トッペイのみんなちがってみんないい

透析しながら考えた事、感じた事。内部障害者として、色々な障害者,マイノリティの人とお互いに情報発信したい。

透析の間にすること

2008-05-11 01:53:47 | 透析
 おいらは、週3回、4時間ずつ透析をしている。その間は、考えようによっては自由時間だ。左手は、太い針で血管から、ダイアライザーの回路につながっている。ダイアライザーには超細の繊維状の管がぎっしり詰まっており、その中空を血液が流れていく。ダイアライザーは、筒状でそこを透析液が流れていく。拡散とろ過作用で血液中の毒素と、水分が抜かれていく。人工透析は、朝鮮戦争の時に、兵士の急性腎不全の治療のために、急速に実用化が進んだ。いわば、戦争の産物である。しかし、平和だからこそ、我々透析患者は安心して透析を受けられる。だから、平和に関する問題には、無関心ではいられない。今、平和憲法の存在が脅かされている。日本が、戦争の出来る国になって、戦争に巻き込まれるようになったら、我々は当然に非国民扱いだろうな。
 透析中は、おいらの場合は右手を使って、色々な事をすることになる。今は、昼食をはさんで、読書とDVD鑑賞に時間を使っている。内容は、固いものから軟らかいものまで、何でもありだ。

 今日の読書は、ケン・ジョセフ・シニア&ジュニア「隠された聖書の国・日本」だ。この手の本は、きわものが多いが、これはかなり参考になる本だ。内容は、日本へのキリスト教伝来が、1549年のザビエル到来以前とするものである。5世紀前半に日本に渡来した秦氏一族が、アッシリア人で、彼らが景教(アッシリア東方基督教、以前はカトリック教会によりネストリウス派と蔑称され異端視されていが、
1997年両者の間で和解がなされた)をもたらしたというものだ。日本文化にも、多くの影響を残しているという。なお、秦氏については、イスラエルの失われた10氏族の流れをくむものという意見もあるが確認はされていない。司馬遼太郎氏も秦氏の起源については関心があったようだ。いずれにしろ、キリスト教が景教という形で日本に伝来したことは大いにあり得ることだと思われる。なお、高野山には漢訳された「マタイの福音書」が保管されているという。空海が中国から持ち帰ったという。また、西本願寺にも「世尊布施論」という中国で7世紀に景教徒により漢訳された景教経典が残されている。親鸞も読んで学んだという。
 また、DNA学者の宝来聡博士の日本人の起源に対する研究も紹介されていた。
(岩波科学ライブラリー「DNA人類進化学」)
 博士は、中国人、韓国人、アイヌ、沖縄県人、日本の本州人からなる5グループのDNAの特徴を調べた。すると、本州人のDNAには、韓国人に多い特徴を持つものが24%、中国人に多い特徴を持つ者が26%、アイヌに多い特徴を持つ者8%、沖縄県人に多い特徴を持つ者が16%含まれていた。さらに、これら5グループのどれにも属さない特徴を持つ者が、26%あった。そのうち5%が、特に日本人固有の特徴と思われる。この研究からはっきりすることは、日本人は遺伝的に「単一民族」ではないという事だ。さまざまな民族が混じっている。また、東大の研究グループによる「JCウィルス」のDNA解析の結果、ヨーロッパの白人やトルコ人などに特有の型(EU型)と呼ばれる遺伝子が、特に東北の日本海側に住む日本人に
約1~2割見つかったという。EU型は、他のアジア諸国ではほとんど見られないものだ。

 DVDは、アメリカ映画の、リプレイスメントを見た。キアヌ・リーブス主演のフットボール映画だ。フットボール選手のストライキで急遽集められた代理(リプレスメント)の選手のストーリーだ。ストライキが終われば、もと居た職場や監獄に戻らなくてはいけない寄せ集めの選手たち。日本人の元力士、イギリス人の元サッカー選手など落ちこぼれをリードしていく元学生フットボールの花形選手だった負け犬ファルコン。かき集められた選手には、ろうあ者もいた。ジーン・ハックマン演じる監督の指導の下、段々とまとまっていく選手たち。当然、プレイオフを賭けた試合のシーンが見もので、さわやかな映画だった。たまには、こんな映画もいい。

 時間が少し余ったので、マンガ「黒鷲死体宅急便」を読む。原作は、評論家の大塚英志氏。先に、高裁で違憲判決が確定した自衛隊イラク派遣訴訟の原告に関わった人だ。


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4 コメント

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今日は午後から仕事です (芙蓉峰)
2008-05-11 09:54:06
トッペイさんの知的興味の広さにはいつも驚かされます。
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これもお祭りと関係しますね (トッペイ)
2008-05-11 10:31:40
 日本語の「民族」は、包括的な概念ですね。外国語より、広い意味を持っています。だから、論理展開を始める時は、定義からスタートします。
 でも、今回のブログでは、政治家をはじめとする右派の人の主張する「単一民族説」(国粋主義)に対する反論ですね。文化的にも、長い時間をかけて日本的な文化が育っていきましたが、最初は外国文化の受容だった。もしかしたら、縄文時代の文化が本当の日本文化のスタートかもしれない。でも、弥生時代とは断絶があるようだ。この時代に、外国から新たな人種がやってきたのかもしれない。その後も、騎馬民族説のような侵略もあったのかもしれない。日本神話も、朝鮮神話との共通性が指摘されているし、雅楽も起源はシルクロードの音楽です。当然、人種的形質も問題とされうる。ドイツも、ナチスの時代に純粋なゲルマン民族という幻想に取りつかれていました。要するに、われわれ日本人にもたくさんの血が流れている。今の天皇も、韓国訪問の際、皇室と朝鮮の関係に触れていますね。また、日の丸と君が代の強制には不快感を表明した。
 日本という国を愛し、日本文化を大切にすることは、日本国家を愛し、文化の多様性を認めないことと同じでは無いのです。
 ※ユダヤ民族というときの、「民族」を宗教的、文化的にのみにとらえる方法はとることは出来ませんね。
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嬉しかったです (桜花あかり)
2008-05-12 02:16:16
ご訪問ありがとうございました。また来て下さいね。
「みんなちがってみんないい」好きです、この言葉。

高校の時に「ヤポネシア」という言葉を教わりました。
日本人のルーツは南の海を辿って行くと
あるという興味深い内容でした。

ところでトッペイさんは宮沢賢治はお好きですか?
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コメントありがとう (トッペイ)
2008-05-12 11:47:05
 小鉄さん、
言葉を定義するって、難しいですね。今度、社会心理学の話をして下さいね。

 桜花あかりさん、
宮沢賢治は大好きな作家です。去年は、地元の美術館で漫画家のますむらひろしの作品展がありました。その中に、宮沢賢治の原作を基にした作品の展示もありました。
 今度、桜花あかりさんにも宮沢賢治の作品のイラストを描いてほしいです。
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