トッペイのみんなちがってみんないい

透析しながら考えた事、感じた事。内部障害者として、色々な障害者,マイノリティの人とお互いに情報発信したい。

おじいちゃんのおまじない/絵本『だいじょうぶ だいじょうぶ』

2010-04-16 02:49:04 | 絵本・児童文学
大型版 だいじょうぶ だいじょうぶ (講談社の創作絵本)
いとう ひろし
講談社

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 みんな、小さな時は、自分の世界はごく狭いものであった。赤ちゃんは、お母さんの近くが全ての世界だった。成長するにつれて、世界が少しずつ、広がっていった。世界が広がることは、新しいものとの出会いもあり、知識も増えていくことであった。でも、今まで知らなかった世界が広がる時、不安も生まれる。時には、自分に対して牙をむいてくるように感じることもある。それを乗り越えていくことが、成長するということなのだ。

 この絵本の『ぼく』が、まだ、赤ちゃんに近かった頃、おじいちゃんも元気だった。おじいちゃんと出かける散歩は、『ぼく』の世界を広げてくれた。ゆっくりとした歩みの散歩だったけれど、おじいちゃんは、世界の楽しさを語ってくれた。でも、楽しいことばかりではなかった。いじめっ子にも会うし、しかめっ面ばかりする女の子とも出会う。犬は吠えてくるし、ニュースで、あの飛行機も墜落することを知った。街にあふれる文字も『ぼく』に理解できるのだろうか。転んでけがをすると痛い。病気だって怖いんだ。世界が広がった分、『ぼく』の不安も増していった。でも、そんな時、おじいちゃんはいつも「だいじょうぶ だいじょうぶ」と言ってくれた。おじいちゃんのおまじないだった。『ぼく』とおじいちゃんは、何回、そのおまじないと言ったことだろう。おまじないのおかげで、『ぼく』は、病気になってもその後元気になったし、転んでけがをしても我慢できた。友達とも、無理して付き合わなくてもいいって言ってくれたこともあるおじいちゃん。いじめっ子の男の事も、しかめっ面の女の子とも友達になれたんだ。
 今度は、『ぼく』がおじいちゃんに「だいじょうぶ だいじょうぶ」と言ってあげる番だ。おじいちゃんは、すっかり身体が弱って病院に入院しているけれど、大好きなおじいちゃん、「だいじょうぶ だいじょうぶ」だよ。


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1 コメント

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いとうひろしさんの作品はいいんですよ (アルギンにっこ)
2010-04-16 18:09:13
いとうひろしさんの作品はいいんですよ。
面白いし、可愛いです。

「ごきげんなすてご」という作品がありますが、オススメです。笑えます。

この作品は子供たちの国語の教科書に載りました。多分子供たちは未だに覚えてると思います。嬉しくなってコメント残しちゃいました♪
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