トムとことり (主婦の友はじめてブック おはなしシリーズ) (主婦の友はじめてブック―おはなしシリーズ)パトリック・レンツ主婦の友社このアイテムの詳細を見る |
タイトル以外に、言葉のない絵本。映画でいえば無声映画。
街の鳥瞰図から始める世界。トムは、父親にねだって、市場で小鳥を買ってもらう。大事に面倒を見るのだが、小鳥はだんだんと弱っていく。小鳥は、愛する家族から話されて捕獲されていたのだ。
トムが下した結論は、小鳥を放すことだった。本当の愛情とは何か、子どもであるトムにとっては、重大決心だっただろう。
小鳥に共感するトムの心、大切な感情。
窓辺に見つけた大きなきれいな鳥の羽。大事にしまいこむトムの夢の中に……。
他者の哀しみを心で受け止め、宮沢賢治ではないが、本当の幸せとは何かを考えること。言葉のない絵本を見ながら、なんだか、心が洗われたような気がした。