1日1日感動したことを書きたい

本、音楽、映画、仕事、出会い。1日1日感動したことを書きたい。
人生の黄昏時だから、なおそう思います。

「SWEET SIXTEEN」(ケン・ローチ)

2009-03-07 14:44:27 | 映画
今日は、ケン・ローチの「SWEET SIXTEEN」をDVDで見ました。ケン・ローチは、僕の大好きな監督のひとりです。

刑務所に服役している母親の帰りを待ち続ける15歳の少年リアムが主人公の物語です。
母といっしょに暮らす家を手に入れるために、麻薬の売人になり、やくざの組織との
かかわりを深め、人まで殺してしまう、そんな少年の姿をケン・ローチは、とても
せつなく描いています。

16歳の誕生日の前日、出所する母を迎えに行くときの少年のうれしそうな顔。彼が手に入れた
川が見下ろせる立派なマンションに母を連れていくときの少年の達成感。
しかし母親は
「長い間この町に住んでいるけれどこのあたりには来たことがなかった」という
言葉を残して、マンションを出ていきます。
このシーンに、ケン・ローチは、イギリス社会が抱える貧困と決して超えることができない階級間の格差を
集約して見せたように思いました。

美しい湖と石畳

学校にも行かずに、ストリートで群れている子供たち。
7歳からパブでたばこを売ってわずかばかりのお金を稼ぐ少年。
10代のシングルマザー。
少年たちに「ヤク」をうる大人たち。
壊れてしまった家族、そして
子どもを捨てる母親。

母親と一緒に暮らすことができなかった
主人公のリアムが16歳の誕生につぶやく言葉。
「もうバッテリーがきれてしまった」

哀しかったなぁ。

バッテリーって、充電がきくんだよね、きっと。







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