トッペイのみんなちがってみんないい

透析しながら考えた事、感じた事。内部障害者として、色々な障害者,マイノリティの人とお互いに情報発信したい。

NHKの自殺予防キャンペーン

2009-12-03 01:57:38 | 社会
 日本では、1998年に自殺者が3万人を突破して以来、毎年のように、3万人を超える人が自ら命を絶っている。

 自殺は予防できるという観点から、NHKでは、2日から番組で、「ストップ自殺 命みんなで守る」をいうキャンペーンを行っている。

 主な自殺原因としては、経済・生活問題、身体の病気、精神疾患が挙げられている。複合的に原因が形成されることも当然ある。このうち、統合失調症やうつ病と行った精神疾患が原因となっている場合が、3分の1近くであると推計されている。

 また、政権交代を受けて、鳩山政権では11月に、自殺対策緊急戦略チームが発足し、自殺対策100日プランを作成し、年末、年度末に向けた「生きる支援」の緊急的拡充を目指している。失業者や生活困窮者に対する相談窓口の設置などの対策がとられるが、精神医療に対しては、具体策は含まれていない。

 2日は、総合テレビでは、クローズアップ現代で、イギリスの精神疾患に対する国家戦略が取り上げられ、引き続き、教育テレビでは、わが国における自殺未遂者に対するケアの問題点が取り上げられていた。

 どちらも、精神疾患に関するものであった。

 わが国では、精神病院、精神科の医師の数は少ない訳ではないが、診察室内での患者への対応が中心となっている。1日に外来で、30から40人の患者に対応する現状では、患者1人に十分な時間を割くことは無理である。精神科の救急外来の病院は、わずかであり、患者の不安が増す夜間や休日の診療や相談に応じる病院の数は少ない。また、総合病院の緊急救命センターに、自殺未遂者が運ばれるケースも目立ち、救急医療が充実している東京都の場合でも、救急医療機関のうち、精神科がないものが71.8%、精神科医の当直無しの期間が92.4%にも及び、自殺未遂者の精神的ケアが不十分である。

 番組では、ERに精神科が常駐する病院や、看護師が中心となってケアに努めようとしている病院、また、ソーシャルワーカーとの連携により、自殺未遂者の精神的ケアを模索している病院が紹介されていたが、まだ、少数である。

 また、民間のNPO法人のライフリンクの調査での、自殺する前に相談機関を訪れた人は72%、そのうち、精神科を訪れた藻のが58%、他の医療機関を訪れたものが25%という数字が紹介されていた。それだけに、精神科での対応ということも今後の課題となる。

 イギリスにおいては、ブレア政権の時に、積極的に精神疾患対策を行う国家戦略が採られた。1999年の健康白書では、心臓病、癌とともに精神疾患が三大疾病とされた。
 こうした国家戦略が採られたのは、精神疾患による自殺や失業などによる社会的損失が320億ポンド(4兆5000億円)と試算されたからである。
 精神医療の予算は、1年あたり2001年には、30億ポンドから、2008年度59億ポンド(約8450億円)へと、約1.5倍に増額されている。

 保険省の下に、危機管理訪問チームが全国に約300配置され、家庭医、地元の警察との連携も図って、24時間対応している。そのチームでは、Out Reach(アウトリーチ・積極的訪問)という手法が採られている。患者の家まで訪問をし、その生活環境、住居環境までも把握して、相談等にのっている。患者は、24時間いつでも、専門スタッフに電話で相談することもできる。また、チームでは、生活面でほ支援も行っている。その結果、イギリスでは、この10年で自殺率が低下している。

 先進国である欧米と比べて、日本における自殺者の数は異常に多い。NHKでは、キャンペーン番組が続けられる。
 
 日本でも、24時間精神科医が常駐し、救急医療に救急医と同席する試みがされている病院もある。今後、番組で紹介された国内とイギリスで取り組みを参考にして、自殺防止の施策が早急になされることが緊急の課題である。
 今回は、精神疾患を中心とした番組であったが、他の要因に関しても今後の番組で取り上げられるという。


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4 コメント

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精神科医 (rabbit125cc)
2009-12-03 05:04:21
精神科医の存在も不可欠だと、私も思っております。
その一方で、子供達のこの社会への苛立ちの原因が、実は我々大人達のストレスの原因と同じなのでは?っとも考えております。
つまり、このままの路線で進めば、いずれ色々なモノが破綻することは、火を見るより明らかだと、多くの人が薄々感じているからなのでは無いでしょうか?
突然、生意気な書き込み、申し訳ないです^^;
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二度目のかきこみです。 (はなこふ)
2009-12-03 09:32:09
こんにちわ。あしあとからお久しぶりに来ました。
先日、途中から一度番組見ました。
その病院は救急で運ばれた未遂者に対するフォローがすごくできていて、素晴らしいなとおもいました。私の友達も何度も未遂をしてますが、胃洗浄だけで、すぐに帰される・・とゆう現実に驚きました、最初は・・。
身近な人を自殺で失ってるし、自分も希死年慮があるので、こうゆう番組がいつも気になります。。自分のできることは、その友達の手助けをすることしかないんですが。
でも全然減らない自殺者の数を知るたびに、段々とあきらめてしまってきている自分がいます。。こんな考えいけないことだけど、今の日本にあきらめてしまっている自分がいます。。
自殺した人だって、精一杯頑張ったんだし、悪くないし。ただ、周りの人のことを考えると、やっぱりないほうがいいことなんですよね。。
自分にできることを、地道に続けていきたいです。長々とすいませんでした。。
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子どもたちの危機 (トッペイ)
2009-12-04 01:56:22
 子どもは、大人の鏡と見た場合、今の状況には、心配な点がありますね。
 未来が明るいものになるためにも、子どものことをもっと考える必要があるのですね。
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自分にできることから (トッペイ)
2009-12-04 02:02:45
 自殺する人が3万人と言っても、それぞれ、1人1人の苦しみがあったのですね。
 また、未遂を繰り返す人に対するサポートも、生きづらい世の中を変えることにつながりそうです。
 率直なメッセージ、ありがとうございました。
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