1日1日感動したことを書きたい

本、音楽、映画、仕事、出会い。1日1日感動したことを書きたい。
人生の黄昏時だから、なおそう思います。

「決壊(上)」(平野啓一郎)

2009-03-01 19:54:30 | 
朝から、平野啓一郎の「決壊」を読んでいます。今、上巻を読み終えたところです。背筋が凍るというか、人間の「悪」をのぞきこむような恐怖を感じています。しかも、この「悪」がネットという匿名の世界で、増殖していきます・・・希望はあるんやろか??? やめられへんわ、下巻、下巻。

「完全に善なる世界、完全なる愛の世界などというものが到来したならばだ、間違いなく、その世界のもっとも誠実な人間は、人間性というものの最後の手段として、絶望的な決意をもって最も理不尽で、最も不可解な殺人を犯すだろうね。そして、それに快哉を叫ぶのもまた、最も人間的なる人々だよ。」

「人間というのは、そういう愚かな存在だ。その愚かさこそを、むしろ人間は、人間性と呼んでいる。」

「殺人は、人間の必然だ。人間が人間である限りにおいて、殺人は必ず起きてきた。」

「純化された殺意として、まったく無私の、匿名の観念として殺人を行う。そのまま世界の殺意として現前させる!」

「我々は、世界中の殺意を、世界それ自体の秩序だったリストアップに逆らって、同時多発的に、匿名的に活性化させる。」

「(世界を支配するシステムから)一人離脱すれば、必ずそれに続く者が現われる。離脱者はやがて大量になる。」

これらの言葉、ぐさっと胸に突き刺さってきます。



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