トッペイのみんなちがってみんないい

透析しながら考えた事、感じた事。内部障害者として、色々な障害者,マイノリティの人とお互いに情報発信したい。

日記風に 「寒くなりました」

2008-10-30 21:22:16 | 日記
 今日も透析が無事終了。今日の透析中のDVDは「ライトスタッフ」。前から観ようと思いつつやっと観ることができました。次回は、「ハラスのいた日々」。動物、それも犬です。「マイドッグスキップ」に続いて、ベッドで涙が出てしまうかも知れません。命の意味を又考えてしまうんでしょうね。

 読書の方は、今回は児童文学。吉富多美さんの「チェンジング」。小学5年生の大夢(たいむ)が、いじめっ子軍団から逃げ込んだ家の庭で加奈子に出会うことから話が展開されていきます。大夢も加奈子もそれぞれ父親と暮らしていましたが、どちらも父親とは会話のない生活を送っていました。加奈子は料理教室を開いていましたが、教室が潰れた後、実家で父親の和也と暮らしていました。大夢も母親を病気で亡くしてから、我が子が信じられない父親と暮らしていました。大夢は加奈子から料理を教わることで成長していきます。いじめっ子のトオルに支配されたクラスをどう変えていくか。
 料理を通じて、人間の心が癒されていきます。また、料理という視点からの人間理解も納得のいくものでした。

 作者の後書にこうありました。『人は誰でも心の底でぐつぐつと鍋を煮込みながら、生涯をかけ自分という料理を完成していのだと思うのです』

 料理が人とのつながりをもたらす話には、吉本ばななの「キッチン」もありました。父親と息子との関係修復には、「ネバーエンディングストーリー」がありました。この作品は、どちらにも負けてはいないと思いました。

 大夢の愛読書は古代ローマの勇者の物語「チェンジング」。この本も作者の創作ですが、このお話の中で重要な意味を持ってきます。

 最後に、この本に描かれた、1930年に横浜で生まれた少年の話。1941年の寒い朝、ラジオニュースが日本の米英に対する宣戦布告を報じます。それを聞いた少年の父親は怖い顔で「ばかな事を」と小声でつぶやきました。少年の担任は、シロヤギと呼ばれていました。生徒に話をたくさん読んでくれました。校長や周囲の人間から、戦局に相応しくないと非難されていました。少年は、親友から陸軍幼年学校に共に進学しようと誘われます。しかし、父親に反対されます。シロヤギ先生も同様でした。親友から、先生が当局からスパイ容疑を受けている、そしてその親友が先生を監視していると伝えられます。先生の家を訪れてた時に先生は少年に英語で書かれた本を渡します。軍国少年だった少年は、そのことを親友に話してしまいます。先生は、逮捕され、拷問を受けたということを聞きます。やがて、横浜大空襲で街が焼かれる様をその目で見、校長の言っていた聖戦とはこんなものだったのかと思わずにはいられませんでした。そして、終戦。シロヤギ先生の消息は分かりません。死んだという話も聞きます。自分の密告が無ければ。父親がシロヤギ先生から預かったと言って、黒い包みを渡します。中にはあの英語の本。それは、大夢も好きだった「チェンジング」の本でした。本には、先生の字で「真の勇者の道を歩まん」と伝言が記してありました。少年は大人になって思います。「あの時代に優しくあることはむずかしいことだった。それを貫かれた先生は、まぎれもない勇者だったよ」

 この本を読んで、又、涙が出てしまいました。

 来月は、市内の市守大鳥神社で酉の市がたちます。沿道は露店で賑わいます。縁起物の熊手を買い求める人が大勢出ます。今年は、11月5日、17日、29日と三の酉まであります。三の酉の年は、何故か火事が多いとの言い伝えがあります。理由は分かりませんね。昔と比べて、酉の市も厳しい寒さではなくなりました。でも、この市がたつと冬が近づいてくることを感じます。。三の酉の時は透析日です。帰りに、露店の匂いを嗅ぎながら、人混みの中を帰ろうと思います。

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