かぜねこ花鳥風月館

出会いの花鳥風月を心の中にとじこめる日記

イベント参加は不要不急の外出か

2021-01-24 16:31:28 | 日記

これまで、緊急事態宣言下にある首都圏での大相撲や学生ラグビーなどに大勢の観客を入れて、それを公共放送で放映するのは、政府の「不要不急の外出自粛要請」に矛盾する対応であると批判的に述べてきた。

ならば、スポーツ以外の催し、映画・演劇・コンサート・講演会などのほか、遊園地・動物園・美術館・図書館など不特定多数のヒトが流れるイベント・施設の開催・営業も「不要不急」として「自粛要請」すべきと批判するのが矛盾しない考え方なのだが・・・・

政府はスポーツはおろか、上のようなイベントの営業開催について、夜間20時以降の開催自粛と5000人以下かつ収容率50%以下を求めているだけ。

であるなら、これらのイベント・施設へ昼間出向くことは、「不要不急」ではないというのが論理の帰結で、なんか日本語の持つ意味が分からなくなってきた。

ヒトの流れを止めたいなら、はっきりイベントはダメ、施設はダメ、登山や旅はもちろん禁止!と具体的にお触れを張り出すべきであろう。

もともと、スポーツ・芸術・遊興・教養を求める行為、すなわち文化希求行動は、(登山や旅を含め)ヒトとして日用品の買い物や散歩など健康維持行為と同じような大事な行為であって「不要不急」ではないと思っているので、もう上のヒトたちは、「不要不急」という言葉を使わないようにしたほうがいいのではないか。大事な日本語を意味不明に持っていくのはよしてほしい。

ということで、感染者数は東北一だが緊急事態宣言事態がでていない仙台の街で、しばらく巣ごもりしていたが、緊急事態命令エリアだって「不要不急ではない」と官製お墨付きの昼間のイベント参加であり、いわんや当該エリア以外をやという気持ちとイベントに行きたいという欲求が昂じて、昨日の午後は、感染リスクを意識しながらも、地下鉄に乗って仙台フィルの定期演奏会に行ってきた。

 

天才ではないかと思っている指揮の鈴木優人(マサト)くんとピアニストの牛田智大(トモヒロ)くんが演奏するとあっては、感染リスクを感じながらも、出かけずにはいられなかったのだ。(「くん」づけごめん)

マサトくんはBCJ(バッハ・コレギウム・ジャパン)の創設者鈴木雅明さんのご子弟で、NHKFM「古楽の楽しみ」MCでもおなじみだが、チェンバロ、オルガンなど古楽演奏のプロフェッショナルとばかり思っていたが、親父ともども、古典からオペラ、現代音楽のなんでも振るようになっていて、オイラは過去に横浜で「マタイ受難曲」を、調布で「後宮からの誘拐」を聴いており、何でもできるヒトだと感心していたが、昨日は武満徹やラヴェルに挑戦していた。昨秋は、読響でメシアンも振ったとか。東京でなければ、聴いてみたかった。

 

21歳になっている牛田くんは、12歳という少年時代から「天才少年」とマスコミに騒がれ、その愛らしいマスクと礼儀正しい受け答えに、うっとりしたオバサン方も多かったろうに、おおむねこのような「天才少年」は、その後、消息が途絶えるのが世の常なのだが、2019年NHKプレミアム「『蜂蜜と遠雷』若き天才の18日」でも紹介されたように、超難関といわれる2018年の浜松国際ピアノコンクールで、第2位を受賞したので、「天才少年」は、努力を押しまず順調に力をつけていたものといえる。昨日の演奏会では、ショパンの1番協奏曲と、アンコールに「子犬のワルツ」を弾いてくれた。12才当時の子犬の映像が残されているが、格段に能力に磨きがかかっているのだろう。機会があれば、牛田君のラフマニノフを聴いていみたいな。それにしても背筋がピンとしたスマートな好青年に成長していた!世界中で活躍してほしい。

 

牛田智大君12才の「子犬のワルツ」YouTubeから

 

マサトくんの武満徹「夢の時」は、会場のせいか、やや硬い音響で、ボヤっと響かず、いまひとつ武満音楽特有の夢想気分にはなれなかったが、ラヴェル「マ・メール・ロワ」組曲と「ダフニスとクロエ」組曲第2番は、マサトくんの棒と仙台フィルの呼吸がぴったりあっていたようで、弦がやわらかに響きあい、金管と打楽器のダイナミズムがうねりのような音波として鼓膜をふるわせてくれ、仕舞には、ラヴェルの意図した色彩あふれる天上世界に誘われたようで、夢見るように紅潮し、暗く冷たい夕刻の会場の外に出ても、しばらくポカポカしていた。

ということで、もうコロナのことなど忘れて会場を後にして、地下鉄に乗ったのだが、土曜夕刻、仙台駅方面にむかう列車なのに座席は埋め尽くされ、立客も相当いた。若者、ご婦人、オイラのような高齢者と年齢層は幅広で、みながみなコンサート帰りばかりとは思えず、「一体、土曜の夜に、みな何を目的に街に繰り出そうとしているのか、おいらの危機意識は、幻影だったのか」とつぶやきながら帰路についた。

あんだけ「不要不急の外出自粛」を「悪いこと」と公に流しておきながら、政府のアマチャンメッセージをいいことにイベント参加を肯定するオイラ。このような尻軽というか、言行不一致派というか、日和見派というか、そんなヤカラがやがて感染し、あるいは感染させるヒトになるのだろう。

仙台フィル、来月は、若手エリートコンダクター山田和樹さんが振るのだという。これもネット申し込み。

1400人入る会場は、前列を除いて、すべてのイスが販売されていたようでほぼ満席。1000人入ったとして売り上げは、500万円程度か。演奏者とスタッフ200人として、平均25000円の収入か。これが毎日続くならいいが、月1~2度の公演とあっては、芸術界のヒトビトも大変なのだろう。

感染は怖いが、文化の燈も消してはならない。これが渡世人のつらいところよ、どうなる明日。

 

     

 


巣ごもりキャンプトレーニング

 

メスティンに塩じゃけ1枚を敷いて100gの無洗米、20gの押し麦、固形燃料25分で自動炊飯。美味しく炊けたが、甘塩ではなく、もうすこし塩っ気のある切り身の方がごはんに馴染んだか。

 

    

        メスティン折で炊いてみたが問題なし。

   

    醤油小さじ1、酒・みりん少々、ほんだし小さじ半分、しょうが、シイタケ、ネギをすこし。

   それでもやや、塩気があった方がよかったか。

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