『グイン・サーガ・ワールド 7』 天狼プロダクション監修 (ハヤカワ文庫 JA)
今回はグイン・サーガ・トリビュートの牧野修『魔王子の召喚』が傑作。星船によって追放された魔王子の飛んで行った先はどこだったのか。そして、グラ爺の大活躍。笑えるし泣けるし、面白すぎる。これはぜひ星雲賞を狙って欲しい。
本編では、五代ゆう『パロの暗黒』は登場人物たちの性格や行動がデフォルメされ過ぎていて、なんだか二次創作同人誌みたいな雰囲気だった。
もう一方の、宵野ゆめ『サイロンの挽歌』は、相変わらずスローペース。とは言え、やっと事態が動きそうな気配がしてきた。
どちらも、次の第4話(つまり、1冊分にまとまれば最終章)に向けて盛り上がってきましたという感じ。やっぱり、連載よりも一気読みしたいですかね。
遺稿の『スペードの女王』はいつまで続くのかが心配。結末が無いのだけは勘弁して欲しいのだが。
『いちばん不幸で、(略)』は、いつも読んでいてつらいな。今回は2chでオン・タイとか言ってたひとには、ちょっと罪悪感が出てくるかも。俺も含めてだけど……。
さて、次は本編第4話掲載で第2期終了ということになるんだろうけど、この先どうなるのか、グイン・サーガの行く末とともに、この形態の出版の行く末も気になるところである。