1日1日感動したことを書きたい

本、音楽、映画、仕事、出会い。1日1日感動したことを書きたい。
人生の黄昏時だから、なおそう思います。

米住宅ローン焦げ付き拡大 延滞・差し押さえ率過去最高

2009-03-10 08:53:21 | 経済指標メモ
この記事を読んで、世界の経済、まだまだ底が見えないということを実感してしまいました。

世界の金融危機の発生源であるアメリカの住宅ローンの焦げ付き問題が一段と深刻に
なってきています。実体経済の悪化で2008年10-12期の延滞、差し押さえ率が過去最大
を更新しました。住宅ローンの延滞率は7.88%、担保不動産の差し押さえ率は3.30%、
合計11.18%。サブプライムローン(信用力の低い個人向け住宅融資)の延滞率は24.2%、差し押さえ
率は22.1%、合計すると46.3%。半数近くの返済が行き詰ってしまいました。
住宅の値下がりが止まらずに返済余力が低下していることと、「雇用環境の急速な悪化」が背景にあります。

サブプライムローンよりやや信用力の高い「オルトA」の50%以上が、この3年以内に
金利が割高になる「リセット」を迎えるそうです。中古住宅の在庫件数は9.6か月分に
相当する360万戸。市場に放出される差し押さえ住宅が市場価格のさらなる下押し
要因となり、住宅ローンの延滞や差し押さえをさらに増加させるという悪循環が
加速しています。

住宅ローンの破たん→金融危機→実体経済の悪化→雇用、消費の削減→住宅価格の低下とローンの破たん→金融危機・・・・・。

朝から、暗いなぁ、ほんとうに。


上場企業の希望退職募集、わずか2か月で前年以上に

2009-03-09 23:50:55 | 経済指標メモ
 今日もまた暗い指標がならびます。上場企業のうち2009年に希望退職者または早期退職者を募集した企業が
81社に上ったことが9日、東京商工リサーチの調査で明らかになりました。募集人数は公表している70社だけ
で6665人。内訳は、電気機器が13社(ソニー、沖電気など)、機械、卸売りが各10社、不動産8社など。わずか
2か月余りで08年実績(68件)を上回りました。
 また昨年9月以降の上場企業の正社員を対象にした希望退職の募集は、117社で約20000人。同時期に勤務先の
倒産で職を失った人の数は、47000人にものぼります。非正規雇用から正規雇用に、雇用調整の流れは確実に正社員
にも及んでいます(日経新聞朝刊)。人ごとではないけれど・・・

財務省が発表した2009年1月の経常収支は13年ぶりの赤字、赤字額は1728億円で過去最大。貿易収支も8444億円
の赤字。



           経常収支グラフ



           貿易収支グラフ

そしてもう一つ。世界銀行が約130の途上国が2009年に最大69兆円の資金不足に直面するとの見通しを発表しました。
世界経済は、戦後初のマイナス成長に陥る可能性が高いとのこと。

世界銀行の見通し
「世界貿易は、1929年の大恐慌以来80年ぶりの落ち込みになる。」

世界銀行が大恐慌との対比せざるをえないところにまで来てしまったのですね。
世界不況から世界恐慌へ・・・。不安。ほんとうに底がみえない。



「世界潮流の読み方」(ビル・エモット)

2009-03-09 08:45:42 | 
「世界潮流の読み方」(ビル・エモット)を読みました。著者のビル・エモットは、
イギリスの経済誌「エコノミスト」の元編集長です。「地球規模で考える」という
のが筆者のスタンス。アメリカ、日本、EU、中国、インド、パキスタン、イラン、イス
ラエル、アフリカ、ハンガリーなど、世界の経済や政治、文化に関する40余りの
コラム集です。この本、いま結構売れているのですね。

 しかし、どうなんだろ?この本を読みながら、気の抜けたサイダーを飲むような
気分になってしまいました。日本やEU、中国、インドの経済に対する見方が、と
ても楽観的なのです。この本の発行が2008年12月。この数カ月の経済の流れが
あまりに急激で、この本自体が「世界の潮流」から取り残されてしまったのでしょ
うね。

 筆者は、この本の最後に10年、20年、30年かけて熟成していくハンガリーの
「トカイワイン」を紹介しながら、「待つことで人生は豊かになる」と述べています。
そうかも知れないけれど、「世界の潮流」は私たちを待ってくれないように思いま
した。





「NO LINE ON THE HORIZON」(U2)

2009-03-08 10:54:11 | 音楽
 コールドプレイのコンサート以来、最近は、すっかりロックオヤジしています。今日は、
U2の新作「NO LINE ON THE HORIZON」を聴いています。結成30年、さすがやなぁ
U2。
 このCDを聴くと、コールドプレイがU2をrespectしているのがよくわかります。音もロック
への姿勢もとてもよく似ています。両方とも新作は、ブライアン・イーノがプロデュースして
いるというのもあるのだろうけれど。

 U2、とてもせつないロックです。昨日見た SWEET SIXTEEN の少年たちの心にも、この
音が響いているのだろうか。

Only love,only love can heal such a scar. 愛だけが、愛だけがこの傷をいやしてくれる
Only love,only love unites our hearts.  愛だけが、愛だけが、私たちの心をひとつにしてくれる

やっぱり、これしかないと思う。




「SWEET SIXTEEN」(ケン・ローチ)

2009-03-07 14:44:27 | 映画
今日は、ケン・ローチの「SWEET SIXTEEN」をDVDで見ました。ケン・ローチは、僕の大好きな監督のひとりです。

刑務所に服役している母親の帰りを待ち続ける15歳の少年リアムが主人公の物語です。
母といっしょに暮らす家を手に入れるために、麻薬の売人になり、やくざの組織との
かかわりを深め、人まで殺してしまう、そんな少年の姿をケン・ローチは、とても
せつなく描いています。

16歳の誕生日の前日、出所する母を迎えに行くときの少年のうれしそうな顔。彼が手に入れた
川が見下ろせる立派なマンションに母を連れていくときの少年の達成感。
しかし母親は
「長い間この町に住んでいるけれどこのあたりには来たことがなかった」という
言葉を残して、マンションを出ていきます。
このシーンに、ケン・ローチは、イギリス社会が抱える貧困と決して超えることができない階級間の格差を
集約して見せたように思いました。

美しい湖と石畳

学校にも行かずに、ストリートで群れている子供たち。
7歳からパブでたばこを売ってわずかばかりのお金を稼ぐ少年。
10代のシングルマザー。
少年たちに「ヤク」をうる大人たち。
壊れてしまった家族、そして
子どもを捨てる母親。

母親と一緒に暮らすことができなかった
主人公のリアムが16歳の誕生につぶやく言葉。
「もうバッテリーがきれてしまった」

哀しかったなぁ。

バッテリーって、充電がきくんだよね、きっと。






2月の米失業率、8.1%に悪化

2009-03-07 10:31:13 | 経済指標メモ
 2月のアメリカの失業率、前月より0.5ポイント悪化し8.1%になりました。
1983年2月(8.3%)以来、約25年ぶりの水準です。非農業部門の雇用者数
は前月から65万1000人減少。雇用者数の減少は14カ月連続で、昨年1月から
合計で約440万人の雇用が失われました。とりわけ、この3か月間で200万人の
雇用が奪われましたが、これは第二次世界大戦以降で最悪の数字です。

「労働市場は歯止めのきかない落下が続いている。9月までに失業率は2ケタに
乗るだろう」(IHSグローバル・インサイトのナイジェル・ゴールト氏)

先月も書いたけれど、「消費の低迷→生産の削減→雇用の削減→消費の低迷」
という負のスパイラル、まったく底がみえません。



日本、女性の国会議員9.4%  世界104位

2009-03-06 22:47:07 | 経済指標メモ
 今日は、なんといっても日経夕刊のこの記事やろな・・・。国会議員間の国際交流
を手掛ける列国議会同盟(IPU)は、世界の女性国家議員の数が2月末時点で8094人、
全議席に占める割合が約18%と過去最高になったと発表しました。
 1995年時点との比較で女性議員は6割増加、比率は7ポイント増えたとのこと。一位
は、世界で初めて女性議員が過半数を占めたルワンダが56%と断トツ。二位がスウェー
デンの47%、三位がキューバの43%。ドイツは32%の18位、カナダは22%の46位。
 で、わが日本はなんと9.4%の104位。主要先進国で最低水準です。差別が少ない社会
ほどよい社会だと僕は思うけれど、あまりに情けないなぁ、この数字は。
 娘たち、まだまだ男社会。いろいろ苦労するやろけど、負けんとがんばるんやで。

全産業の経常利益 記録的な減少

2009-03-05 18:10:06 | 経済指標メモ
財務省が発表した2008年10~12月期の法人企業統計によると、全産業(金融・保険業を除く)の経常利益が
前年同期比64.1%減の5兆1319億円と、記録的な大幅減となりました。特に、製造業は自動車産業の赤字
転落などで、同94.3%減の大幅減益となり、過去最大の減少率を記録しました。

売上高も全産業ベースで11・6%減と4四半期連続の減収。

設備投資(ソフトウエア含む)も前年同月比17・3%減と、過去最低を記録。

厳しい数字ばかりが並んでいます。

財務省
「世界的な景気後退が見られる中、日本も厳しい経済状況が示されている」

麻生首相
「世界の金融危機、米国や中国に輸出している部分が多いことを考えると、景気の下降局面という底がどこか、
いまだに見えてこない」




        グラフは毎日新聞より
 
底が抜けなければ、ほんとうにいいのだけれど。





「地図男」(真藤順丈)

2009-03-04 21:26:23 | 
 「地図男」(真藤順丈)を読みました。三歳でオリジナルCDを作ってしまった天才音楽少年の話、
囲碁や将棋などの勝敗によって東京23区の区章をうばいあうプレーヤーたちの話、そして12歳の
「ムサシ」と「アキル」のせつない恋のお話。三つの物語が、関東一円の地図帳を背景に、「地図男」
によって語られていきます。
 「地図男」というのは、29cm×19cmの関東地域大判地図帳に付箋を打ちながら、その地にまつわ
る物語を書き込んでいくストーリーテラーのことです。関東を中心に移動しながら、各地の景観や人々の
生活を描いた葛飾北斎の「富嶽三十六景」に必ず<富士山>が描きこまれていたように、何の関係も
ない3つの物語が、最後にはある一つのもので結ばれます。
 少々強引とも思えるこの一つのものに、個別の物語を支える確かなものへの作者やそして私たちの
希求があるように思いました。


「決壊(下)」(平野啓一郎)

2009-03-03 21:45:17 | 
 「決壊(下)」(平野啓一郎)を読みました。ほんとうに凄い小説だと思います。
読み終わって、しばらくの間立ち上がることができなかった・・・

定年退職後にうつ病にかかった初老の男性の姿、崩壊する夫婦の関係、いじめ、
貧困の連鎖、無差別大量殺人、存在がなくなるということ、心の中にひそむ「悪」、
壊れていく心。

意識の奥底にしっかりと蓋をして閉じ込めておいた「不安」が、絵の具のチューブを
最後の一滴まで絞り出すような執拗さで、目の前に並べられていきます。上巻でも
書いたけれど、背筋が凍った。

一切の救いも、希望も、なにもないということ、そのことを受け入れるしかないん
やろな。まずは。


所定内給与0.1%減、15カ月ぶりマイナス

2009-03-02 20:28:08 | 経済指標メモ
 厚生労働省が2日発表した1月の毎月勤労統計調査(速報、従業員5人以上)によると、
給与の大部分を占める基本給の所定内給与は前年同月比0.1%減の24万8664円でした。
15か月ぶりの減少。企業が、正社員の賃金抑制や給与水準の高い労働者のリストラを
進めていることが背景にあると書かれています(日経夕刊)。
 残業時間も大きく落ち込みました。1月は全産業の残業時間が一人当たり平均8.9時間
と前年同月比15.2%減少。製造業の残業時間は前年同月比40%の減少、これは過去最大
です。

賃金の抑制 → 消費の減少 → 生産の抑制 → 賃金の抑制・・・・

負のスパイラルは、いまだとどまりそうにありません。



      (グラフは日経新聞より)

話変わるけれど、舞子生まれの僕としては、イカナゴ漁が気になってます。
28日の初日は、「解禁日の水揚げとしてはかつてない少なさ」。
今日から始まった播磨灘の漁は、「平年並み」。
解禁になると毎年すぐに届いていたイカナゴのくぎにが
今年はまだ届かないなぁ・・・

「決壊(上)」(平野啓一郎)

2009-03-01 19:54:30 | 
朝から、平野啓一郎の「決壊」を読んでいます。今、上巻を読み終えたところです。背筋が凍るというか、人間の「悪」をのぞきこむような恐怖を感じています。しかも、この「悪」がネットという匿名の世界で、増殖していきます・・・希望はあるんやろか??? やめられへんわ、下巻、下巻。

「完全に善なる世界、完全なる愛の世界などというものが到来したならばだ、間違いなく、その世界のもっとも誠実な人間は、人間性というものの最後の手段として、絶望的な決意をもって最も理不尽で、最も不可解な殺人を犯すだろうね。そして、それに快哉を叫ぶのもまた、最も人間的なる人々だよ。」

「人間というのは、そういう愚かな存在だ。その愚かさこそを、むしろ人間は、人間性と呼んでいる。」

「殺人は、人間の必然だ。人間が人間である限りにおいて、殺人は必ず起きてきた。」

「純化された殺意として、まったく無私の、匿名の観念として殺人を行う。そのまま世界の殺意として現前させる!」

「我々は、世界中の殺意を、世界それ自体の秩序だったリストアップに逆らって、同時多発的に、匿名的に活性化させる。」

「(世界を支配するシステムから)一人離脱すれば、必ずそれに続く者が現われる。離脱者はやがて大量になる。」

これらの言葉、ぐさっと胸に突き刺さってきます。