トッペイのみんなちがってみんないい

透析しながら考えた事、感じた事。内部障害者として、色々な障害者,マイノリティの人とお互いに情報発信したい。

ジェンダーを超えて ― 『しげるのかあちゃん』

2012-07-17 07:12:26 | 絵本・児童文学
しげるのかあちゃん (えほんのぼうけん)
城ノ内まつ子
岩崎書店


 今では、ダンプの運転手から、建設現場で重機を操る女性の姿も珍しくはない。一方、美容師は男性が多いし、料理家、看護師、デザーナーなど、ジェンダーとしての性差は縮まっていくようだ。※男性の助産師は、女性側の反発が多くて実現していない。そんな性差を超越するような仕事に変化するのに成功しないものもあるのであるが。

 マスコミでは、一定の社会の姿は映し出すのであるが、所詮は面白おかしくなるように特集を行なってきた。草食男子や、ヤンママも、テレビで紹介されるのは、ある種ステレオタイプ化したそれで、後者などは、ヤングよりは元ヤンキーのイメージに合うようなテレビ界の意向に答えるようなヤンママが登場し、視聴者も変に納得して番組を見ている。

 でも、現実の社会の「ヤンママ」の存在は、それとは違うのであろう。ちゃらちゃらした生活に対する姿勢では、増加する離婚率と、生きづらい世の中を、子どもと共に生き抜いていくのは大変なことである。

 「しげるのかあちゃん」は、小1のしげるの頼もしい母ちゃんの話だ。ファッションも自分の好きなスタイルで決めている。仕事は2トントラックの運転手。家の大工仕事だって、電動工具も使いこなす。シングルマザーのようだが、子どもたちを学童にあずけながら、力強く生きている。「肝っ玉かあさん」という言葉があるが、今風のそれに当たりそうである。

 受身としての存在ではなく、主体的に生きていく、でも利己主義ではなく個人主義の精神で。

 絵本では、ちょっとした母ちゃんたちの大活躍も描かれている。本当は、もっと苦労しているヤンママもいるのであろうが、世の中も色々な生き方を受け入れる社会にしなくてはね。


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