トッペイのみんなちがってみんないい

透析しながら考えた事、感じた事。内部障害者として、色々な障害者,マイノリティの人とお互いに情報発信したい。

催眠商法屋の巡業 高齢者の居場所

2008-08-29 00:29:13 | 社会
 全国的に商店街が衰退して久しい。わが街にも、ビルの空きスペースや空き店舗が目立つ。そこにある日、突然お年寄りが並んでいるのをよく見かける。おばあさんばかりでなく、おじいさんも結構いる。あー、又始まったなと呆れてしまう。例の、催眠商法屋だ。表向きは、大抵は、健康食品(自然食品)や健康器具の販売業者だが、そこに1週間もいることは珍しい。店舗は無く、市内の空きスペースを巡業している。部屋の中には、パイプ椅子が白板を向いて並べられている。表には、1日何回かの開場時間の紙が貼られていたりする。そうした時間から見ても、お年寄りはかなり早くから開場を待っている。
  
 説明会が終わってから、帰っていくお年寄りを見かけることもある。手に持ったレジ袋の中は、無料か格安で手に入れた自然食品などが入っているのだろう。パン1斤、卵1パック、メーカーの良く分からないお菓子、乾し麺など、景品としての商品である。得をしたように満足気に帰るおばあさん達。次に業者が移動するまで毎日通うのだろう。知り合いもできる。家にいるよりは、はるかに楽しいのだろう。おいらの友人のお母さんは、80歳を超えているが、昼間、家にいたためしがないくらい、その手の会場に足繁く通っている。家には、景品と思しき食品があふれている。彼女たちには、独自のネットワークがあるらしく、説明会の日程と場所はしっかり把握しているのである。

 世の中、ただでモノをくれ続ける所はなく、結局は最終日に向けて、いけにえが必要となる。誰かが、高額な寝具やベッド、浄水器、有り難い健康食品セットなどを買う事になる。しかし、案外、彼らには被害者意識はないのである。親切な販売員のお兄さんが大事に扱ってくれるから。楽しい話もしてくれる。いわば、昔の旅芝居の興行の感覚なのかもしれない。※もちろん、最悪の業者がいることも報告されている。説明会を途中で帰ろうものなら、脅迫、暴力を使う所もあるそうだ。

 今日も、市内のどこかの空きスペースで、説明会が開かれているのだろう。白板に貼られた「さらさら血液」の説明文。

 もう30年位位前からだろうか、さまよう高齢者が街に目立つようになったのは。デパートの椅子に何することなく座り続けるお年寄り。病院の待合室でテレビを見ている、患者でも何でもないお年寄り。そういえば、最近は街から大分座る場所が無くなっている。図書館は、新聞も置いてあるので、今は穴場になっている。

 結局は、催眠商法屋の方が居心地がいいのかも知れない。自治体の公民館などでの高齢者向けの事業は、大体は何かのサークルに入る必要があるようだ。囲碁、将棋、カラオケ、俳句等。でも、強いてサークルに入ってまで施設を利用したくないお年寄りも少なくないのではないか。多摩ニュータウンでは、町全体の高齢化が進み、家からあまり出ないお年寄りがいる。男性の方が多く、連れ合いを失ってからは、もともとコミュニティに参加することもなかったので、交流もない。全国的に見ても、似たようなところがあり、孤独死という悲惨な事例も多いそうだ。

 地域のコニュにティも壊れかけているのかも知れない。昔は、近所に八百屋、魚屋、総菜屋などの店があった。御用聞きもいた。地域で、お年寄りや子供を見守っていた。今は、買物は遠出する必要がある。郊外に、大型店が出来ても高齢者にはいくことも出来ない。

 居場所がなくなったのだ。家族も核家族化、共稼ぎなどで、高齢者・子供の面倒もみるのが難しくなっている。自治体も、居場所を確保して欲しい。強いて、お稽古事の真似をしたくないお年寄りもいるのだから。

 一番望むのは、お寺などの宗教施設に対してだ。昔は、お年寄りの集う場所ではなかったのか。ポットのお湯と、急須・茶碗だけ用意して、スペースを提供してもらえないのだろうか。昔は、気が向いたお年寄りが自発的に掃除や草むしりをしていたのではないか。おしゃべりだけでもいいのだ。居場所が欲しい。

 又、歩いている時に、空きスペースにお年寄りの行列を見かけるだろう。


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2 コメント

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人見知りするご老人もいるね。 (小町)
2008-08-29 02:12:07
ほんとに、サークルとか、公民館デビューには、勇気も必要だし、一人でお買い物をしてるご老人がいるもんね。
何度か、お顔をみる度、挨拶し続けると、今度は、お話かけてくれたりするよ。

心細いよね。。。きっと。
人恋しいと思うなぁ。。。
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もっと目を向けて (トッペイ)
2008-08-29 10:47:03
 誰もが年をとっていくのですから。
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