言葉の獲得
昨年の夏に、「言語保育セラピスト」の資格をいただき、保育の中でできる言葉の促し、つまづきのあるお子さんへの働きかけを提案しています。
つまづきがあるから、すぐに「ことばの相談室」へではなくて、保育の中で、「その子が必要とする援助や保育は何か?」を見つけ工夫を凝らし、
実践していくことが私たち保育園の役割でもあります。もちろん専門機関との連携も大切なことではありますが。
1歳6ヵ月検診で「言葉がちょっと遅いね」「個別相談いかがですか?」と言われたお母さんたちが、少し落ち込んで様子で相談されますが、
「こちらの言っていることを理解しているので、焦らないでください」と声をかけたり、今の現状を丁寧にお話したりします。
また、今後お母さんにしてもらいたいことや接し方の工夫なども合わせてお話しするようにしています。
「子どもは小さくて何もしゃべらないから」ではなく、0歳児から言葉をたくさん吸収し始めていますから、どんどん話しかけてあげてください。
スマートフォンやゲームの普及によりお父さんやお母さんの言葉がけが減っているのは確かです。 また、紙おしめが当たり前になったいま
肌に触れる回数は減るとともに「気持ち悪かったね~」と気持ちを代弁してあげることも減ってきたのです。
そのしわ寄せが子どもにきていると思ってくださいと言っても過言ではないと思います。
保育園では
先生のお手伝いをしようとする子どもには、「〇〇とってくれる?」と声をかけたり
「ありがとう」とお礼を言ったりして、日常に使う言葉を小さい子どもにもかけていきます。
幼児語(〇〇でちゅうのような)は使いません。
声を出すには腹筋や背筋も必要になってきます。
しっかりハイハイができるように、小さいクラスにはあえてトンネルを置き這うことを促しています。
0歳児のクラスでは、食事やおやつは子ども1人と保育者1人で行います。
丁寧に関わり、マナーやその子の食べ具合を観察していきます。
自分でできるところは子どもに任せ、少し援助して成功に導き、次への意欲につなげていきます。
「待て待て~」「貸して~」「取った~」と少しずつ語彙が増えていきます。
また、0歳児でも毎日一緒に過ごす友だちの名前を憶えて呼び合っています。
0歳児から、保育者と手遊びをしたりにらめっこをしたり、絵本を一緒に見たりする時間をたっぷりとっています。
にらめっこでほっぺを膨らませることも、手遊びで「目や鼻、口」を憶えていくこともすべてのちの言葉の獲得につながります。
メディアに頼ることなく、生の声で表情で、子どもの心を大切に育てていきたいですね。
もし、子どもさんの発達に不安をお持ちの方は、遠慮なく何でも聞いてください。一緒に考え、できることを見つけていきましょう。