂

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 メディアでも取り上げられた、足に障害を持って生まれたアムールトラのタイガとココアのお話です。

 2匹が生まれたのは、2008年5月24日の朝、母親のチョコが3匹の子どもを産んでいました。一向にチョコは世話をしませんでした。釧路市動物園のチョコの世話係の大場さんが、モニターテレビで床の上に3つの「物体」を発見します。動いている様子がなく、死んでいるようでした。しかし、かすかに動いたことから、あわてて獣医さんたちと、すっかり身体が冷え切った3匹をお湯の中で温めます。
 残念なことに、一匹は死んでしまいました。生き残った2匹が、元気を取り戻したのを見て喜んだ動物園の人たちも、その後、すぐに2匹の足に障害があることに気が付きます。この時、将来、この2匹が足を引きずって歩く姿をイメージした人たちは、果たしてこの先トラたちが生きていくことが幸せなのか、思い悩みました。しかし、2匹が見せる生命力の強さに、動物園で飼育することに決まりました。

 いつも2匹は一緒でした。オスはタイガと、メスはココアと名付けられました。タイガの足の方が、重い障害でした。

 自然界だったら、こうした障害を持った子供は、自然淘汰されていきます。

 その後の、2匹の成長の様子が、本書では、多くの写真も使って書かれています。酪農学園大学獣医学部付属動物病院で、検査と治療を行ってもらえることになった最初の検査結果の時は、読んでいる方も、心配になりました。レントゲン写真では、ココアの背骨はまっすぐなのに、タイガの背骨は骨の無い部分もあってゆがんでいまいた。足の方は、2頭とも「軟骨形成不全症」といって、骨と骨の間にある軟骨が完全に成長していないものでした。特にタイガの左後ろ足には軟骨が写っていませんでした。タイガは、それでも、3本で歩いていました。検査の結果は、悪かったけれども、2匹はいつもじゃれあって元気でした。これが、動物園の人たちの希望でもありました。

 動物園のお客さんへの、初公開とその一月半後の公開の様子は感動的でした。後の公開の時の数日後から、タイガはうんちの時だけですが、左後ろ足を地面につけるようになりました。軟骨の無い足を。タイガの見せた生命力は、本物でその日から、しょっちゅう左足をつくようになりました。その後、病院でのレントゲン検査で、タイガの骨が少し形成されていることがわかりました。「見えない力」を、動物園の人たちは、強く感じました。奇跡も起こりうるのだということを。

 いつも2匹で一緒にいたことが、タイガとココアの成長に、どんなに有効だったか。この2匹は、メディアでも取り上げられ、日本中の人々に元気を送ってくれました。2匹が生まれてから間もないころから、動物園協会の人たちが募金活動を始めています。そうした応援をバックに、動物園では、バリアフリーの新動物舎の工事が2008年の暮れに始まっていました。すっかり大きくなった2頭のために。そして2009年3月26日に完成。

 しかし、2009年8月25日、タイガはこの世を去りました。餌の肉を詰まらせたタイガは、息が出来なくなったまま、夕方5時28分に死んでしまいました。

 今は、ココアがタイガの分も頑張って生きています。この本で、2頭が見せた「見えない力」が、命の持つ意味を教えてくれます。